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【2025年版】信頼のカビ取り業者5社を厳選|10年1万件の現場から見えた業者の裏側

著者穂苅 英樹

この記事を読んでいる方の中には、「カビ取り業者という専門サービスがあることを初めて知った」という方もいらっしゃるかもしれません。

実は、私自身がカビ対策の専門会社を立ち上げたのは、家族の病気がきっかけでした。
父が「トリコスポロン・アサヒ」というカビによって過敏性肺炎を発症し、それが原因で間質性肺炎という難病に進行したのです。

医師の話では、この過敏性肺炎は日和見菌によるもので、体内に存在する菌が発症の引き金になるケースもありますが、主な原因は住宅内のカビであることが多いと言われています。
そのため、過敏性肺炎を発症して入院すると、引っ越しか徹底した除菌対策を講じない限り、退院が難しいと言われることもあります。
そして、日本国内ではこの病気を毎年約3万人が発症しているという推計もあり、無視できないリスクであることは確かです。

さらに、千葉大学真菌医学研究センターの亀井克彦教授は「日本病理学会のデータ解析によると、国内の病院で亡くなった患者のうち20人に1人がカビ感染症を発症していた」という衝撃的な報告も行っています。

こうした背景から私は、カビ取りは単なる掃除ではなく、
「空間内の菌を一度リセットし、防カビ処理まで行うことこそが、根本的な健康対策につながる」
という信念を持つようになりました。

目次

1. なぜ“業者の裏側”を語るのか?

私はこれまで、全国各地の現場で1万件以上のカビ問題に関わってきました。
日々、カビが発生した家庭や施設を訪れる中で、他社の施工と相見積もりになることも少なくありません。
そうした現場を数多く見てきたからこそ、業者ごとの「見積もりの背景」や「提案の意図」が自然と見えてくるようになりました。

「なぜこの見積もりは安いのか?高いのか?」「どこまでが標準施工で、どこからが追加なのか?」
──こうした点を理解しているだけで、業者選びの判断はずっと楽になります。

本記事では、そうした経験をもとに、信頼できると感じたカビ取り業者をいくつかご紹介しています。
ここで取り上げているのは、過去に実際の現場で見聞きしたエピソードから「これは見習うべき」「本当に誠実だ」と思えた業者のみです。

▶ より詳しい業者の特徴や費用の目安、失敗事例などを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【2025年版】プロが厳選したおすすめカビ取り業者5選|費用相場・選び方も徹底解説

もちろん、私自身も一カビ取り業者として、「ぜひ自社に」と思う気持ちがないわけではありません。
そのため本記事は、あくまでひとつの参考情報としてご覧いただき、最終的には公正中立な第三者機関が運営する比較サイトカビ取り業者ドットコムなども活用しながら、複数社の見積もりを比較されることをおすすめします。

なお、本記事では私が代表を務める「ハーツクリーン」も一社としてご紹介していますが、自社であることを明示した上で、客観的な評価基準に基づいて掲載しています。
他社との比較や業者選びの材料として、ぜひご活用ください。

カビ汚染度調査・ガス滅菌・カビ取りをご検討の方はこちらからお問い合わせください。

 

2. 自分でできるカビ取りの限界と業者に頼むべき判断基準

2-1. 5㎡までは自力対応も可能

私は10年前、「個人でカビ取りをするなら1㎡まで」と提唱していましたが、最近は少し事情が変わってきました。

当社の研究所で、実際に複数の方に市販のカビ取り剤を使ってもらい検証したところ、換気をしっかり行えば、5㎡程度までなら安全に自力施工できることが確認できました。

ただし、それはあくまで条件が良好な場合の話です。
以下のようなケースでは、自力では対応しきれないリスクが高いため、専門業者への依頼を強くおすすめします。

 

2-2. 業者に頼るべき4つのケース

業者に頼るべき4つのケース

  • ① 2箇所以上にカビが転移している
  • ② ニオイが発生している
  • ③ 天井にカビが発生している
  • ④ 密閉空間での施工

① 2箇所以上にカビが転移している

カビはその性質上、胞子が空気中に舞いやすく、見えない場所にまで広がっている可能性があります。
業者に依頼し、専用の機器で菌数検査を実施して施工範囲を正確に特定しなければ、再発を繰り返し、結果的に想定以上の費用がかかってしまうこともあります。

 

② ニオイが発生している

強いカビ臭がする場合、壁の内部や見えない場所で進行しているケースもあり、プロでも判断が難しいことがあります。
こうした場合は、自己判断せず専門業者に依頼することを強くおすすめします。

 

③ 天井にカビが発生している

カビ取り剤はタンパク質を分解する性質があるため、目に入ると失明の危険性があります。
高所作業は薬剤の飛散リスクも高いため、天井のカビは無理に自力で施工せず、プロに相談してください。

 

④ 密閉空間での施工

私自身、起業当初にフルフェイス型防毒マスクの重要性を知らずに密閉空間で作業し、咳が止まらず、目が開けられなくなる経験をしました。
こうした空間では、集中力も低下しやすく、再発の原因となる雑な施工につながりやすいため、安全管理の整った業者に任せるのが最善です。

 

2-3. プロに依頼することで得られるメリット

明確なリスクがない場合でも、プロに依頼することで得られるメリットは大きいです。

例えば、昔からお付き合いのあるお客様で「お風呂のカビ取りをしても、毎月再発する」と悩んでいた方がいました。
当社が施工したところ、「その後5年間、一度も再発していない」と、大変喜んでいただきました。

つまり、確実に再発を防ぎたいなら、最初からプロに任せることが最も効率的な選択肢です。

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3. カビ取り費用の相場と見積もりの見方

カビ取り費用の相場は大まかに以下の通りです。

施工対象 作業面積の目安 料金相場(税込)
6畳の居室 約40㎡ 8〜12万円
単価目安 1㎡あたり 2,000〜3,000円

ただし、使用する薬剤によってコストは大きく変動します。
特に、自社開発の液剤を使用している業者の方が原価を抑えられるため、高濃度・高品質な施工を比較的リーズナブルに提供できる傾向があります。

また、現場の状況によっても費用は前後します。
たとえば、以下のようなケースでは追加費用が必要になることがあります。

  • 荷物が多い
  • カビの広がりが大きい
  • 和紙や無垢材など、素材がデリケートで養生に手間がかかる

見積もりを比較する際は、「原因調査の有無」「使用薬剤の種類と安全性」「再発保証の内容」など、項目ごとの内訳まで丁寧に確認することが重要です。

なお、相場より極端に安い価格が提示された場合は注意が必要です。
再発防止に必要な処理が省略されていたり、薬剤の濃度や養生作業に問題がある可能性もあるため、価格だけで判断せず、施工内容と根拠の明示があるかをチェックしましょう。

 

3-1. 一般家庭の施工費目安(当社モデルケース)

施工範囲 作業面積の想定 料金目安(税込)
4.5畳 約30㎡ 75,000円
6畳 約40㎡ 100,000円
8畳 約55㎡ 135,000円
10畳 約70㎡ 175,000円
12畳 約85㎡ 210,000円

 

3-2. 家全体を施工する場合の早見計算式

床面積 × 7,000〜9,000円/㎡ が早見の目安となります。

延べ床面積 概算費用(幅)
80㎡(約24坪) 560,000〜720,000円
100㎡(約30坪) 700,000〜900,000円

 

3-3.より費用について詳細を知りたい方へ

▶ 具体的な金額を知りたい方は、以下のシミュレーターをご利用ください。
料金シミュレーション(haezclean.com)

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4. 現場で見えた「業者の裏側」とは?

全国のさまざまな現場で、相見積もりの一社として他業者と比較される立場で関わってきました。
そのたびに、業者ごとの対応や提案の違いから、表には出ないリアルな情報を多く得てきました。

ここでは、ホームページやパンフレットには決して載らない、「業界の裏側」を包み隠さず共有します。

 

4-1. 表面しか掃除しない施工と再発ビジネス!?の実態

「見えるカビだけ落とせばOK」といった短絡的な施工が、今も現場では少なくありません。

塗装や拭き取りで“黒い点”を一時的に隠し、数ヶ月後に再発した頃には連絡がつかなくなる。
そんな相談が、私のもとには週に数件届いています。

原因となる水分や栄養源を除去せず、コーティング剤で表面だけ“フタ”をする。
その結果、写真のように層を重ねた“ミルフィーユ状態”になっていた現場もありました。

実際、以前ある団地で施工を行った際、四人家族のご家庭で肺炎を患っている方がいたため、急ぎ施工を実施しました。
しかし、半年後に再発の連絡があり、再施工。
それでもさらに半年後、再び再発してしまいました。

これまでに同様のケースはなかったため、お客様の許可を得て塗装を剥がしたところ、裏側にびっしりとカビが残っていたのです。
過去に、発生したカビを塗装で隠す対応が繰り返されていたと考えられます。

そのときは当社負担で対応しましたが、それ以降は必ずリフォームの履歴を確認するようにしています。

さらにこの経験を塗装業者に伝えたところ、再発のリスクは承知のうえで施工している業者が存在するという現実も明らかになりました。
業者選びには、十分な注意が必要です。

 

4-2. フランチャイズや下請け構造のリスク

以前、沖縄の企業の方から「御社で使っている液剤を販売してもらえませんか?」というご相談を受けました。
当社は液剤メーカーとしても活動しているため、このようなお問い合わせは珍しくありません。

ただ、詳しく話を伺っていくうちに、その背景には業界全体が抱える構造的な課題があることが見えてきました。

 

高額見積の背景にあった“加盟金ビジネス”

沖縄の企業は、発生したカビに悩んでおり、某大手フランチャイズのカビ取り業者に見積もりを依頼しました。
しかし、提示された金額は想定よりもはるかに高額だったため、理由を尋ねたところ、次のような説明があったといいます。

  • 「原価が高すぎて、これ以上は値下げできない」
  • 「本部に支払っている加盟金が高額なので、回収しないと赤字になる」

つまり、高額な加盟金の回収を前提とした価格設定になっており、実質的に割高なサービスになっていたのです。
さらに、使われている液剤についても、「人体に優しいが効果が弱い」という事情があり、加盟店側も「本音では使いたくない」と感じていたことがわかりました。

この実態を知った企業は、「それなら、信頼できる液剤を直接購入して、普段から付き合いのある清掃業者に使ってもらったほうが合理的だ」と判断し、当社に相談が寄せられたのです。

 

カビ取り技術の中核は“液剤の正しい運用”

カビ取りにおいて、液剤の選定と使い方は技術の中心的な要素です。
どの薬剤が、どの素材や環境条件に対して効果を発揮するのか──。
それを理解したうえで、成分・濃度・接触時間(Dwell Time)を現場ごとに最適化して使うことが、プロとして最低限求められる責任です。

しかし、フランチャイズ制度の中では、現場の判断で本部指定の液剤が使われないケースがあると聞きます。
たとえば、「原価が高い」「効果が弱い」といった理由から、安価な市販品を現場で勝手に使ってしまうといった行為です。

これは、ブランドの看板と施工品質が乖離している状態であり、ユーザーの信頼を大きく損ねる結果につながります。

 

問題は「正しく使われないこと」にある

誤解のないように補足すると、フランチャイズ本部が選定している液剤そのものは、安全性と機能性を兼ね備えた優れた製品であることがほとんどです。
「効果が弱い」と言われるのは、加盟店側が正しい使用手順や濃度管理を怠っている可能性もあると感じています。

つまり、製品自体に問題があるのではなく、「現場で正しく使われていない」ことが本質的な問題なのです。

きちんとした工程管理のもとで使用すれば、非常に高水準な仕上がりが得られるポテンシャルは十分にあります。

 

「使える品質と価格のバランス」が大前提

私自身、液剤を開発する立場として、「原価を上げれば利益率が高くなる」という経営的な考え方は理解しています。
しかし、それによって現場で使われなくなったり、誤った使い方をされてしまうようでは本末転倒です。

企業として本当に重要なのは、現場で確実に使い切れる品質と価格のバランスを見極めること。
この件を通じて、私はその重要性をあらためて強く実感しました。

 

4-3. 安全性を開示しない薬剤・工程

カビ取りに使用する薬剤について、お客様がSDS(安全データシート)の提示を求めた際に、「企業秘密なのでお見せできません」と断る業者が存在します。

しかし、SDSやGHSラベル、作業工程表、換気・養生プランなどを提出できない業者は、「人体・建材への影響を説明できません」と自ら宣言しているのと同じことです。

私の選定基準はシンプルです。

必須書類 理由
SDS / GHS 表示 毒性・腐食性・揮発性などのリスクを数値で確認できる
工程表 薬剤の接触時間(Dwell Time)と養生手順を可視化
換気・養生プラン 隣室・医療機器・ペット等への二次被害を防止

これらが提出できない時点で候補から除外するべきです。
実際、お客様が不信感を抱き、当社が“セカンドオピニオン”で呼ばれた現場が何度もあります。

当社は官公庁・病院を含む施工が多く、「提出必須」が当たり前の環境で鍛えられています。
書類をスムーズに出せるかどうかは、業者の規模以上に安全への意識が社内に根づいているかを測る重要な判断基準になります。

 

4-4. 施工判断が「売上優先」になっている現場の怖さ

「高額提案=最善策」ではありません

下請け業者に厳しい売上ノルマが課されていると、次のような高単価メニューを勧めがちです。

  • 「除去より張り替え」
  • 「薬剤よりコーティング」
  • 「カビ取り+フルリフォーム」

 

たとえば、リフォームを主軸とするカビ取り業者の中には、黒カビが出ていることを理由に、「石膏ボードを全部交換しましょう」と提案するケースがあります。

しかし、現地調査で含水率を測定し、漏水がなく、ボードの強度も保たれていると判定できれば、カビ取りのみで十分に対応できることもあります。
このようなケースでは、工期も費用も半分以下で済むことは珍しくありません。

もちろん、断熱材の追加など、再発防止のための+αの提案は理にかなっています。
問題は、不要な高額工事を当然のように提案されてしまうことです。

 

重要なのは、以下の2点を備えた担当者かどうかを契約前にしっかりと見極めることです。

  • 必要十分な範囲を見極められる判断力
  • 安易に高額プランへ誘導しない誠実さ

この判断を誤ると、無駄な工事や費用の増大につながる可能性があるため、慎重な確認が不可欠です。

 

4-5. 実績の虚偽とステマ的なマーケティング手法

過去に、当社のお客様から「ある比較サイトで御社の情報が不自然に掲載されているようです」とのお問い合わせをいただいたことがありました。

調査したところ、ある施工業者が運営するカビ取り業者ランキングサイトにおいて、当社の名称や連絡先情報が他社の情報に差し替えられて掲載されており、実質的に当社への問い合わせが遮断された状態になっていました。

このランキングサイトの運営会社は、創業年数が浅いにもかかわらず「累計施工実績1万件以上」などの数字を公表していました。
一方で「年間施工200件」とも記載されており、
単純計算では数字に整合性がないことが確認できました(200件 × 4年 = 800件)。

これはあくまで一例ですが、業界内にはこのように誇張された実績や、比較の客観性が担保されていないランキングサイトも存在するため、注意が必要です。

 

カビ取りという仕事は、がん治療と似ています。
わずかでもカビが残っていれば、それが再発の起点になるため、徹底した除去と誠実な対応が求められます。

しかし、実績を誇張したり、できないことを「できます」と言い切ってしまう姿勢は非常に危険です。そのような無理な対応は、施工ミスや再発の原因となり、依頼主との信頼を失う結果にもつながります。

 

4-6. わからないことは「わからない」と言える業者が信頼できる

これは、実は起業当初の私自身の失敗談です。

千葉のホームセンターで、床に原因不明のカビが大量発生しているという相談を受け、カビ取り施工を行いました。
※このときの写真がこちらです。

当時の私は、なぜカビが発生したのか明確にはわからないまま、空気の対流によって発生したものと推測していました。
「これで6ヶ月は必ず持ちます」とお客様に説明し、施工に入りましたが、2ヶ月後に再発。

その後、あらゆる液剤を試作・調合して対応を試みたものの効果は出ず、最終的には当社の基準に満たないと判断し、全額返金して終了した現場でした。

その後、同様の現場を数多く経験する中で、原因が徐々にわかってきました。
構造的に床下からの結露が激しく、素材自体が湿気を抱え込みやすい状態だったのです。
つまり、その環境では表面処理だけではどうにもならず、使用素材を根本的に見直す必要があります。

この経験から私が学んだのは、「なぜ発生したのかが明確にわからないときは、“わからない”と正直に言える姿勢こそが、結果的に高い品質と信頼を守ることにつながる」ということです。

誠実な業者とは、「できること・できないことをきちんと線引きできる業者」です。
それを曖昧にしたまま施工に入ると、結果的にお客様の信頼も施工品質も損なわれてしまうのです。

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5. 信頼できる業者かどうか見抜く「5つの判断軸」

5‑1. 原因調査の深さと工程説明

信頼できる業者は、含水率測定・付着菌検査・浮遊菌検査の“三点セット”で原因を特定し、建物の構造や過去のリフォーム履歴までさかのぼって再発リスクを数値化します。
有料調査であれば、写真と測定値を添えた詳細レポートを提出するのが基本です。

逆に、いきなり薬剤名を並べ「この薬剤は何百種類のカビに効く」と強調する業者は要注意。
調査の浅さを隠している可能性があります。

▼ 信頼できる業者か見極める「調査力チェックリスト」

  • ☐ 含水率・付着菌・浮遊菌の“三点セット”を測定
  • ☐ 過去のリフォーム/塗装履歴を確認
  • ☐ 写真と数値付きレポートを提出できる
  • ☐ 再発リスクを構造 × 築年数で数値化して説明

5‑2. 薬剤・技術に対する知識と根拠

現場でSDS(安全データシート)GHS表示を提示し、希釈倍率や接触時間(Dwell Time)の根拠を説明できるかが腕の見せどころです。

本部指定以外の安価な市販薬剤をこっそり使う業者は論外。
「カビ取り剤がどう作用し、防カビ剤がなぜ成長を抑えるのか」を論理的に語れるかどうか――ここが専門業者と副業的業者の分かれ目です。

▼ 薬剤と技術の信頼性を見抜くチェックリスト

  • ☐ SDS・GHSをその場で提示
  • ☐ 希釈倍率と接触時間の根拠資料を提示
  • ☐ 本部指定外の市販薬剤を無断使用しない
  • ☐ 「カビ取り」と「防カビ」の原理を論理的に説明

5‑3. アフターフォローと再発保証の実効性

保証書には適用範囲・条件・除外項目が記載されているか、また外壁や高湿度エリアなど例外となる部分の説明も含まれているか確認しましょう。
再発時の連絡から対応までのスピードも重要です。

点検費を後出しで請求したり、「保証は10 cm以内だけ」と極端に狭めたりするケースもあります。
再発を疑った時点で無償・迅速に動いてくれる体制か、事前に確かめておくと安心です。

▼ アフターフォロー・保証体制の信頼度チェック

  • ☐ 保証範囲・条件・除外項目を文書で明示
  • ☐ 外壁・高湿度部など例外部分も説明
  • ☐ 再発時の連絡~対応スピードを明言
  • ☐ 点検費や追加費用を後出ししない

5‑4. 担当者の判断力と誠実な説明

優れた担当者は、メリットとリスクを両面から説明し、「分かりません」「施工は不要です」と率直に言えます。
実績やメディア掲載歴を盛らずに開示できる姿勢も信頼材料です。

質問を投げた際、曖昧にせず「調査のうえで回答します」と約束し実行するか――その対応に人柄と会社の文化が表れます。

▼ 担当者の誠実さ・説明力を見抜くチェック

  • ☐ メリット/デメリットを両面提示
  • ☐ 「分かりません」「施工不要」と率直に言える
  • ☐ 実績・メディア掲載歴を誇張せず開示
  • ☐ 質問には調査後でも必ず回答

5‑5. 「やらない」と判断する勇気

真に顧客本位の業者は、調査結果に応じて貼り替え予定を除去のみへ縮小するなど、利益率の高い工事でも不要なら勧めません。
施工対象外と判断すれば、信頼できる別業者や医師を紹介できるネットワークも持っています。

私自身、年間で約2割は「施工不要」と判断します。
必要な範囲・費用を正直に提案し、「ここは自分で、ここだけ当社で」と分担案まで示せる業者こそ、本当に頼れるパートナーです。

▼ 「やらない判断」ができる業者かを見極めるチェック

  • ☐ 調査結果で工事内容を縮小提案できる
  • ☐ 利益率が高い工事でも不要なら勧めない
  • ☐ 施工対象外の場合に専門業者や医師を紹介
  • ☐ 自力対応と業者対応を分担提案できる

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6. 信頼のカビ取り業者 5 社を厳選(ランキングではありません)

カビ取り業者を選ぶ際には、料金の安さや広告の派手さではなく、確かな技術力と対応体制があるかどうかが重要です。

この章では、10年以上の業界経験・累計1万件以上の現場実績をもとに、過去のお客様とのやり取りも踏まえながら、信頼できる業者を5社ご紹介します。

選定にあたって重視したポイントは、以下の5つです。

  • 技術力と再発率:本当に「根本」から除去できるか
  • 施工環境への配慮:陰圧処理・飛散対策の有無
  • 使用薬剤の安全性:SDS公開・GHS対応などの明示
  • 再発保証やアフターフォロー:保証期間・点検体制など
  • 施工対応エリアと機動力:緊急時の対応力や地域密着性

単なる人気ランキングではなく、「どの業者が、どのような目的に最適なのか」を判断しやすいように、5社の特徴や強みを目的別に比較しています。

なお、自社(ハーツクリーン)も掲載していますが、読者の判断を妨げないよう公平・中立の視点で構成しています。
信頼できる業者選びの参考にしていただけましたら幸いです。

 

6-1. 目的別に選べる信頼のカビ取り業者

ハーツクリーン(CP工法)|カビ取り剤メーカー施工部で業界トップレベルの技術力

  • 特徴:特許取得の独自工法(CP工法)+自社直営体制
  • 強み:汚染度の詳細調査・原因究明・カビ除去までワンストップ対応
  • 対応エリア:関東・関西・沖縄(全国写真見積OK)
  • 保証:1年保証
  • おすすめ:「確実に根絶したい」「再発を防ぎたい」重度のカビ被害の方に

■ 運営会社情報

運営会社:ハーツリッチ株式会社

許認可:建設業 神奈川県知事(般-4)第89761号

住所:神奈川県藤沢市藤沢86番地 藤沢法人会館ビル5階

電話番号:0120-510-689

お問い合わせ:
https://haezclean.com/contact/

 

カビ取りマイスター|全国対応。機動力に優れたプロ集団

  • 特徴:全国フランチャイズ展開。本部による技術研修あり
  • 強み:47都道府県対応を目指し、現在11拠点が稼働中(2025年現在)
  • 対応エリア:全国
  • 保証:加盟店により異なる(要確認)
  • おすすめ:「すぐ来てほしい」「地方で選択肢が少ない」方に

■ 運営会社情報

運営会社:カビ取りマイスター株式会社

住所:群馬県伊勢崎市東本町382-3

電話番号:0120-112-170

お問い合わせ:
https://kabitori.co.jp/contact/

 

カビ取り屋.com(MAD工法)|しつこいカビを根絶するプロフェッショナル

  • 特徴:25種類の薬剤を現場調合。最大136通りの組み合わせで対応
  • 強み:素材を傷めず菌核まで除去。臭気残りも少ない
  • 対応エリア:東京・神奈川・愛知・大阪・福岡など(全国相談可)
  • 保証:1年保証(保証書発行)
  • おすすめ:「美観を保ちつつ、カビを根絶したい」方に

■ 運営会社情報

運営会社:株式会社オーシャンズ

許認可:内装仕上工事業 東京都知事許可(般-6)第158565号

住所:東京都港区芝3-16-12 サンライズ三田ビル6階

電話番号:0120-106-092

お問い合わせ:
https://kabitoriya.com/inquiry/

 

せら(MIST工法)|文化財にも対応する“削らない”カビ取り技術

  • 特徴:ミスト状の液剤が菌糸まで浸透。擦らずに除去
  • 強み:国宝・重要文化財などの施工実績多数。素材保護に優れる
  • 対応エリア:全国(MIST工法グループ)
  • 保証:公的保証なし(点検・再施工あり)
  • おすすめ:「木材・和紙など、繊細な素材を傷つけたくない」方に

■ 運営会社情報

運営会社:株式会社せら

許認可:建設業 愛知県知事許可(般-24)第104321号

住所:愛知県名古屋市西区貝田町 2-37-1

電話番号:052-532-1200

お問い合わせ:
https://sera.jp/contact

 

プロスパー(ZERO1工法)|外壁や屋外の頑固なカビに強い地域密着型

  • 特徴:MOS工法をベースに独自開発したZERO1工法
  • 強み:地域材(杉・檜)への配慮。屋外・外壁に強み
  • 対応エリア:埼玉本社+全国出張対応
  • 保証:法人契約などで保証書あり(住宅は個別対応)
  • おすすめ:「外壁・屋外のしつこいカビを徹底的に落としたい」方に

 

■ 運営会社情報

運営会社:株式会社 プロスパー

住所:埼玉県川口市東川口4-17-7

電話番号:048-299-2969

お問い合わせ:
https://prospar.info/

 

6-2. 比較表|5社の特徴と強みまとめ

業者名 主な強み 再発保証 対応エリア 使用工法 安全性
ハーツクリーン 技術力・再発率0.5% ○(1年) 関東・関西・沖縄中心(全国対応可) CP工法(特許取得) SDS公開・医療安全基準
カビ取りマイスター 全国機動力 △(対応あり) 全国FC展開中 CP工法ベース 統一基準で管理
カビ取り屋.com 現場対応の柔軟さ ○(1年) 全国拠点展開 MAD工法 毒性・残留試験済
せら 素材保護(文化財対応) △(対応あり) 全国(グループ展開) MIST工法 人畜無害・環境配慮
プロスパー 地域材対応・屋外施工力 △(個別対応) 埼玉+全国対応可 ZERO1工法(MOS系) 人畜無害・植栽にも安全

 

6-3. 「強み」で選べば、業者選びで失敗しない

カビ取り業者を選ぶときは、「料金の安さ」だけに注目するのではなく、その業者の得意分野や技術的な強みを見ることで、再発や施工ミスといったトラブルのリスクを減らすことができます。

あなたの目的 おすすめ業者
室内の根本除去+原因究明・再発防止を最重視 ハーツクリーン
地方で緊急対応が必要・地方でも都市圏と同水準同金額での施工 カビ取りマイスター
取れない頑固カビを何とかしたい カビ取り屋.com
木材・和紙など素材重視の現場 せら(MIST)
外壁・屋外カビを根こそぎ落としたい プロスパー

 

※今回ご紹介した会社を選んだエピソードを交えた解説は以下の記事からご覧ください。

【2025年版】プロが厳選した信頼できるカビ取り業者5選と、失敗しない依頼のポイント

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7. 【失敗事例】こんな業者は選んではいけない!安い見積もりの落とし穴

これは、実際に当社にご依頼いただいたお客様のケースです。

もともとその方は、別の業者にカビ取りを依頼されていました。
見積もりは非常に安く、業者からは「乾いているので問題ありません」と言われたため、特に疑問も持たず施工に踏み切ったそうです。
しかし、含水率の測定なども行われないまま施工が進み、わずか3ヶ月でカビが再発してしまいました。

 

現地調査でわかった施工ミス

私が現地に伺ったときには、すでにカビが完全に戻っている状態でした。
明らかにおかしかったのは、黒カビが廊下の下部に集中して発生していたこと。
確かに一部は乾いていましたが、カビの性質を理解していれば、「乾いている=問題なし」とは判断できません。

私は漏水の可能性をお客様にお伝えし、含水率を測定。
その結果、洗面所での漏水が確認できました。

 

3社に相談しても原因不明のまま施工

お客様は、施工前に3社の業者に相談していましたが、いずれも「カビは空気が滞留すると発生します」といった一般的な説明のみで、カビの種類や発生原因、建物の構造を踏まえた調査は一切行われていなかったそうです。

建物の構造や内装の仕上げ工程を理解できていなければ、なぜその場所にカビが出たのか、そのリスクがどれほど深刻かを把握することはできません。

 

10倍の費用と広がった被害

結果的にこの案件は火災保険でカバーできましたが、影響は建物全体に及び、内装材を全面的に解体する事態に。
最終的な費用は、当初の約10倍になってしまいました。

その時は2月と寒い時期でしたが、発見がもう少し遅れていれば、マンションの下階にまで被害が及び、健康被害のリスクもあったかもしれません。

この事例は、安さだけで業者を選ぶと、かえって高くつくという教訓です。
見積もりの根拠や調査内容が曖昧な業者には要注意です。

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8. Q&A:カビ取り業者選びのよくある疑問

Q1. カビ取り業者に頼むべきか、自分で対処できるのはどこまで?

換気がしっかり取れる環境であれば、5㎡程度までは市販薬剤での自力対応も可能です。
ただし、以下のようなケースではプロの介入が必要です。

  • 複数箇所に転移している(=胞子飛散の可能性大)
  • 強いカビ臭がする(=根が深い、または壁内に侵食している可能性あり)
  • 天井や密閉空間での発生(=目や呼吸器に対するリスクが高い)

自力で対処する場合は、防護ゴーグル・マスク・市販薬剤(例:カビホワイト、次亜塩素酸系など)を使用し、十分な安全対策を講じてください。

 

Q2. カビ取り業者の見積書では何をチェックすべき?

以下の5点を中心に比較すると、失敗のリスクを大きく下げられます。

  • 原因調査の有無と内容(含水率測定、開口調査の有無)
  • 使用薬剤の明示(SDS提示、GHSラベルなど)
  • 作業工程と時間配分の具体性
  • 保証内容と再発時の対応条件
  • 見積もり範囲が広すぎないか(過剰な提案になっていないか)

安さだけで選ぶと、後から追加請求や再施工が発生するケースもあるので注意しましょう。

 

Q3. 「再発保証付き」とあっても、保証対象外になるケースは?

以下のような条件下では、保証対象外になることがよくあります。

  • 構造的な問題(結露・通気不良など)が未改善のまま
  • 外壁や外気に接する部分(雨風や気温差の影響を受けやすい)
  • 浴室などの高湿度環境
  • ペット・植物・医療機器等が近接しており、養生が制限された場合

契約前に「保証の範囲・免責条件」を文書で確認するのが鉄則です。

 

Q4. SDSや工程表の提出を求めてもいい? 断られたら?

もちろん提出を求めるのは正当な要求です。
むしろ、それに応じられない業者は、候補から外すべき対象と考えてよいでしょう。

  • 依頼のタイミング:見積もり段階で「SDS・工程表・養生計画の提出は可能ですか?」と尋ねましょう。
  • 断られた場合:「安全性が不明瞭なので、今回は見送らせていただきます」と毅然と対応を。

SDS(安全データシート)は、薬剤の毒性・揮発性などを判断する唯一の公的資料です。
それを出せない業者は、安全説明を放棄しているのと同じです。

 

Q5. フランチャイズ加盟店が本部指定の薬剤を使っているか確認するには?

現場で以下のように確認できます。

  • 薬剤ボトルのラベルを確認:製品名・成分名・ロット番号を写真で記録
  • SDSの提示を依頼:本部指定の薬剤であれば、統一フォーマットで提示できるはず
  • 事前にヒアリング:「御社ではどの薬剤を使う予定ですか?代用や薄めて使うことはありますか?」と質問

現場だけで判断せず、「本部の技術指導通りに施工されるか」まで確認することが大切です。

カビ汚染度調査・ガス滅菌・カビ取りをご検討の方はこちらからお問い合わせください。

9. まとめ|信頼できるカビ取り業者を選ぶために

カビが引き起こす過敏性肺炎や感染症は、年間で数万人規模にのぼると報告されています。
放置すれば、家族の健康リスクに加え、住宅の資産価値も低下しかねません。

まずは、「菌をリセットし、防カビまで行う」ことが根本解決の基本です。

 

安さではなく、「再発防止と原因調査」で選ぶ

カビ取り業界には、「表面清掃だけで済ませる」「薬剤の成分や安全性を開示しない」「不要な高額リフォームに誘導する」といった“見えないリスク”が潜んでいます。

こうした失敗を避けるために、次の3点を満たす業者を選びましょう。

  • 数値に基づいた調査(含水率測定・開口調査など)
  • SDS・工程表を即提示できる体制
  • 保証と免責を文書で明示するフォロー体制

 

判断のカギは「5つの基準」

本記事で紹介した「信頼できる業者の5つの判断軸」を活用すれば、不要な工事や過剰な提案を見抜くことができます。

  • 原因調査の深さと論理性
  • 薬剤の根拠と成分への理解
  • 再発保証の実効性
  • 担当者の誠実な説明力
  • 高額プランに流されない判断力

 

「目的別」に選べる厳選5社

あなたの目的 おすすめ業者
室内の根本除去+原因究明・再発防止を最重視 ハーツクリーン
地方で緊急対応が必要・地方でも都市圏と同水準同金額での施工 カビ取りマイスター
取れない頑固カビを何とかしたい カビ取り屋.com
木材・和紙など素材重視の現場 せら(MIST)
外壁・屋外カビを根こそぎ落としたい プロスパー

 

迷ったら、必ず相見積もり+第三者サイトで検証を

提案や価格の妥当性を判断するには、2〜3社以上から相見積もりを取ることが必須です。
公正な比較ができるカビ取り業者ドットコムなどの第三者サイトも、判断材料として活用しましょう。

 

DIYで対応できるのは「換気が十分で5㎡以内」まで

以下のようなケースは、事故や健康被害、再発コストのリスクを考えても、専門業者への依頼が安心です。

  • 複数箇所にカビが広がっている
  • 天井や換気の悪い密閉空間
  • 強いカビ臭がする

 

【次のステップ】今日からできること

  1. 被害範囲と臭気の有無を確認し、自力対応か業者依頼かを判断する
  2. 信頼できそうな業者を2〜3社選び、無料調査を依頼する
  3. 見積書と提案内容を、本記事の判断軸とFAQをもとに精査する
  4. 保証内容を文書で確認し、疑問点があれば遠慮なく質問・交渉する
  5. 施工後は定期点検と、換気・湿度管理を徹底し再発防止に努める


カビは、気づかぬうちに静かに根を張り、時間とともに健康被害や高額な修繕リスクへとつながります。
だからこそ、「今、正しい一歩を踏み出すこと」が、家族の未来と住まいを守る最善の選択です。

不安を放置せず、今日できる対策からはじめましょう。

著者情報
穂苅 英樹

東証プライム上場の総合建設会社にて、再開発施設やマンションの開発に従事。また、独立系デベロッパーの管理部門でプロパティマネジメントに携わる。2014年にはハーツリッチ株式会社を設立し、2020年からは日本建築防黴協会の専務理事に就任。これまでに、相談や調査を含め累計5000件を超える現場でカビ問題を解決。

保有資格
  • 二級建築士
  • 一級建築管理技士
  • マンション管理士
メディア出演
  • 雑誌:戦略経営者 家主と地主
  • テレビ:日本テレビ ZIP!・TBSテレビ ひるおび
  • WEB:ウェザーニュース
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