事例の概要
神奈川県横須賀市の大型分譲住宅地で、解体するまで汚染範囲が確定しないカビ問題に対し、自社の解体・復旧工程に専門施工を組み込む柔軟な分業体制を提示し、適切な対応を完了させた事例です。
課題
- 解体して見るまで、建物内部のカビの汚染範囲を特定できない状態であった
- 自社だけでは、発生原因や解体後の専門的な処理方法を判断できなかった
- 居住者様への状況説明に必要な、専門的な記録やデータが存在しなかった
成果
- 解体・復旧の工事工程内に、専門のカビ処理を組み込む分業体制を確立した
- 解体後に追加判明したカビの汚染箇所へも、現場を止めずに対応完了した
- 写真付きの施工報告書により、居住者様へ根拠ある説明が可能となった
抱えていた課題/依頼の背景

戸建住宅の分譲および施工を手がける住宅会社様(以下、同社)では、販売した住宅の居住者様から、カビの発生について相談を受ける機会がありました。同社は解体や設備の撤去、内装の復旧といった建設工事を自社で施工できる体制を整えています。しかし、専門的な知見が必要となるカビの処置に関しては、適切な判断を下すことが難しい状況でした。
特に問題となったのは、設備や壁を解体して初めて、カビの広がりが判明する点です。床下だけでなく、洗面台や建具の裏側など事前確認が困難な隠蔽部へ広がっているケースもあり、現場での迅速な判断と対応が求められていました。また、居住者様へ状況を説明するための記録も不足していたことから、専門的な対応を求めて弊社へご相談いただくに至りました。
今回案件のポイント
今回の案件における成否の分かれ目は、住宅会社様が行う解体および復旧工事の流れのなかに、カビ処置の工程をどのように円滑に組み込むかという点にありました。
弊社は、同社が事前に設備や建材を撤去した状態を前提とし、露出した木部や下地に対して除カビ・防カビ処理を施すという、明確な役割分担を整理しました。解体後に当初の想定を超えて汚染範囲が判明した場合でも、現場を停止させることなく、柔軟に追加施工を行える体制を構築したのです。
また、構造上どうしても手が届かない天井裏などの箇所についても放置せず、処置するために必要な解体範囲を提示しました。施工の可否だけでなく、同社が次の工程を判断するための材料を提供することに注力した形です。
依頼から施工完了までの流れ

ご依頼をいただいてから施工完了までの主な流れは、以下のとおりです。
- 初回相談と現地確認の実施
同社より住宅でのカビ発生についてご相談を受け、現地確認と写真による共有を実施しました。室内空気の滞留や結露など複数の可能性を考慮し、現場の状況に基づいて原因を判断する方針を決定しました。 - 床下および設備周辺の施工
カビ発生のある分譲住宅各棟、床下全面をはじめ、洗面台やキッチン内部のカビ確認を実施しました。確認された黒カビや白カビに対し、下地や木部への除カビ・防カビ処理を徹底しています。 - 解体後に判明した追加箇所の施工
施工途中に巾木裏のボードや建具枠裏など、解体によって新たに見つかった箇所へ施工対象を拡大しました。現場の進捗に合わせ、柔軟に施工範囲を再構成して対応しています。 - 施工報告書の作成と提出
完成後は隠れてしまう床下や設備内部、巾木裏などについて、施工前後の写真を撮影しました。同社が居住者様へ提示し、今後の記録として保管できる報告書を作成して提出しています。
得られた結果
住宅会社様との工程分業が確立し、解体からカビ処置、復旧までをスムーズに進められる体制が整いました。床下や設備裏、建具枠裏など、完成状態では目視できない隠蔽部のカビ処置も完了しています。
解体後に追加で判明した汚染箇所へも即座に対応し、現場を停滞させずに施工を完了させました。手が届かない構造部についても必要な解体範囲を提示し、今後の工事判断における明確な基準を確立しています。
さらに、施工前後の詳細な写真付き報告書を整備したことで、居住者様への客観的な説明と、社内記録の保存を実現しました。
▼施工前後の比較(Before / After)
施工前後の変化が分かるよう、Before / Afterの写真をご覧ください。

今回案件で発揮できたハーツリッチの強み
1:解体・復旧工程にカビ処理を組み込み、スムーズな施工体制を確立
建築工事を行える住宅会社様であっても、専門知識が必要なカビ処理の工程を自社だけで判断するのは容易ではありません。
弊社は、住宅会社様が設備撤去や解体を担当し、露出した下地へ弊社がカビ処理を行う、明確な分業体制をご提案しました。事前に撤去範囲の前提条件を明確にすることで、工事全体の流れを止めることなく施工を完了させています。
その結果、自社工事のプロセスに専門処理を無理なく組み込めるようになり、現場の負担軽減とスムーズな施工進行を実現しました。
2:隠れた汚染箇所にも、解体後の状況に応じて柔軟に追加対応
カビ被害の多くは、解体を進めて初めて判明する壁裏や建具枠の内部など、見えない場所に広がっています。
当初の予定になかった巾木裏などの汚染に対しても、現場の状況に合わせて即座に施工対象へ組み替える対応を実施しました。さらに、手が届かない天井裏については、対処に必要な解体範囲を明記して、次の判断材料を提供しています。
現場の作業を中断させることなく確実な処置が可能となり、不確定要素の多い現場でも安心してお任せいただける状態となりました。
3:写真付きの専門報告書を作成し、居住者様への説明と記録を支援
カビの発生現場においては、居住者様への適切な状況説明と、客観的な施工記録の残し方が課題となっていました。
弊社は床下や各種設備裏など、完了後には見えなくなるすべての箇所について施工前後の状態を撮影し、詳細な施工報告書を作成しました。科学的根拠に基づくデータと視覚的な情報を組み合わせ、社外への説明資料として活用できる形に整えています。
明確なエビデンスが手に入ったことで、居住者様へ誠実かつ説得力のある説明が行えるようになり、大きな安心感へとつながりました。
代表 穂苅からのコメント
解体するまで全貌が見えないカビ現場では、住宅会社様との明確な役割分担が重要です。弊社は現場の状況に応じた柔軟な対応と、客観的な報告書の提供により解決へ導きました。不安を抱えるお施主様と住宅会社様の双方が安心できる環境を整えられ、大変嬉しく思います。
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解体するまで全貌が見えないカビ現場では、住宅会社様との明確な役割分担が重要です。弊社は現場の状況に応じた柔軟な対応と、客観的な報告書の提供により解決へ導きました。不安を抱えるお施主様と住宅会社様の双方が安心できる環境を整えられ、大変嬉しく思います。