壁に生えた気持ち悪いカビを一瞬で除去!最強の技をカビ取り業者が解説
当社は、カビ取り業者として毎日数現場、問い合わせも多い時は1日で数十件頂くことも珍しくありません。その中で最も多い問い合わせ内容は壁になります。
そして、相談頂く現場の9割は共通している問題になりますので、ほとんどの方にこの記事は当てはまるのではないかと思います。
本記事では、これら共通する問題を解決する内容が網羅されていますので、この記事を読んだ瞬間、カビ対策の半分はクリアします。あとの半分はこの記事に書いてある内容をそのまま実践していたければ問題が解決しますので、是非参考にしてください。
1.現状を把握する
これから、どうやってカビ対策をすればいいのか、カビを除去すればいいのかを考える必要があります。そのためには、まず今どんな種類のカビが発生していて、どのくらいの範囲にカビが発生しているのかを把握しなければ次の対策は出てきません。まずは以下の4つを確認してください。
1-1.カビの種類を特定する
最初に行うことは、今壁にどのようなカビが発生しているのかを確認することが重要です。カビには様々な種類がありますが以下の4種類に分類され、それぞれ発生する場所に特徴があります。※細かな学術名や特性などは分かりづらくなるので省いています。
- 黒いカビ・・・結露・湿度が高い時に発生
- 赤いカビ・・・結露・湿度が高い時に発生
- 青いカビ・・・湿度が低くても発生する
- 白いカビ・・・湿度が低くても発生する
細かく種類を特定すると白カビが黒カビだったケースもあるのですが、細かいことは考えず、今発生しているカビの色を確認すれば、おのずとなぜカビが発生したのか特定することが出来ます。黒いカビや赤いカビは湿度というよりはほぼ結露や漏水が原因です。青かびは結露・漏水もありますが、室内の環境要因も重要になってきます。
1-2.カビの大きさを確認する
壁に発生しているカビはどこまで成長しているのか把握します。これは自分でカビ取り出来るレベルなのか、業者に依頼するレベルなのか、リフォームも検討する必要があるのかを見極める基準になります。
ここでチェックすべきことは、【一か所のみ】なのか、【複数個所】にカビが発生しているのかが重要な点になります。
一か所のみのカビであれば、自分で施工できるレベルになります。
面積で表すと、おおよそ1㎡程度を基準に覚えておいてください。
複数個所でカビが発生している場合は、自分で施工しても再発する可能性は非常に高く業者に依頼したほうが良いレベルになります。
↑こちらの写真が個人で出来るギリギリのレベルになります。
壁下部に位置し、複数個所にカビが発生していない為です。
1-3.使われている素材を確認する
使われている素材によりカビ取りの仕方が大きく異なります。様々な素材がありますが、大きく分けて4つになります。
注意点としては、砂壁や塗装に似せた壁紙がありますので、見極め方としては必ず四隅または、四隅から90センチ以内に壁紙と壁紙を合わせた箇所があると思います。経年劣化していないとかわからなかったりしますが、よく見るとうっすらと線が見えますので、チェックしてください。
1-4.漏水の有無を確認する
漏水はたとえ室内環境を綺麗に保っていたとしても、建築物の劣化にともない起こる外装のひび割れや、水道管・排水管の破裂などにより発生します。
発生すると一部空間の湿度が急上昇しカビが非常に生えやすい環境が整ってしまいます。汚水雑排水管の漏水だと栄養素が豊富なため、特にカビが酷くなります。漏水の場合、内側から発生するため、発見が遅れるなんてこともあります。
最初発生するのは、黒カビですが、湿気が上昇するため青かびも発生してきます。いろいろな色が混ざった生え方をする特徴があります。
上から水が落ちてきて、一目で漏水とわかると分かりやすいのですが、漏水とわかりづらい場合もあります。
- 常に壁が濡れている場合
- ボードが膨れている場合
- 塗装が剥がれたりしている場合
などは、注意が必要です。
漏水は、最終的には建物のプロが確認しなければ先に進みません。戸建ての場合は地元の工務店に連絡するといいと思います。マンションの場合は、管理組合の対応になるため、管理会社に連絡してみるといいと思います。特にマンションは、保険の関係もあり戸建てより時間がかかるため、発見したらなるべく早めに相談することをおすすめします。
↑排水管より漏水し、半年間放置したケース
このケースでは、高さ1m以下は全て解体し対応しました。
2.カビ対策の検討は早急に
毎日、様々なお客様のご自宅に訪問させていただき、現地確認、ヒアリングを行いますが、お客様との会話で一番多いのは、『昨年の秋ぐらいからカビが酷くなってしまいまして、、、』
『凄く前からカビがあったのを知っていました。』
など長期間カビが生えていても放置してしまう方が非常に多いです。私たちは仕事上カビの臭いにも敏感なのですが、お客様のご自宅に訪問すると物凄いカビの臭いが発生しているのに、お客様はカビの臭いであることに多くの方は気づいていません。
我々が指摘して初めてカビの臭いとわかるのですが、放置すると臭いなどにも慣れてしまい、知らず知らずにカビを大量に吸っていることが多いです。
普段はいいのですが、風邪をひいたときなど免疫力が下がったときに、悪さをするケースがあるため、病気と全く同じで早期発見早期対策が非常に重要です。放置すれば放置するほどカビが酷くなってしまいますので、発見したその日に対応することをおすすめします。
詳しいカビ臭い対策についてはコチラをご覧ください。
過去の事例では、砂壁に青カビが発生したのを1週間放置したところ、他の砂壁にも移ってしまい、2ヶ月後には部屋全体に目視できる青かびがびっしり広がってしまったことがありました。お子さんがカビによる肺炎で入院したことで、弊社に依頼を頂きました。
もしカビが発生したその瞬間に対応していれば、被害はその部屋のみで済み、お子様が肺炎で入院する必要もなかったかもしれません。
↑実際に肺炎で入院されたご自宅の写真です。
詳細は【5.最悪の事例3選で紹介します。】
施工費も初期でしたら数万円で済む内容でしたが、部屋全体に広がったこともありリフォームを行った結果数百万円の出費が発生してしまいました。
カビを発見したら、『即行動』が重要となります。それでは自分でカビ取りを行う場合、カビ取り業者に依頼する場合に分けて説明していきます。
2-1.自分でカビ取り出来るレベル
自分で施工する基準は、以下の9つのチェック項目でどれにも当てはまらないケースになります。チェックを行い、一つでも当てはまった場合は、一度弊社までご連絡ください。調査を行ったうえで、自分で出来る場合はその方法をお伝えします。
□天井までカビが発生している
□一か所の目視できるカビの大きさが1㎡以上ある
□腰よりも高い位置にカビが発生している
□複数個所にカビが発生している
□壁紙がめくれている
□壁が膨らんでいる
□常に壁が濡れている
□小面積でも黒カビが異常に発生している個所がある
□以前自分でカビ取りして再発した場合
2-2.カビ取り業者に依頼すべきレベル
業者に依頼する基準は、2-1の9つのチェック項目に一つでも当てはまった場合ですが、
なぜ業者に依頼したほうが良いのか、理由を含めて説明したいと思います。
1. 高い位置にカビが発生している場合
□天井までカビが発生している
□腰よりも高い位置にカビが発生している
腰よりも高い位置にカビが発生している場合、カビの胞子が舞ってしまい部屋全体にカビが付着しているケースが多いからです。
その場合は、どこにカビが発生しているかわからない為、専用の機械を用いて、どこまでカビが付着しているのかを見極める必要があります。適切に作業範囲を見極めるためには、専用の機械とカビの知見が重要になってきます。
こういった機械を使って、標準よりも高いかを判断していきます。
2.カビが部屋中に広がっている場合
□複数個所にカビが発生している
カビが部屋の複数で発生してしまっている場合、確実にカビの胞子が部屋全体についています。一か所とっても、また別のところでカビが発生してしまい終わりが見えません。
梅雨時期など少しでもカビにとって良い環境がそろってしまうと一気にカビが増殖する速度が速くなってしまい、せっかくカビ取りしたところも再発する可能性は高いです。
カビ取り専門業者は、必ず菌数をチェックする機械や培養試験の技術を持っていますので、調査してもらうことをおすすめします。
カビが発生している個所以外の菌数検査をしてもらい基準値以内の場合は、自分で施工してもいいと思いますので、まずは調査してから自分でやるか判断してもいいかと思います。
↑このように壁・天井など部屋の広範囲にカビが発生した場合は、専門業者にご相談ください。
3.壁紙や塗料の奥までカビが侵食していた時
□壁紙がめくれている
□壁が膨らんでいる
□常に濡れている
壁紙がめくれて裏にカビが発生している場合やボードが変形している場合は、お客様で解決することは難しいです。カビと建築の知識を併せ持った業者に依頼するしかありません。
一般の塗装業者やクロス業者に依頼すると多くの場合、カビの生えたクロスを剥がすだけ剥がして、しっかりとしたカビ取りはせず、防カビクロスを貼ることが多く、それによって再発し、弊社にご依頼頂く事例が多いです。
塗装でも同じようなことが多く、市販のカビ取り剤で軽く除カビしただけで、塗装する業者がほとんどだと言えます。中にはカビを一切除去せず上から塗る業者もいるほどです。
塗装や壁紙の裏にカビが発生しているままだと早ければ数カ月で再発します。
少し手間はかかったとしても、一度しっかりとしたカビ取りを行うことで、無駄な施工費がかからず、トータルのコストを大きく下げることが出来ます。
発生原因の解明とカビ除去、リフォーム工事など一貫して行える業者にお願いすることをおすすめします。
↑このようにクロスの裏にカビが発生していた場合は、壁紙交換も必要になってきます。
4.除去したけど再発した場合
市販のカビ取り剤で除去したつもりなのに数日で再発した。それは新しく生えたのではなく、もともといたカビをきちんと除去出来ていないために発生した可能性が高いです。中途半端なカビ取りは、カビに対して耐性を与えるだけになってしまい、さらに除去しにくいカビを発生させてしまう可能性もあります。
カビ取り剤の耐性菌が生まれた場合、市販のカビ取り剤では完全除去が難しくなってしまう場合があります。数日間で再発してしまった場合は、必ず業者に依頼することをおすすめします。
3.カビを除去する
3-1.自分でカビ取りする方法
ここからは壁に生えたカビを自分の手でカビ取りするにはどうすれば良いのかについて解説していきます。基本的には市販のカビ取り剤を検討すると思います。実際カビ取りの力は、次亜塩素酸ナトリウムの濃度に比例していきます。
もちろんカビ取り剤を購入されてもいいのですが、キッチンハイターを使ってもカビ取りをすることが出来ます。
実際筆者のお風呂のカビ取りはキッチンハイターを使ってやっています。
必ず伝えておかなければならないことが、市販のカビ取り剤のリスクです。
水を大量に使えない箇所でのカビ取りに使うことが出来ません。
というのも、市販のカビ取り剤の多くは、次亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウム(水酸化カリウムの場合もあり)の混合溶液が販売されています。
このうち、次亜塩素酸ナトリウムは乾けば塩化ナトリウム(食塩)になりますが、水酸化ナトリウムは乾いても、再度水に溶けることで強アルカリ性の液体へと戻ってしまいます。
強アルカリ性の薬剤は皮膚のタンパク質を溶かす作用があり、状況によっては火傷のような症状を起こす可能性があります。
後程解説しますが、これらのリスクがありますので、市販のカビ取り剤を使う際は、何度も水拭きできる素材にしか使えないのは、覚えておいてください。
「安全に業者レベルの確実なカビ取りを行いたい」という方には、業者と同レベルで出来るカビ取りマイスターというキットをご用意しています。
この中には弊社で開発した特許申請中技術が入った液剤を使っており、確実な除カビと防カビを行うことが出来ます。
カビ取りの流れについては、動画にまとめていますので動画を見ながら施工することで、カビ取り業者と同じレベルのカビ取りをすることが出来ます。
施工方法は市販のカビ取り剤やキッチンハイターを使っても同じですので、カビ取りマイスターを使って、カビ取り方法について解説していきます。
① 壁紙【クロス】
【1】安全確保(他のカビ取りでも共通する点です。)
カビ取りマイスターのカビ取り剤もカビを死滅させるだけの威力がありますので、大変強力です。
ゴム手袋やマスクを着用し換気を必ず行ってカビ除去します。無理に作業すると大変危険性ですので、少し危ないかなと思ったら作業を終了して、業者へ相談してください。
【2】カビ取り作業
カビ取りをしても脱色しないのかを目立たないところで試してみてください。壁紙は基本的にビニールクロスを使うことが多いですが、布クロス・紙クロスを使っている場合は、脱色するため、カビ取り剤を使うことが出来ません。
脱色しないことを確認した後は、カビ取り剤を塗布して、完全にカビの色が消えるまでカビ取り剤を塗布していきます。ここでの注意点は以下2点です。
- 擦らないこと
- 周辺もカビ取りを行うこと
擦ると表面が傷つき、傷の中にカビが入り込むと再発時に余計除去しづらくなるためです。周辺のカビ取りを行うのは、胞子が飛び散っているケースが多い為、目で見て分かるカビから50㎝~1m程度は周辺も除カビすることが重要です。
カビを除去した後は、カビ取り剤が残らないように水をしみこませたスポンジやタオルで何度も液剤をふき取ってください。
「布クロスや紙クロスの場合どうしたらいいの??」
といった疑問が出てきますが、この場合は、高濃度次亜塩素酸水が良いかと思います。弊社でも高濃度次亜塩素酸水やさらに強力な銅イオン光触媒(クリーンプロテクションNFE2)があります。購入検討の方は、弊社までお問合せください。
クリーンプロテクションNFE2詳細ページ
銅イオン光触媒は、病院などで採用された常時除菌の液剤です。通常の光触媒と異なり、銅イオンの力で除カビ防カビの能力を最大限高めた商品になります。
実際に弊社でカビ取りを行ったお客様のメンテナンス用としても使用いただいていますので、高い効果が保証されています。
水に濡らすことも出来ない場合は、クロスの貼替を前提となりますので、お気軽に弊社までご連絡ください。
【3】防カビ作業【防カビ剤がある場合のみ実施】
液剤をふき取った後、1時間~2時間乾燥させます。完全に乾ききってから、防カビ剤をコーティングしていきます。
カビ取りで充分じゃないのかといった意見ありますが、カビが生えたということは、イコールカビが生えやすい環境だと言えます。
今回除去してもカビが発生しやすい環境がそろっていると、新しいカビの胞子が付着した後カビが再度成長してしまいます。再発を防ぐなら、除カビと防カビがセットで施工する必要があること覚えておいてください。
更に詳しい壁紙のカビ取りについて知りたい方はコチラをご覧ください。
【壁紙のカビ放置で大損害!正しい初期対応で2500分の1の出費に抑える方法】
② ボード壁
多くの場合ボード壁にはケイカルボード(石膏ボード)が使われていると思います。ケイカルボードは水に弱い建材です。石膏ボードの上に厚紙を貼った構造となっていますので、何度も濡れた雑巾で拭いていると、建材を痛めてしまう可能性があります。
そこで、カビ取りする時はカビを擦って落とすのではなく、吹きかけてカビ取り剤の力で除去することがポイントになります。
【1】安全確保
こちらは壁紙と同じになります。
【2】カビ取り作業
壁紙と違い、カビ取り後に水拭きをすることが出来ませんので、一般的な市販のカビ取り剤を使うことは避けてください。専用のカビ取り剤を購入頂くか、弊社のカビ取りマイスターをご利用ください。
ここで除カビする際のポイントは、均等にカビ取り剤を噴霧する必要があるため、蓄圧式の噴霧を使うことをおすすめします。刷毛を最初から塗ると、ムラが出来てしまい綺麗な仕上がりになりません。
先ほどのクロスと違う点は、擦る箇所を最小限・最低限にすることです。
噴霧だけではどうしても取れない場合は、柔らかい塗装用の刷毛に濃い目のカビ取り剤をつけて優しく擦ってあげることで、確実に菌を除去することが出来ます。
濃い液剤を使った後は、塩素ガスも発生するため、マスクとメガネは必ず着用で、かつしっかりと換気を行い少しずつ作業をしてください。
↑こちらは蓄圧式の噴霧器で噴霧している状況です。
【3】防カビ作業【防カビ剤がある場合のみ実施】
しっかりと換気を行います。噴霧した場合、カビ取り剤を通常よりも多く噴霧していることと、液剤を吸い込んでいるため、乾燥まで時間がかかります。
弊社での基準は2時間~3時間となります。雨降っている日や湿度が高い日は乾燥しづらい為、扇風機をつかることをおすすめしています。
そのあとは、カビ取り剤が残っていない綺麗な噴霧器を使ってカビ取り剤と同じ要領で噴霧していきます。
噴霧器を洗う時の注意点としては、ホースの中にカビ取り剤が残っていることがあるため、
カビ取り剤を捨てた後、一分程度水を出しっぱなしにすると確実です。
③ 塗装壁
塗装表面のカビに関しましては、発生初期のカビであれば市販のカビ取り剤で簡単に取れることが多いです。しかしペンキは市販のカビ取り剤のアルカリ成分に弱く、場合によっては痛めてしまい、剝がれてしまう可能性があるため、ポイントとしては目立たないところで一度試験をしてからカビ取りをすることをおすすめします。
【1】カビ取り作業
冒頭でも少し触れましたが、塗装面のポイントは、カビ取り剤を目立たないところに塗布して、影響がないことを確認してから作業すると失敗がなくなります。
また、液剤を吸い込まない材質の塗装なら市販のカビ取り剤を使うことも可能ですが、多少なりとも塗装を溶かす可能性があります。その場合、泡タイプのカビ取り剤を使うと垂れ跡が残ってしまうため避けたほうが良いです。
塗装面でおすすめしているカビ取りの方法は、雑巾によるカビ取り剤の塗布になります。
理由は、塗装のカビは、比較的除去しやすいですが、均等に満遍なく塗布が出来るからです。
【2】防カビ作業
塗装面は比較的乾燥しやすいので、1~2時間程度乾燥させてから、噴霧器で満遍なく塗布してください。防カビするときに雑巾を使うと、塗布量が少し少ない為、噴霧器のほうが防カビの効果は長続きします。
④ 砂壁・珪藻土
珪藻土はカビ取りをする中で、最も難しいカビ取りになります。熟練した技術が必要なため、基本的には個人でやることはおすすめしません。
どうしても自分でカビ取りをする場合は、ボード壁のカビ取りと同じになりますが、刷毛は使用厳禁です。噴霧器を使い液剤の力のみでカビ取りを行っていきます。
【1】カビ取りの注意点
ポイントとなるのは、噴霧器でカビ取り剤を塗布する際は、必ず下から上に噴霧を行うということです。
壁の上部からカビ取りを行った場合、下に汚れが流れていき、垂れ跡が残る危険性が高いからです。
【2】砂壁・珪藻土の問題点
珪藻土は湿度を調整しカビを生えにくくするための建材として、壁やバスマットなど様々な用途で使用されています。
壁などに使用する場合、珪藻土はボードの上から塗装する形となり、その厚さは1mm程度となります。そのため、使う場所を間違えるとカビが生えやすい環境になってしまいます。
過度な湿度や結露が発生する付近に使うと、珪藻土がもつ調湿能力では賄えなくなり、常に湿った状態になって、砂壁・珪藻土に栄養素があるため、カビが発生します。
また砂壁・珪藻土は種類によっては中性の素材を使用されている可能性があります。中性の砂壁・珪藻土はアルカリ性に比べカビが発生しやすいデメリットがあります。
珪藻土を使用する際の注意点
リフォームなどで珪藻土を使用する際には、カビが発生しやすい北側の部屋や外壁に面す箇所で使用するのは避けたほうが良いと言えます。
今回カビが発生してしまい、北側の部屋や結露が発生している場所、地下で使っている場合は、リフォームも検討することをおすすめします。
⑤ コンクリート壁
コンクリートは基本的にアルカリ性でカビが生えづらいとされてます。しかし年数が経つとコンクリートのアルカリ性が徐々に中性になっていきます。
中性になるとカビが生えやすい状態となってしまいます。またコンクリートは非常に吸湿性が高く、熱容量が大きいことで表面の温度差が生じて、結露してしまうケースが多いです。
その為、黒カビが発生することがあるのですが、デリケートな素材ではない為、カビ取りは比較的やり易い素材と言えます。
【1】カビ取り
コンクリートは、素材の特性上水拭きをすることが出来ます。そのため、市販のカビ取り剤を使うことが出来ます。ただし、カビが強く出ている場合は、市販のカビ取り剤では濃度が低い為、なるべくカビ取りマイスターなどプロ用のカビ取り剤を使うのが良いと思います。
カビ取り時は、弊社の職人は噴霧器で噴霧した後、除去が出来ないカビについては、少し濃いカビ取り剤を刷毛で擦ることで除去しています。
動画は塗装面になりますが、コンクリートも同じような流れで作業するので、参考にプロの現場の様子を動画にまとめたのを貼っておきます。
【2】防カビ作業
コンクリートは、吸水性が非常に高い素材です。そのため、ボードと同じように2~3時間は少し長めに除カビ後の乾燥時間を設けてください。
そのあとは、噴霧器を使って、満遍なく防カビして完了となります。
【3】注意点
コンクリート面における漏水や水害被害を想定した実験では、長期間床下のコンクリート面が濡れてしまうと元の含水量に戻るのに約2ヵ月かかることが判明しています。8)
それだけ保水する力が強い為、感想にはしっかりと時間かけたほうが、その後の再発率を下げることが出来ます。防カビをしたあと締め切りにしないで、晴れている日は換気をこまめにすることをおすすめします。
⑥ 外壁
外壁のカビは、ただカビ取り剤を塗布するだけでは効かないことがあります。これは外に面している事でカビの他に油汚れ、酸化汚れなどが液剤の浸透を防いでしまう事にあります。
つまりカビの除去を行うためにはこれらの汚れを完璧に落とした後に、液剤を使用する必要があります。よって一般の方々が行う際には一度、高圧洗浄機などで汚れを可能な限り除去してからカビ取り剤を塗布するようにしてください。
外壁は非常に難しいのと近隣の方に汚水が行ってしまうとトラブルの原因にもなります。少しでも不安な方は作業に慣れている業者に相談することをおすすめします。
3-2.カビ取り業者に依頼する場合
自分でカビ取りが難しいと判断した場合は、早めにカビ取り業者までご連絡ください。カビ取り業者に依頼する際に注意する点として、カビ取り業者がカビ取り業者に騙されない為のチェック項目を考えてみました。
□質問に対して納得する回答が返ってくるか。
様々な視点から質問をして、的確で納得のいく答えが返ってくるか試してみるといいと思います。
□カビが発生した原因を説明できるか
カビが発生した箇所や種類は、何百・何千と現場を見ていると、9割以上の現場ではなぜ発生したのか、どの順番で拡散していったのかわかります。経験値の浅いカビ取り業者は、納得のいく発生原因を説明できないため、そういった業者は避けたほうが良いと思います。
□機材がそろっているか
カビの培養する技術や菌数検査をするための機械、保水率を図る機械など状況を確認するための機械を持っていることが重要だと思っています。
中には、感覚で判断する人がいますが、それだけだとその日のコンディションに大きく左右されるため、精度の高い調査をするためには、機械を使った調査必須となります。
□自社の強みを説明できるのか
業者の中には、市販のカビ取り剤を使って、カビ取り業者を名乗っているケースもあるため、カビの専門性をどのくらい高めているのか確認するといいと思います。
弊社の強みとしては以下の9つです。
- 特許出願中技術のカビ取り工法を独自に開発
- カビ取り剤・防カビ剤など現場ごとに微調整出来る
- 通常のリフォームからリノベーションまで対応できる建築力
- カビ取り業者で唯一のガス滅菌庫を保有
- 過去4000件以上の現場をデータベース化し、カビ発生原因を分析
- 大学教授を技術顧問に据えて、毎日液剤・工法を改良
- 各現場には数百現場のカビ取りを経験した責任者を必ず配置
- 官公庁・財閥系企業から依頼が来る総合的な技術力
- とにかく誠実に丁寧に対応する社員教育に力を入れている
4.カビを防ぐ
4-1.なぜカビが生えるのかを知る
壁にカビが生える主な原因3つあります。
① 結露 ②湿度 ③空気の停滞
では、なぜ上記4つが揃うとカビが生えやすいのか説明します。
カビが発生する条件として
1. 温度20℃~30℃
2. 酸素がある
3. 水分がある
4. 栄養素がある
この4条件が揃った時にカビは急速に成長していきます。
逆に4条件のどれかを防ぐことが出来れば、カビの成長をストップすることが出来ますが、人の居心地が良い温度がカビも居心地が良いですし、酸素が無いと人間も生きていけません。そのため、コントロールできるのは、水分と栄養素になります。発生原因の
① 結露→水分
② 湿度→水分
③ 空気の滞留→埃が溜まりやすく栄養素となる
この発生のメカニズムを知っていると対策が見えてきます。
4-2.正しいメンテナンスを行う
4-2-1.結露を防ぐ
室内と外気の温度差が大きくなると外壁に面した壁に結露が発生します。4-1でも説明したように、カビ発生の条件の1つである水分になります。
一般的には、北側の部屋の外壁に面している壁に結露が生じます。気を付けても結露が発生してしまうため、完全に抑えるのは非常に難しいですが、軽減する方法は3つあります。
1. 湿度を下げる
除湿機やエアコン等を使い、湿度を下げることが大切になります。湿度が低すぎると感染症になりやすいと言われているため、湿度を40%~60%にすることをおすすめしています。
2. 部屋を使っていないときは窓を開ける
結露は、室内外の温度差によって生じるものです。そのため、結露を防ぐもっとも簡単な方法は、室内外の温度を一定にすることです。
防犯上もあるため常に開けっ放しにするのは出来ないですが、使っていないときはなるべく窓を開けておくことをおすすめします。
常に結露で濡れている状態と、一日の中で乾いた時間があるとでは、カビの成長速度が大きく変わってきます。
3. 扇風機を壁にあてる
生活スタイル的に結露を防ぐのはどうしても難しいといった場合は、扇風機を当てて強制的に壁を乾燥せることでカビの増殖を防ぐことが出来ます。
4-2-2.空気を動かす
部屋の四隅や家具の裏などは、空気が滞留しやすい場所です。空気が滞留すると埃が溜まりやすくなるのと、滞留している個所の湿度は上昇します。カビの胞子はどんな場所でも至る所にあるため、埃を餌にカビは急速に増殖していきます。
これを防ぐためには、結露を防ぐことにも役立つ扇風機がおすすめです。カビ取り施工現場の8割は外壁面の四隅からカビが発生して、壁全体、家全体に侵食しています。
逆に外壁面の四隅を気を付けるだけで、カビの被害を無くすことも可能と言えます。
空気を動かすポイントは2つ
1. 外壁面の壁には家具を置かない
外壁面はカビが発生しやすく結露が生じやすい為、ここに家具を置くとカビの被害を受けやすくなります。風を動かすために壁に扇風機を当てても、家具の裏側まで風が行き届かない為、カビが発生しやすくなります。
2. 外壁面の四隅に風が当たるようにする
首振り等をして満遍なく風が当たるように設定してください。
特に壁の下部よりも上部(天井に近い場所)はカビが発生しやすいですし、天井に壁が発生すると、カビの増殖が速くなりますので、注意が必要です。
4-2-3.温湿度を適正に保つ
こちらは、非常に難しい管理の一つですが、最も簡単にできるのは除湿機ではなくてエアコンです。エアコンは必ずドレンホースがついているので、除湿機のようにこまめにタンクを交換する必要がありません。
また、温度設定しておけば温度に合わせて自動調整してくれるため、カビ予防には大変重要な機器の一つになります。
注意点としては、沖縄など温暖な地域で多いのですが、エアコンの設定を19度などかなり低い設定にすると、エアコンの風が局所的に当たる場所に結露が生じてカビが発生するケースがあります。
おすすめは冷房時28度、暖房時20度になります。もし、温度を低く設定したい場合は、扇風機を与えることで、直接冷風が当たることが無くカビを防ぐこと出来ます。
4-2-4.カビの総量を空気清浄機で減らす
カビが発生する確率は、カビの浮遊菌の量に比例しています。空気中のカビが多いところは、それだけカビが発生しやすい可能性が高いです。
その為、カビの発生確率を下げるために空気清浄機の利用をおすすめしています。
【注意点】
空気清浄機の内部フィルターは取り外しが出来ないため、数年間放置している方もいらっしゃると思います。しかし汚い空気が内部のフィルターを通って、綺麗な空気にしているため、汚れが蓄積しカビが発生しているケースもありますので、心配な場合買い替えも検討してください。
防カビ方法についてさらに詳しい内容を知りたい方はコチラをご覧ください。
【永久にカビさせない!3000件のカビ屋敷から学んだ防カビ対策5選】
5.最悪の事例3選
最悪の事例1.放置
過去の事例では、砂壁に青カビが発生したのを1週間放置したところ、他の砂壁にも移ってしまい、2ヶ月後には部屋全体に目視できる青かびがびっしり広がってしまったことがありました。お子さんがカビによって肺炎で入院したことで、弊社に依頼頂きました。
もしカビは発生したその瞬間に対応していれば、被害はその部屋のみで済み、お子様が肺炎で入院する必要もなかったかもしれません。
施工費も初期だったら数万円で済む内容でしたが、部屋全体に広がったこともあり、カビ取り以外にリフォームも必要になったことで、100万円以上の出費が発生してしまいました。
カビを放置すると、今回の事例のように部屋全体に広がってしまう危険性が増しますが、それ以外にも、家具に付着したり、衣類、布団、食べ物に付着するため、知らない間に大量にカビを吸い込んでしまいアレルギー症状が出るという事も考えられます。
弊社でも無料相談を行っていまので、まずは心配な場合は一度プロに確認してみることをおすすめします。
最悪の事例2.上塗り
こちらは、ある公営団地の現場でした。南側の部屋で階数も5階と本来はカビがそれほど発生しやすいところではないのですが、ここはものすごいカビが発生してしまった現場です。
こちらの現場は、実際にカビ取りを行い防カビを行いましたが、数カ月でカビが再発してしまいました。再度調査をしたところ、カビが生えている塗装面の下の層にカビが繁殖していて、それが表面に出てきたことが調査により判明しました。
築30年以上経っている建物だった為、何度か塗り替えているため、表面にカビが発生したら塗装して、カビが生えたら塗装しての繰り返しで来たのがわかりました。
原因が判明した為、塗装を全剥離し、その後新しい防カビ塗装した全く再発しなくなりました。
カビはペンキで塗りつぶした程度では死滅しません。むしろ見えないところで繁殖を続け、また表面に出てきます。
こうなってしまうといくら表面から除カビ作業、防カビ作業を行った所でその効果は低く、根本的に対処する為には一度塗料剥離する必要があります。
費用も、カビ取りなら数万円ですが、剥離・塗装となると3倍以上はかかってきてしまうため、正しい知識を持った業者に依頼することは本当大切です。
6.FAQ よくあるご質問
Q:カビ取り業者が来るまで自分で出来ることはありますか?
A:ここで大切なのは、これ以上被害を広げないという事です。そのためにできることはいくつかありますので、ご紹介させていただきます。
□カビの胞子が別室に行かないように扉を閉めておく。
□天気のいい日は窓を開け、太陽光を沢山入れる。
□曇り・雨の日・雨の次の日は窓を閉め、エアコンの除湿を回しておく。
□被害が出ていないものについては、別の部屋に避難させておく。
カビ取り業者が来るまでは、この4つを守って部屋のメンテナンスをしてください。
カビの臭いがしている場合は、カビの毒も同時に吸っていることになりますので、なるべくその空間に入ることが無いように気を付けてください。
特に、体調がすぐれないときは、免疫力が落ちていますのでカビ毒の影響を受けやすくなりますので、特に要注意です。
Q:通常のリフォーム業者ではカビは対応できないですか?
A:一般的なリフォーム業者さんでは、カビを単なる汚れの一種程度にしか捉えておりませんので、カビの対応は難しいと思います。
・新しいものに替えれば大丈夫
・結露が出ているなら、珪藻土を塗れば大丈夫
・二重壁にすれば問題ない
・二重サッシにすれば結露は収まる
ここに挙げた例は、すべて実際のカビ取りの現場で問題になった事例です。
【新しいものに替えれば大丈夫】
壁紙の下にカビが発生していたのに、しっかりとカビを取らずに上から壁紙を貼り付けた場合、半年程度でカビが表面に出てきてしまうケースもあります。
特に結露が発生しやすい北側は、半年待たずにカビが発生してしまうケースもあります。
【結露が出ているなら、珪藻土を塗れば大丈夫】
こちらも【3-1】の砂壁・珪藻土に詳細を書いていますが、結露が発生するところに珪藻土を使うと、珪藻土の調湿能力を超えて、常に濡れた状態になりカビが発生しやすい環境が整った状態になります。
【二重壁にすれば問題ない】
結露が酷いところで、二重壁を作って問題になった事例では、二重壁の内部にカビが発生してしまい、取り壊してカビ取りを行った事例がありました。
【二重サッシにすれば結露は収まる】
これは、窓の結露は収まりますが、壁の結露がおさまることはありません。逆に窓で結露が生じると湿度がさがり、壁の結露が抑えられていたところ、二重サッシに変えると壁の結露が酷くなり、部屋にカビが発生してしまった事例も多くあります。
特に弊社に相談を頂くケースでは、マンションの大規模修繕工事で二重サッシに替えた後カビが発生し、酷くあるケースが多いです。
Q:アルコールはカビを殺菌する効果があありますか?
A:純アルコール(100%)の方が強そうなイメージかもしれませんが、すぐ蒸発してしまうため、少し水で希釈した70~80%濃度のアルコールが最も効果が高いです。
効果については、胞子など目視出来ないカビレベルはアルコールでも効果はありますが、成長したカビにはアルコールは効果がそれほど高くなく、確実に死滅させるには次亜塩素酸ナトリウムを使ったカビ取り剤が必要になります。
Q:石膏ボードの裏側にカビがある可能性があるのでしょうか?
A:「裏側に発生している可能性は十分にあります」とくに鉄筋コンクリート造のマンションの場合、結構の割合でカビが発生していることがあります。
しかし、裏側に発生しているカビが表面に出てくるかというと、漏水以外により発生したカビであれば、ほぼ表面に出てくることはありません。その理由として、石膏ボードの場合は、9.5mm~25mmの厚みがあり、基本的に石膏部分は水が無く酸素がほとんど無い状態になります。
つまり石膏自体はカビの栄養素になりますが、成長に必要な酸素と水が不足しているため、突き抜けて表面に出てくる可能性は低いです。
心配であればボードも取り除いて確認してみても良いと思いますが、余計な費用も掛かるため、どの程度までやればいいか判断が難しい場合は、一度業者に相談してみてください。
7.まとめ
自分で除去できるカビは、小さいうちのカビに限ります。カビを甘く見て部屋のいたるところにカビが発生した頃には既に、自分で対処できる範囲を超えている場合が多いです。
早めに専門業者に依頼した方が、結果的にお財布に優しく済む場合がほとんどです。
この記事を読んでいる方は、既にカビが発生してしまっている方が多いと思います。少しでも不安な場合は、一度専門業者まで相談してください。
現在カビが発生したという事は、カビが生えやすい環境が揃っているということです。一度カビ取りをしたら、カビが生えにくい環境を作ることが重要となります。
そして、家の中を掃除しながら、家具の裏の壁などカビが生えやすい箇所の点検を行い、カビが発生したら都度カビ取りを行うことが重要になります。