
壁紙のカビ取りを怠ると修繕費が2500倍!?初期対応で大損害を防ぐ方法

室内でカビといえば、お風呂場などの水回りを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実際には、「壁紙にカビが発生して困っている」というご相談が、弊社にも数多く寄せられています。
壁のカビは見た目の不衛生さだけでなく、放置することで壁紙の裏側や石膏ボード内部まで広がり、最悪の場合は数十万円以上のリフォーム費用がかかるケースもあります。
中には、初期段階で適切な対応をしていれば、費用が2500分の1で済んだという事例もあるほどです。
さらに、カビは健康への悪影響も見逃せません。
アレルギーの悪化や、呼吸器系への影響を引き起こす可能性があり、小さなお子さまやご高齢の方がいるご家庭では特に注意が必要です。
そこで今回は、壁紙にカビが発生したときの正しい初期対応や、想定される費用の違いについて詳しく解説します。
高額な出費や健康被害を防ぐために、今できる対策を一緒に確認していきましょう。
この記事でわかること |
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目次
1. 壁紙にカビが発生した場合の被害額
壁材にはいくつかの種類があり、素材によってカビ取り方法が変わってきます。
- ビニールクロス
- 紙クロス
- 布クロス
- 珪藻土などの天然素材
- 塗装
この中で一般的なのが、ビニールクロスです。
ビニールクロスとは塩化ビニール樹脂などを主原料にして作られている壁紙のことで、最近はほとんどの住宅で使用されています。
そこで今回は、ビニールクロスにカビが生えてしまった時の費用について紹介します。
1-1. 壁紙表面の除カビ防カビのみで済む場合
壁紙の表面にうっすらカビが生えているだけの場合は、除カビと防カビのみで対応できます。
とはいえ、ただカビが生えている部分のみをカビ取りすれば良いというわけではありません。
本来、カビの胞子は肉眼では確認できないほど微細なものであり、目に見えるカビがあるということは、すでに繁殖がかなり進行している証拠でもあります。
この状態では、すでに部屋中にカビの胞子が飛散している可能性が高く、放置すれば別の場所にもカビが発生するリスクがあります。
そのため、再発を防ぐためには、見えないカビの除カビと防カビもしなければいけません。
もし六畳の部屋の壁や天井をカビ取りして、防カビをすると、10万円前後の費用が発生するでしょう。
コストを抑えるために「カビが見えている部分のみ除カビ防カビをして、その他残った菌は除湿などの環境改善により成長を抑制する」という方法もありますが、それだと再発のリスクは高くなります。
再発すると再びカビ取りをしなければいけなくなるため、部屋全体のカビ取りをすることをおススメします。
カビが生えている部分だけではなく、壁全体のカビ取りをした方が良いでしょう。
1-2. 壁紙の交換が必要な場合
カビが壁紙の裏やその奥のボード・コンクリート等にまで侵食している場合には、表面のカビを除去するだけではすぐに再発してしまいます。
そのため、壁紙を剥がして徹底的にカビを死滅させなければいけません。
施工の流れとしては、以下のようになることが多いです。
①壁紙の撤去
↓
②ボード・コンクリート・その他室内すべての除カビ防カビ
↓
③防カビ処理した新しい壁紙を貼る
ボード・コンクリートと壁紙表面の除カビと防カビをすることにより、壁紙のカビの発生を抑えることができます。
ここで重要なのは、きちんと壁紙の下も除カビ防カビ対策をしなければいけないという点です。
これは非常によくあるトラブルの原因なので、詳しく説明します。
壁紙の裏側にカビの菌が付着していると、壁紙を新しくしても、その裏側でカビが繁殖してしまいます。
そしてしばらく経つと新しい壁紙の表面にもカビが発生してしまう可能性が高いのです。
リフォーム業者によっては、カビの知識がなくて「新しい壁紙に張り替えればそれだけで大丈夫」と思っているところがあります。
もしそういうところに依頼すると、カビ取りが不十分ですぐに再発してしまうかもしれません。
だからこそ、消費者もある程度のカビ基礎知識を持って信頼できる業者を探すようにして、カビ対策に精通した業者に依頼するようにしてください。
また、壁紙の交換が必要なほどカビが広範囲に発生している場合、その部屋にある家具、カーテン、衣服などにも被害が及んでいるかもしれません。
それらのカビ取りや交換を行うと、さらに費用が掛かってしまいます。
カビの状態によっては自力でのカビ取りも可能ですので、家具や布製品のカビにお困りでしたらコチラの記事も参考にしてみてください。
■関連記事■プロが教える正しい家具のカビ取りと6つのカビ対策【タンス・棚・ソファetc.】
■関連記事■プロが教える!布製品のカビ取りと対策方法【衣類・小物・家具etc.】
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1-3. 浸食がひどくてボードの交換が必要な場合
カビがボードの奥深くまで侵食していて、除カビ剤だけでは対応不可能な場合は、ボードを交換する必要があります。
ボードの表面だけなら除カビ剤で除去できまずが、奥まで侵食しているとそこまで除カビ剤は入り込むことができません。
中途半端なカビ取りではすぐに再発してしまうので、根本から解決しなければならないのです。
もしも六畳の部屋の壁をボードからすべて張り替えて、除カビ防カビをした場合の費用は、30万円以上かかってしまうでしょう。
ここまで読んで「こんな高額な費用払えない!」と思うかもしれませんが、更に放置するとどんどん侵食していき、費用が膨れ上がっていくだけです。
また金銭的な負担だけでなく、健康被害が発生する可能性があります。
そうなると医療費も掛かってきますし、なにより命に関わる恐れもあるのです。
「今まで部屋にカビが生えたことがないからどうすればいいのかわからない…」ということであれば、まずはカビ対策の専門業者に相談してみましょう。
ハーツクリーンは無料相談を行っておりますので、是非一度ご連絡ください。
2. 壁のカビは予防と初期段階の除去が大切
カビ対策は「とにかく生やさない、生えたらすぐ対処する」ということが重要です!
まずカビは以下の条件が揃っている場所に発生します。
- 高湿度・水分
- 適度な温度
- 埃や汚れなどの栄養源
- 酸素
この4つの条件のうち、どれか1つでも欠けさせることができるとカビは生えにくくなります。
ただしカビと人間が好む温度は大体同じくらいですし、カビは少量の汚れでも栄養源にするため掃除をしても完全に防げるわけではありません。
そうなると一番調整しやすいのは湿度や水分なのです。
カビは湿度が60%を超えたあたりから活動を始め、湿度が高ければ高いほど活発になります。
そのため湿度が高い部屋ではエアコンや除湿機を使用して、湿気を取り除いてください。
またクローゼットや押入れなどの収納場所には、除湿剤の使用をおススメします。
このような場所は密閉していて湿気がこもりやすいので、しっかり対策が重要です。
■関連記事■カビ取り業者が教える!クローゼットのカビ対策マニュアル
■関連記事■カビ取りのプロ直伝!押入れのカビ取りと二度と再発しないための対策
そして高湿度だけでなく、もう1つ注意してほしいのが結露です。
水分を好むカビにとって、結露で濡れた箇所は非常に生育しやすい場所になります。
結露が発生しやすいのは以下のような場所です。
- 窓とその周辺
- 外壁に面している室内のコンクリート面
- 湿度が常に高い場所
結露というのは、寒暖差が大きい場所に水滴となって発生します。
暖かい空気が冷たい物にぶつかることで、空気中に含まれている水が、結露として現れます。
結露が発生しやすい場所はカビが生えやすいため、意識してカビが生えていないか確認しましょう。
そしてカビが生えているのを見つけたら、放置せずにすぐに取り除くようにしてください。
初期段階のカビなら業者に頼ることなく自力で除去できるので、費用を抑えることが可能です。
■関連記事■【壁のカビのQ&A】カビ取り業者が教える!壁のカビを予防する秘訣
■関連記事■カビ対策について5000件のカビ取りを行ったプロが徹底解説
3. 業者に依頼VS自分で除去どちらのほうがコスパいいの?
壁紙のカビ取りで、できるだけコストを抑えたいのであれば、以下の順序で行っていきましょう。
①カビが生えないようにカビ対策をする
②カビが生えてきたら自分で対応する
③自分で対応できなくなったら、なるべく早く専門業者に相談する
初期段階はご自身でカビ取りし、酷くなり始めたらすぐに専門業者に相談するのが一番コスパが良いでしょう。
カビが酷くなっているのに放置し続けると、カビ取り以外にリフォーム工事も必要になり、料金が高額になる恐れがあります。
また、業者選びにも注意が必要です。
一般的な工務店やリフォーム業者の中には、カビの専門知識が乏しく、「見た目だけ壁紙を貼り替えて終わり」という対応をしてしまうケースもあります。
その結果、すぐに再発してしまい、再び高額な工事やカビ取りが必要になるリスクがあります。
カビが再発しやすい状況、あるいは目に見えない場所にもカビが広がっている可能性があるときは、専門業者に相談するのが確実です。
その際は、カビ対策に精通し、施工実績のある信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。
■関連記事■壁に生えた気持ち悪いカビを一瞬で除去!最強の技をカビ取り業者が解説
4. 初期段階のカビを見つける簡単テクニック
カビ取り費用を抑えるために大事なのは、早期発見です。
初期段階で見つけられれば、自力で除去できるので費用をほとんどかけずにカビ取りできます。
カビが発生しているのに放置していると、大体3週間ほどで部屋全体に広がります。
湿度の高さなど環境によっては、1週間程度で一気に広がることもあるので、早めの対処が重要です。
カビが発生しやすい箇所を知っていれば、そこを重点的に確認することで、カビの発生にすぐに気づけます。
そうすればカビが広がる前に除去することができるのです。
カビは「結露が発生しやすい」「埃が溜まりやすい」「風通しが悪い」が揃っているところに発生しやすいものです。
そのため初期段階でカビを見つけるために、以下の3つの場所に特に注意してください。
①窓のゴムパッキン
②部屋の四隅
③家具の裏
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4-1. 窓のゴムパッキン
結露しやすい窓のゴムパッキンは、非常にカビが発生しやすいです。
弊社ではこれまでにたくさんの住宅に現地調査に伺っていますが、壁にカビが生えている家の場合、ほぼ100%ゴムパッキンにもカビが生えています。
ゴムパッキンにカビが生えると、カーテンや周辺の壁にもカビが移り、全体に広がっていきます。
ゴムパッキンは素材が柔らかく、放置するとカビ取り業者でも完全に取り切るのが難しくなります。
カビが生えているのを見つけたら、すぐに除去するようにしてください。
■関連記事■完全保存版!除去しにくいゴムパッキンのカビ取り方法【浴室・窓・冷蔵庫・水筒etc.】
■関連記事■結露=カビの原因は誤解!?サッシのカビ取りと正しい予防法をプロが解説
4-2. 部屋の四隅
空気が滞留する場所には湿気や埃が溜まり、カビが発生する条件が揃いやすくなります。
そして部屋の四隅というのは他の場所よりも空気が動きにくいため、カビが生えやすいのです。
また、湿気は空気よりも軽いため、天井付近の四隅には特に溜まりやすいため注意しましょう。
4-3. 家具の裏
4-2. 部屋の四隅でお伝えした通り、空気が滞留する場所には湿気や埃が溜まり、カビが発生しやすくなります。
そして、家具の裏側もその代表的な場所の一つです。
特に大型の家具は、壁にぴったりと設置されていることが多く、空気の流れが悪くなり、湿気や埃が溜まりやすい環境になっています。
加えて、掃除が行き届きにくい場所でもあるため、カビの栄養源が豊富に残りやすく、繁殖スピードも速くなります。
放置しておくと、家具の裏から壁一面に広がる恐れもあるため、定期的な点検と掃除を心がけることが大切です。
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5. 発見したカビを簡単に除去する方法
壁紙にカビを見つけたとき、状態によっては自分で対処することも可能です。
ただし、使用するカビ取り剤には注意が必要です。
カビ取りといえば、お風呂場で使うような塩素系のカビ取り剤を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はこれらを壁紙に使用するのはおすすめできません。
理由は、脱色のリスクや残留成分の問題があるからです。
- 脱色リスク
塩素系薬剤には漂白作用があり、カビを落とすと同時に壁紙の色まで抜けてしまう可能性があります。
白いクロスでも微妙な色ムラが出たり、色付きクロスではシミやまだら模様になる恐れがあります。 - 成分残留による危険性
市販の塩素系カビ取り剤には水酸化ナトリウムが含まれており、これが壁紙に残ると、素手で触れた際に化学やけどを引き起こすリスクもあります。
こうした理由から、壁紙にカビが生えた場合に自力で対応するなら、消毒用エタノールを使った除菌がおすすめです。
エタノールはアルコール成分によりカビを死滅させる効果があり、壁紙への漂白リスクもなく、残留成分による健康被害の心配もほとんどありません。
ただし、揮発性が高いために持続力はなく、カビの根が深くまで入り込んでいる場合は完全に除去できないこともあります。
このような場合、基本的にはカビ取り業者への依頼をおすすめしますが、どうしても自力で黒カビを除去したいという場合は、次の章の6. 2500分の1の費用で壁紙のカビ取りする裏技を参考にしてください。
6. 2500分の1の費用で壁紙のカビ取りする裏技
ここまでお読みいただいた方の中には、「本当に費用を2500分の1に抑えるなんて可能なの?」と疑問に思われたかもしれません。
実際、これはある条件を満たす場合に限っては、現実的な方法です。
前章では、ハイターなどの塩素系漂白剤は室内使用にはリスクがあるため推奨できないとお伝えしました。
ただし、ビニールクロスや塗装面など、薬剤がしっかり拭き取れて残留の心配がない素材で、かつ小さな子供やペットが触れないような場所であれば、塩素系漂白剤は非常に強力な武器になります。
下の写真は業者仕様のカビ取り剤で除去したものですが、塩素系漂白剤の原液と同じ強さの漂白・殺菌力があるものなので、塩素系漂白剤でも同じようなことができます。
この写真だとかなり進行しているため、業者が行ったほうが安全ですが、50センチ各程度の面積でしたらご自身でやっても対応可能です。
カビ取り作業は、使い古した歯ブラシと安価な塩素系漂白剤を使えば100円程度でできます。
放置すればカビ取り費用が25万円程度かかりますが、これなら100円程度でカビ取りできるので2500分の1の費用で済むのです。
ただし、作業にはいくつかの重要な注意点があります。
まず、必ず部屋をしっかり換気した上で、マスク・手袋・ゴーグル・長袖の服を着用し、体を保護して行ってください。
作業後は、塗布した漂白剤を水で濡らした雑巾などで何度もしっかり拭き取り、漂白剤の成分が残らないようにすることも非常に重要です。
これらを怠ると、健康被害や壁紙の損傷につながるおそれがあります。
それでは、詳しいカビ取り手順を解説します。
①手袋・マスク・ゴーグル・長袖の服を着用する
ハイターに触れると炎症を起こしたり、目に入ると失明する恐れがあるため、しっかりと体を保護してください。
②部屋を換気する
必ず換気して作業を行ってください。
③ハイターを塗布する
カビが発生している箇所に、10倍程度に薄めたハイターを歯ブラシやポリエチレン製の刷毛で塗布をしてください。
擦ると素材を傷めてしまうため、液剤を塗布したあと白くなるまで待ってください。
10倍で消えない場合は、5倍⇒2倍⇒原液と徐々に強くしてみましょう。
④液剤を拭き取る
水拭きと乾拭きを交互に行い、確実に液剤が残らないよう何度も拭いてください。
⑤しっかり乾燥させる
2時間程度しっかりと乾燥させて、終了です。
花王 キッチンハイター
出典:amazon
7. 壁紙(クロス)の裏側にカビが発生してしまった場合の対処法
壁紙が剥がれかけていたり、浮き上がったりしている場合は、内部のボードにまでカビが侵食している可能性があります。
この状態だと壁紙を剥がさないと根本からカビ取りすることはできないため、自力での対処は難しいでしょう。
カビの発生源が内部にある場合は、放置すると基盤のボードを腐らせて交換が必要になるケースもあるので、できるだけ早くカビ取り業者に相談しましょう。
ちなみにカビ取り業者は梅雨などの湿度が高い時期は混雑するため、施工してもらうまでに時間が掛かってしまうことがあります。
そのような場合の時は、とにかく部屋を除湿するようにしてください。
そうすることでカビの進行速度を遅くすることができます。
8.まとめ
高温多湿な気候の日本では、カビの被害から完全に逃れるのは難しいでしょう。
そのため、しっかりと対策をしてカビを防ぎ、発生した時は悪化する前に対処するようにしなければなりません。
常に「とにかく生やさない、生えたらすぐ対処する」を意識するようにしましょう。
結露しやすく、カビが発生しやすいのは以下のような場所なので、特に注意して確認してください。
①窓のゴムパッキン
②部屋の四隅
③家具の裏
もしカビが発生しているのを見つけた場合は、すぐにカビ取りを行いましょう。
基本的には消毒用エタノールを使用することをおススメしますが、条件が揃えば薄めた塩素系漂白剤(ハイターなど)でカビ取りすることもできます。
もしそれでもカビが取りきれなかったら、カビ取り業者に依頼することをおすすめします。
ハーツクリーンは相談や現地調査を無料で行っています。
カビでお困りの方は是非一度弊社までお問い合わせください。