なぜかび臭い??しつこいカビ臭を消す3つの方法
お部屋の中がカビ臭いといった経験はありますでしょうか。カビ取りの依頼の約3分の1がカビ臭いから何とかしてほしいといった内容です。それだけカビの臭いでお困りの方が多くいらっしゃいます。
ここでは、カビの臭いのメカニズムと対策について、カビ対策のプロの視点からお伝えいたします。
目次
①カビ臭いとは?
カビも生き物ですので、色々な栄養を吸収したり排泄したりします。その過程で一般的にカビ臭い(絵の具の匂いに近いにおいがカビ臭になります。)といわれている時の臭いを出します。つまり、カビの臭いを室内で感じるということは、部屋のどこかにカビがギッシリと生えている可能性の一つのサインとなります。

②本当にカビの臭いなのか
臭いの相談を受けている中で、カビの臭いではなく、生活臭などのほかの臭いであるケースも多くあります。生活臭とは、大きく分けて4つあります。
- タバコや調理などによって、家具や洋服に付着することによって発生する臭い
- 人や動物の汗や皮脂が酸化した時に発生する臭い
- コンクリートや土から出る臭い
- 木が持つ本来の臭い
一度換気したり、掃除したりすることで臭いが軽減することがありますし、木の臭いの場合は有害な物質が空気中に蔓延しているわけではないので安心して大丈夫です
③カビ臭の発生原因とは?
上記の臭いではなく、確実なカビの臭いの場合、人がカビ臭いとして感じ取れるレベルで臭う状態というのは、成熟したカビがぎっしりと生えている可能性が高いといえます。
どこかにカビの温床となっている場所がある事が考えられます。ただ、臭いというのはどこからやってくるのか特定することがとても難しいです。地下から上がってくることもあれば、空調のダクトやエアコン内部で発生することもあります。

次では、どのような場所にカビが発生しやすいのかを知ることにより、カビの臭いの発生源をいち早く特定できるように説明します。
④カビが生えやすい場所はどこなのか
カビが生えやすい環境というのは主に以下の3つになります。
- 最適な温度環境(22℃~25℃)
- 最適な湿度環境(湿度60%以上)
- 最適な栄養環境
この条件を満たすところに、カビが生えます。
当社がこれまで行ってきた施工で依頼が多かったところを上げさせていただきます。
A:壁面
特に北側のお部屋の壁面や壁面の四隅に多く発生していました。または、棚の裏側にカビが生えていることも多いです。
原因としては、空気が流れる際四隅に流れが滞留しやすく、結果としてホコリや高い湿度のままそこに空気がとどまり、結果としてカビが生えると予想されます。
壁にカビが発生しているのを確認できた場合は、【壁のカビ取りの記事】を参考に除去してみることをお勧めします。
壁際や四隅のホコリはこまめに掃除をしましょう。カビ予防の近道です。
B:お風呂場
お風呂場は、全体的に生えていることが多く、依頼をいただきますが、気づいてない方が多いのがエプロンの中です。ここが最もカビが生えやすいため、「目に見えてカビは見当たらない、排水溝も掃除したのになぜか臭い」という場合、エプロンが臭いの発生源であることが非常に多いです。
エプロンは、カバーがある関係上どうしても空気が滞留し、かつ高湿度で、掃除がしにくい場所にあるので、カビが非常に生えやすいです。まず開け方を知らないという方も多いと思います。説明書にエプロンの外し方が書いてありますので、一度確認してみてください。(浴槽の種類によっては、エプロンがついていない場合もあります。)

お風呂でカビが生える大きな原因としては、入浴時に湿度と温度の上がることと、入浴時に石鹸粕や皮脂などの栄養物の供給されるためです。
どのような対策が有効かは、【お風呂のカビ取りの記事】を参考にカビ取りをしていただきたいのですが、入浴後は、浴室全体にお湯→水の順でかけてあげて、乾燥させればばっちりです。こうすることで、皮脂やせっけんカスを流した後で湿度と温度を下げることが有効です。
お風呂のカビ臭さはエプロンが原因の可能性も。取り外してチェックし、しっかりと乾燥しましょう。
C:クローゼット
こちらは、必要なとき以外締め切っているご家庭が多いので、空気が滞留しやすく、湿度も高いためカビが全体的に生えやすい環境になります。カビの色としては、黒カビよりも白色や緑色のカビが多い傾向にあります。
クローゼットのカビを防ぐために一番有効なのは、使わないときでも、扉を開けて通気をしてください。通気をするだけでも効果が実感できると思います。
詳しくは、【クローゼットのカビ取り】記事を参照してください。
また、押し入れや木のクローゼットの場合、カビの臭いと木の臭いが分かりにくい場合がありますのでご注意ください。
クローゼットのカビを防ぐために、扉を開けて通気をしましょう。
D:通気口
カビの臭いの問題で一番厄介なのが、「室内はかび臭いけど室内のどこにもカビが見当たらない」という場合です。その場合は臭いがどこからか運ばれてきている場合がほとんどです。お客様の事例をいくつか紹介します。
1:地下や床下の空間と通気口でつながっている
地下は湿気がたまりやすく人が出入りしないと空気も動かないため、カビも発生しやすいです。また、床下が土の場合は土中にいるカビ菌の臭いと純粋な土の臭いが湿気により空気中に出てきて、それが室内に上がってきている可能性があります。
2:通風孔のダクトの中がかびている
通風孔のダクトの中がかびている場合、風流に乗って匂いが運ばれてきます。ダクトの構造によっては施工がとても難しく弊社としても困っている案件の一つです。
3:エアコンや空調設備の中がかびている
エアコンの中がかびている場合、こちらも風流に乗って匂いが部屋中に広がります。エアコンのフィルターは個人でも掃除できますが、エアコン内部の洗浄は専門業者でないと難しいです。
また、エアコン洗浄の業者のほとんどは水でほこりを洗い出すだけなので、除カビ防カビに対する意識がないため、またすぐにカビの臭いが発生しがちです。
通気口も、エアコンの内部も専門業者でないと確認できません。カビ臭さを感じたら専門業者に依頼することをおススメします。
⑤カビ臭の解決策はどうしたらいいのか
最初にやらないといけないことは、カビ臭の発生個所を特定することです。オフィスや居住空間には必ず生活臭が存在します。生活臭とカビ臭が混ざってしまってはカビを特定することが難しいので、まずは掃除をすることをお勧めします。
可能性を一つ一つつぶしていくことで特定していきます。実際専門業者である我々も
まず室内を除菌してみて、改善されなければエアコンや空調を調べて洗浄して、地下室や通気口をふさいで、と手当たり次第に可能性をつぶしていく作業になってしまいます。
ですので、お勧めは1日かけて換気を十分行い、ホコリを除去してください。ホコリにカビがついている可能性があるため、掃除を入念に行います。その後、窓を閉めカビがありそうな個所を探します。
□カビチェックリスト
- 壁紙の裏側に少し灰色のシミが出来ていないか。
- 棚の裏にカビがいないのか
- クローゼットにカビが生えていないのか
- お風呂のエプロンにカビが生えていないのか
- 窓際にカビが生えていないのか
- エアコンの内部はかびていないか
- どこかに通気口がないか
カビが確認できた場合は、除カビ剤を使いカビを除去してください。もし、自身でカビを除去できないほど、カビが成熟していたり、他の場所への転移がある場合は、カビ取り業者に依頼し、カビの除去を依頼してください。
カビ臭さの原因を特定するために、1つ1つ可能性をつぶしていきましょう。
⑥カビの場所が特定できない場合
ご自身でカビの場所を特定できない場合の対応策として、カビ対策の専門会社に依頼し、場所の特定を行います。ここで注意していただきたい点があります。場所の特定には、カビの特徴と建物の専門知識が必要となる場合があります。業者に依頼する場合は、カビの専門知識や建物の知識(建築士や施工管理技士といった国家資格を有する専門家が安心です。)があるのか確認することをお勧めします。

これまでに様々な現場に伺って、「業者さんに依頼したけど解決しなくて」といった声もよく耳にします。建物の築年数や構造、施工時の仕上がり、建材の特徴などによって、発生原因が変わってくるため、専門家集団でも特定するのに時間がかかる場合もあります。
業者に依頼する場合には「カビの専門知識」「専門資格」があるところを選びましょう。
⑦特定できない場合のカビ臭の対応方法
1:空気清浄機
空気清浄機は、自身で対応できる方法になります。家庭用であれば、量販店では数万円程度で購入でき、フィルターも1枚数千円で売っています。
2:機能と効果
機能としては、主に①集塵、②脱臭、③微生物や花粉などを不活性化させることです。
集塵は、細かいフィルターで0.3μレベルまでの塵を取り除きます。
脱臭は、活性炭による臭い物質の吸着かイオンで酸化分解し、脱臭を行います。
不活性化については、イオン(高電圧をかけ発生または、光触媒に紫外線などを照射し発生)による酸化分解もしくは紫外線照射で直接分解します。
ここで注意していただきたいのは、フィルターを小まめに交換してください。フィルターが機能していないと、効果が薄れてしまいます。
『メリット』
・安価にカビ臭対策ができること
『デメリット』
- 家全体を賄うには、部屋ごとに空気清浄機を置かないといけないため、家全体を網羅するのが大変であること。
- フィルターをこまめに交換しないといけないこと。
- 年中電源を入れておく必要があること。
- 物についた臭いの脱臭効果が期待出来ないこと

3:光触媒
業者に依頼して行う光触媒ですが、空気清浄機に比べて効果が段違いに変わってきます。光触媒コーティングを行うと、家全体が空気清浄機になるようなイメージになります。
機能と効果
光触媒は光が当たることにより触媒としての機能を発揮します。
光触媒の効果は、紫外線が当たることで発生する活性酸素が、カビ・花粉・臭い物質などの有機物を酸化分解します。
『メリット』
- メンテナンスフリーであること
- 防カビ効果が得られる。
- 花粉も酸化分解するので花粉症対策になる。
- インフルエンザウイルスを死滅させるため接触感染対策になる。
『デメリット』
- 空気清浄機に比べて金額が高いこと
- 1年に1回以上施工する必要がある
- 光が当たらないと触媒が機能しないこと
しかし、当社の光触媒では、光が当たらない箇所でも、銅イオンの効果によって、光が当たっていなくても効果が得られるなど、光触媒の改良によってデメリットも解決出来てきています。
弊社でもブルネイ大学と共同で開発した光触媒がございますので、興味あればご相談ください。
【世界初技術銅イオン光触媒 クリーンプロテクションNFE2】

まとめ
カビ臭の原因となる場所は特定出来たけどカビの除去が出来ない場合は自身で除去するか、できない場合は、早急に業者に依頼してください。カビ臭の場所が特定できない場合は、放置せず専門会社に依頼することをお勧めします。
対策はいずれの場合も生活環境内のカビ発生を防止し、発生した場合は早期に対処することが求められます。発生の防止として挙げられる方法の基本は、発生に適した環境にしない事であります。
温度は人間の最適温度ですので、難しいですが湿度や栄養素の面で対策することは可能です。カビが増殖するには、3つの条件がそろった時ですので、湿度と栄養素(こまめな掃除が重要です。)を除去してあげることに気を付けるだけで、カビ対策の効果は高いです。
そして補助として空気清浄機や光触媒を利用によることで、カビ胞子の不活性化などを行うことで、カビ対策としては効果的となります
カビの臭いにお困りの方は当社までご連絡ください。
当社では、建物の知識を有する専門家(建築士・一級建築施工管理技士)とカビの特徴を熟知した研究員がカビの臭いの発生原因の特定を無償で行っております。お気軽にご連絡ください。