事例の概要
宮城県仙台市の木造戸建住宅で、複数回の壁補修を行っても消えないカビ臭に悩む不動産管理会社様に対し、4年間にわたり詳細な調査と施工を重ね、最大18,000超の清浄度を基準値以下へ低下させ、カビ問題を根本解決へ導いた事例です。
課題
- 壁の補修を繰り返しても、室内の深刻なカビ臭が解消しなかった
- 見えない床下や壁の内部へ、カビがどこまで広がっているか不明だった
- 建物所有者や関係者へ現状を説明するための、客観的な材料がなかった
成果
- 4年間にわたる同一基準の測定で、カビの広がりと状態を特定した
- 床下の再施工により、全測定地点で浮遊菌数が基準値を下回った
- 定期点検でカビの発生がないことを確認し、漏水起因の問題が解決した
抱えていた課題/依頼の背景

不動産管理会社様(以下、同社)が管理する木造戸建住宅では、過去に漏水が発生し、室内の壁にカビが確認されたため、補修作業が複数回にわたって実施されていました。しかし、表面的な壁の撤去や補修を重ねても、室内からカビ臭が消えることはありませんでした。目視できない床下や壁の内部にカビが蔓延している可能性があり、所有者様へ説明するための明確な根拠がない状態に、頭を悩ませておられました。
どこにどの程度のカビが存在するのかを客観的に把握しなければ、根本的な対策を進めることはできない。そうお考えになった同社から、見えない範囲を含めた専門的な汚染調査を行うため、カビ対策の専門機関である弊社へご相談をいただく運びとなりました。
今回案件のポイント
本件における成否の要点は、同一の物件に対して同じ測定基準を用い、4年間にわたる経年変化を正確に記録・評価し続けた点にあります。単発の施工で終わらせず、定期的な菌数測定を通じて、空間の状態を継続的に把握する取り組みを行いました。
再調査で菌数の上昇が確認された際も、単純な施工不良と決めつけることは避けています。新設された木材と既存の木材での発生状況の違いを分析し、過去の防カビ処理の効果を客観的に評価したほか、美観上の黒い染みと衛生上の汚染を明瞭に区別して報告することを徹底いたしました。
また、最終的な点検調査においては、すべての測定地点で基準値を下回っていることを確認し、カビ問題が解決したという明確な判断を提示しています。過剰な追加施工を提案することなく、対策の完了という結論を誠実に導き出しました。
依頼から診断/施工完了までの流れ
ご依頼をいただいてから診断、施工完了までの主な流れは以下のとおりです。
診断の実施

- 初回床下汚染度調査(2020年9月)
床下3地点にて浮遊菌数を測定し、18,880をはじめとする高い数値を確認いたしました。培養試験により菌種を特定し、床下全体への蔓延状態と浸水による影響を整理して、改善策をご提案しました。 - 施工後の状態確認調査(2022年8月)
前回の施工から約1年半が経過した段階で、床下の再調査を実施しました。測定値の再上昇を確認した際には、新設部材と既存部材の被害状況を分離して分析し、早期対策をご案内しています。 - 定期点検調査の実施(2024年7月)
施工から約2年後の状態を確認するため、7地点での菌数測定と培養試験を行いました。全地点で基準値を下回り、異常がないことを確認して、カビ問題の解決を判断いたしました。
施工の実施

- 建物全体の除カビ・防カビ施工(2021年1月)
寝室や洗面所、床下を含む対象範囲に対し、天井や壁を含めた包括的な除カビ・防カビ処理を実施しました。施工後の測定では菌数が大幅に低下し、空間の環境改善を完了させています。 - 床下の全面再施工(2022年9月)
床下全面46㎡を対象に、再度除カビ・防カビ施工を行いました。施工後の測定値はすべて基準値を下回り、残存する黒い染みが色素沈着である旨を明記した報告書を作成いたしました。
得られた結果
2020年の初回調査により、床下3地点における浮遊菌数と菌種が数値化され、見えない範囲の汚染状態が明確になりました。2021年の全面施工後には、床下各地点の菌数が大幅に減少しています。
2022年の再調査では菌数の推移と部材ごとの発生差を記録し、施工効果を客観的に評価する材料を揃えました。同年の再施工を経て、すべての測定地点で浮遊菌数が基準値を下回る状態を実現しています。
2024年の点検調査では7地点すべてで基準値を下回り、培養試験でもカビの発生は認められませんでした。一連の調査データに基づき、漏水に起因するカビ問題について「解決」という結論を提示しています。
また、同社で担当者の交代が行われた後も、過去の経緯を正確に引き継げる体制を維持しました。
今回案件で発揮できたハーツリッチの強み
1:科学的な測定による状況の数値化と記録保持
目視できない床下や壁内のカビ汚染に対し、客観的な数値を提示できないことが課題となっていました。
弊社の強みである専門機器を用いた浮遊菌調査を実施し、空間全体の汚染度を数値として明確に可視化いたしました。さらに、同一基準での測定データを長期間保持することで、担当者様が交代された際にもスムーズな情報共有を可能にしています。
数値に基づく明確な根拠が得られたことで、関係者様への説明が円滑に進む環境が整いました。
2:部材ごとの詳細分析による原因の適正な評価
カビの再発が確認された際、過去の施工効果が正しく判定されないリスクが存在しました。
弊社では、新設された木材と既存の木材の発生状況を個別に観察し、前回の防カビ処理が機能している可能性を論理的に分析いたしました。単なる施工の成否に帰結させず、構造や部材に応じた精密な評価を行っています。
状況を客観的に切り分けたことで、ご担当者様も過度な不安を抱くことなく、適切な判断を下せるようになりました。
3:目的に応じた第三者視点での客観的な調査提供
追加工事の提案を前提とせず、現状を正しく評価するための調査手段が求められていました。
弊社は施工の受注を目的としない独立した点検調査を行い、すべての測定地点で基準値を下回っている事実を誠実に提示いたしました。状況に応じて「対策不要」という結論を明確に出せる姿勢を、強みとしています。
客観的な結論が示されたことで、長年続いていたカビ問題に対する深い安心感をもたらすことができました。
代表 穂苅からのコメント
同一物件の状況を4年間にわたり同じ基準で測定・評価し続けたことが、今回の解決における最大の要因です。弊社が持つ科学的な調査力と分析力を活かし、再発原因の切り分けや不要な施工の見極めを誠実に行いました。長年悩まされていたカビ問題に対し、客観的なデータをもって「解決」という結論をお届けできたことを、心から嬉しく思っております。
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同一物件の状況を4年間にわたり同じ基準で測定・評価し続けたことが、今回の解決における最大の要因です。弊社が持つ科学的な調査力と分析力を活かし、再発原因の切り分けや不要な施工の見極めを誠実に行いました。長年悩まされていたカビ問題に対し、客観的なデータをもって「解決」という結論をお届けできたことを、心から嬉しく思っております。