カビ取り業者が教えるクローゼット・収納のカビ対策マニュアル

クローゼットにしまっていた洋服を着ようとしたらカビが生えていた・・・といった経験があるかたも多いと思います。高級な洋服や大切な洋服には絶対カビを生やしたくないと思います。そのためにはまずはクローゼットの環境をよくするのが最も効果的であり、クローゼットの環境を良くすればカビが生えることも無くなります。今回は、クローゼットにカビが生える原因とその対策について説明していきます。

カビは、私たちの日常生活の中でどれだけ存在している?!

カビは、カビの胞子が空気中や室内に浮遊しております。およそ埃1gあたり10万〜100万個のカビが検出されるほどです。つまり通常、カビとは生活していく中で必ずと言っていいほど身近にある存在なのです。

これを聞いて驚かれた方も多いのではないでしょうか。それもそのはず、カビの胞子は3〜6ミクロンと大変小さく、目が電子顕微鏡でない限り肉眼で目視することができません。

普段目にしているカビというのは、空気中のカビの菌(胞子)が空気中を漂っているうちに卵のように割れてフサフサの元となる菌糸が物質に付着して、適当な水分や温度条件がそろい、出芽し始め、菌糸が伸びて集合体となったためです。

このことからも分かる通り、カビを完全に除去することは不可能であるため、いかにカビが繁殖しない環境作りができるかどうかにフォーカスしていただきたいのです。

  • カビは空気中に舞っており肉眼で確認することはできない
  • 大事なのは、カビが付着して繁殖しないように予防すること

2.カビの生えやすいクローゼット

カビと聞くと

  • キッチン
  • 浴室
  • 洗濯機

など水廻りに多く繁殖するのを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はクローゼットの中もカビは繁殖しやすい場所なのです。

代表 穂苅
クローゼットは、カビの生えやすい環境とも言えます。そこで、まずはカビの生息条件についてみていきたいと思います。

3.カビが発生する条件

カビの生えやすい環境にはどういった条件があるのかを見ていく必要があります。

カビが発生するのには、いくつか条件があります。

それは

  • 20度〜30度の適度な温度であること(低温度でも発生する発生します)
  • 相対湿度80%以上の湿度であり、酸素があること
  • タンパク質、炭水化物、アミノ酸、脂肪などといった栄養素があること

以上の条件が揃うとカビが生えやすい環境をつくってしまいます。

クローゼットの環境は、室内の中でも特に湿度が高く、人間が過ごしやすい20度〜25度という温度であり、かつ服やそれら周辺についた埃や汗・皮脂などといった栄養素があります。

つまり、ほぼ全ての家でカビの生えやすい条件が揃ってしまっているということになります。

特に湿った服をそのままクローゼット内にしまい、密閉し空気の滞留が起きてしまい湿度の高い空気環境になってしまうことでよりカビの繁殖を促進してしまうのです。

代表 穂苅
クローゼットに生乾きの洋服や、雨などに濡れて湿った洋服を入れていませんか?湿気は溜まっていませんか?!少し油断すると、あっという間にカビが広がってしまいます。

4.カビを生やさないための対処法

ここまでカビがどうして生えるのかについて書いてきましたがではどうやって対策したら良いのでしょうか。

ここからは具体的に対策方法をご紹介していきます。

4-1. 換気をする

カビの発生を抑えるために最もお重要なことは換気です。基本的に普段閉ざされているクローゼットの中では、湿気が溜まりやすくカビの繁殖には絶好の場所なのです。

換気をすることは湿気をなくすのに大変有効的であり、カビの繁殖を抑えることができます。ここで注意していただきたいのが開口部を2カ所開けることです。換気をする際に入口、出口がなければ換気することができません。そのため必ず開口部を2カ所開けることを徹底してください。

代表 穂苅
換気をする際にさらに効果的な手段がスノコです。

スノコを下に敷き布団や衣類をおけば、スノコの下に隙間ができ空気が流れる通り道として換気の効果が上がるのです。通気性を上げるためにも、簡単に出来る方法なのでおススメです。

4-2 湿度を高くしないこと

何度もお伝えしておりますが、カビは湿度の高い環境に繁殖しやすい性質を持っています。そのため湿度を抑えることにより繁殖を抑えることができます。

まずそもそも湿気を持ち込まないために、脱いですぐの衣類はクローゼットにしまわない方が良いです。人間の湿気を吸った状態の衣類をすぐにクローゼットに入れ締め切ってしまうと、中で湿気がこもりカビが繁殖してしまいます。

また、市販で販売されている乾燥剤や除湿剤を使う方法があります。

乾燥剤や除湿剤を使用する方法

乾燥剤は微細な穴に水を吸着するシリカゲルや吸水するとゼリーの様になるものまであり、永久に使えるものはなく一回使い切りになります。

ですので、定期的にまだ使えるのかどうか確認して取り替えるなどの必要がでてきます。

代表 穂苅
除湿剤に水が溜まったままで放置すると、逆効果にもなりますので、こまめにチェックしてとりかえましょう。

除湿剤の場合、炭酸カルシウムの性質を持っており、空気中の湿気を吸い込み、水に変えて溜めます。こちらも乾燥剤同様一回きりになりますので定期的に使えるかどうか確認が必要になります。

これらを使う注意点は二つで

①取り換え

湿気のたまりやすいクローゼットの場合すぐに効果が切れるのでかなりの頻度で取り換えないといけない

②物の詰め込みすぎ

クローゼットの中がモノや服でいっぱいだと空気が動かず乾燥材や除湿剤の周りだけ湿度が下がり、隅の方は湿度が高いままになりがちですので本当はクローゼットをあけ、除湿器を中に向けて使うのがベストです。

さらに、防カビ剤や抗菌のコーティングなどを使用すると合わせて効果的であると言えます。

4-3定期的にクローゼット内の掃除をする

クローゼットは、普段モノを多く入れているにも関わらずなかなか掃除する機会がありません。そのため多くの埃やゴミが溜まってしまっています。実はこの埃やゴミがカビの大好物なのです。

クローゼットの掃除の際は、浴室やキッチンのように水で洗い流すことができないのでまず埃を吸取ったら

  • 消毒用エタノールで吹き上げ
  • 乾拭きし
  • 隅ずみまで掃除する

ことが大切になります。

ここまで対策方法をいくつか上げて来ましたが、この作業を徹底的に行うことができればカビ臭がしたり、黒いカビが発生したりする可能性は限りなく低くなるでしょう。

これらのことは一度行うだけでなく、年に数回衣替えなどの季節の変り目にまとまった時間をつくり、行うことで継続的にカビを抑えることが期待できます。

カビ予防のためには「換気」「こまめな掃除」「除湿」を行う事で、カビの発生しにくい環境にすること

5.カビが生えた場合の対処方法

こちらの対処法はカビの強さによって幾つかの段階によって別れますが、生えたということはカビにとって生えやすい環境であることが考えられるのでその原因を考えて対処する必要があります。

5-1隅っこに少し生えた程度の場合

まだそれほど繁殖していない場合

  • 市販のカビ取り剤でカビを殺菌・漂白する
  • もしくはエタノールで殺菌し拭き取る

などで大丈夫でしょう。ただしカビ取り剤の主成分である次亜塩素酸塩は色を分解し退色させる作用があるため、服や塗装に付くと色が変わってしまう可能性があるので取り扱いには注意が必要です。

5-2. クローゼット内に広く生えてしまった場合

まずは、上記同様の作業を行っていただきたいのですが、なかなかそれだけでは対処できない場合があります。クローゼットや服の中に広がり、発芽し芽や根を伸ばしている場合は、倒しきるのが難しく、最悪の場合クローゼットを買い換える、服を捨てるなどしなければいけず大きな被害に繋がってしまいます。

もしこのような状況下になってしまった場合、むやみにクローゼットの中身から服などの衣類を取り出してしまうとカビの胞子を部屋中に巻き散らかしてしまう可能性があり更なる被害に繋がりかねません。そのため、まずは

  • 衣類についているかどうか確認していただく
  • ついていたものに関しましてはゆっくり外に持っていく
  • または、ビニールに包んで飛び散りを抑える

ようにしましょう。

5-3.服にカビがついてしまった場合

少しのカビであれば洗濯→乾燥機で対処できます。

カビは60℃以上に10分さらすとほとんどが死滅するので、乾燥機の中に入れればたいていのカビは除去できます。

ただし、以下の場合はもう捨てた方が賢明かと思います。

①乾燥機に入れられないタイプの衣類

②カビの色がはっきりと衣類に着色してしまっている場合。

この場合は衣類を傷めることなくカビを除去するのが困難なため、他に被害を広めないためにも処分してしまった方がよいかと思います。

代表 穂苅
カビが衣類まで広がって、処分するしかなくなった時の為に、ガス滅菌による衣類のカビ取りサービスもあります。高級な衣類や思い出の品などは処分する前に一度ご相談ください。

 

6.まとめ

ここまでクローゼットのカビの発生から除去までをお話してきましたが、最も重要なことはカビを生やさない環境をつくることです。

これには換気がもっとも最適であり、コストのかからない誰にでもできる作業になります。その作業さえ習慣化してしまえば今後カビに悩ませれることもなくなることでしょう。

カビを完全に倒すということは不可能ですので、カビとどう付き合っていくのかが生活する上で一つのポイントになるのではないでしょうか。