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温泉のカビ問題を根絶!カビ対策のプロが教える予防テクニック

著者穂苅 英樹

「温泉施設で働いているけど、大浴場にカビが発生して困っている」
「経営している旅館の温泉にカビが生えていたせいで、口コミに悪い評価が書かれてしまった…」

温泉や銭湯などの入浴施設は、心身を癒し、安らぎを与えてくれる場所として多くの人に愛されています。

しかし、この癒しの空間には目に見えない問題が隠れています。
その中でも重要なのがカビの問題です。

元々カビは目に見えないほど小さな胞子ですが、それが壁などに付着し、繁殖することで目に見えるカビに成長します。
カビは単に美観を損ねるだけでなく、施設の構造に害を及ぼします。
そして最悪の場合は、利用者や従業員の健康にも悪影響を及ぼす恐れがあるのです。

今回は、温泉施設におけるカビの課題に焦点を当て、発生原因や拡散方法、そして効果的な対策について詳しく解説します。
温泉施設のカビ問題は深刻ですが、適切な対策を講じることで、衛生的な環境を維持することは十分に可能です。
是非この記事を参考にして、温泉施設をカビの被害から守りましょう。

この記事でわかること
  • 温泉施設にカビが発生しやすい理由
  • 温泉施設内でカビのリスクが高い場所
  • 温泉施設のカビ対策
  • カビが発生した場合の対処方法

 

1.温泉施設におけるカビの問題

温泉や銭湯などを運営している方にとって、カビの問題は避けては通れないものです。
その理由は、温泉にはカビが発生しやすい環境が自然と整ってしまうからです。  

 

1-1.カビの基本的な知識

なぜ温泉施設にカビが発生しやすいのか理由をお伝えする前に、カビの基本的な知識から解説します。

 

1-1-1.カビの特性

カビは真菌類の一種で、地球上には数万種類のカビが存在しています。
そしてカビは、繁殖する際に空気中に胞子を放出します。

その胞子は非常に軽いため、風に乗って広範囲に運ばれ、新しい場所でカビの成長を促進することがあります。
特に湿度が高く栄養素が豊富な場所では、カビの成長が促進されます。

また、カビは温度に対して比較的柔軟であり、低温の環境下でも生育することが可能です。
そのため、建物や食品、植物など、私たちの身の回りの様々な場所でカビが成長することがあります。

さらに、カビの中には有害な毒素を生成し、人間の健康に害を及ぼす種類もあります。 そのため、これらの特性を十分に理解し、適切に対応することが重要です。  

 

1-1-2.カビの発生条件

カビは特定の条件下で繁殖しやすくなります。
そして以下はカビの発生に影響を与える主な要因です。

水分・湿度
カビの成長において最も重要なものが水分や湿度です。
濡れている場所や高湿度の環境は、カビの胞子が定着し、繁殖するのに理想的な条件を提供します。
ちなみにカビは湿度が60%を超えると生育しやすくなり、湿度が高ければ高いほどリスクが高まります。

温度
温暖で安定した温度はカビの成長を促進します。
温度が20~30℃の範囲で最もよく成長しますが、一部の種類はより広い温度範囲で生育することが可能です。

栄養源
カビは石鹸カスや人間の皮脂、髪の毛など様々な有機物を成長するための栄養源にします。
また、カビは少量の栄養でも生育できるという特徴があるため、非常に厄介です。

酸素
人間と同じように、カビも生きていくために酸素が必要です。
私たちが生活している環境に酸素がない場所はないので、これは排除することが不可能な要因と言えるでしょう。

そしてこの4つの条件が全て揃っている場所にカビが発生します。
逆を言うと、どれか1つでも欠けている場所はカビの発生リスクが低いということなのです。  

 

1-2.温泉にカビが発生しやすい理由

先ほどカビの4つの発生条件を紹介しましたが、温泉はその条件が揃いやすい場所です。
その理由について詳しく見ていきましょう。  

 

1-2-1.濡れている&高湿度

温泉という特性上、常に水分があり、高湿度の環境です。
大浴場やサウナ、脱衣所などの多くのエリアが、水蒸気や水しぶきにより濡れているでしょう。
そして温泉施設は自然と高湿度になりやすいため、カビが繁殖する上で理想的な条件が整ってしまうのです。

 

1-2-2.暖かい温度

温泉の水は一般的に温かく、これが施設全体の温度を上昇させます。
カビは温暖な環境で成長しやすいため、温泉施設のような場所はカビにとって魅力的な生息地と言えます。
温度がカビの好む20~30℃の範囲で保たれる場合は、さらにカビの繁殖は促進されるでしょう。  

 

1-2-3.換気不足

温泉施設によっては、湿気と温度を保持するために密閉された構造になっていることがあります。
これにより換気が不十分になりやすく、空気中の湿気が滞留します。
こうしてカビの成長に適した環境が作り出されてしまうのです。  

 

1-2-4.有機物の蓄積

温泉施設では、利用者が残す皮脂や髪の毛などの有機物が蓄積されます。
これらはカビの栄養源となり、カビの成長を促します。
特に共有スペースや洗い場では、これらの有機物が継続的に蓄積されるでしょう。  

 

1-2-5.建築材料の問題

温泉施設の建築に使用される材料もカビの発生に影響を与えることがあります。
特に湿気を吸収しやすい木材などが使用されている場合は、水分が蓄積されてカビが発生しやすくなります。  

 

2.温泉施設にカビが発生した場合の被害

カビは見た目が悪く、不衛生な印象を与えるものですが、問題はそれだけではありません。
温泉施設にカビが発生するとどのような被害が起こり得るのか、詳しく解説します。  

 

2-1.建物への損害

カビは建物の壁、天井、床などに定着し、構造材料を徐々に劣化させることがあります。
特に木材や壁紙などの有機物を含む材料は、カビによって破壊されやすいです。

長期間にわたるカビの発生は、塗装の剥がれや壁材の変色、構造的な強度の低下を引き起こす可能性があるため、早急に対処することが大事になってきます。  

 

2-2.健康被害

カビはアレルゲンとなり得るため、利用者や従業員がアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
これには皮膚の炎症、呼吸器問題、喘息の悪化などが含まれます。

一部のカビは有毒な胞子や化学物質を放出することがあり、これが健康に深刻な影響を与えることもあります。  

 

2-3.施設の評判が下がる&売上低下

カビが発生していると、不衛生な印象を与えて、利用者の評判を損なう可能性があります。
その利用者は二度と施設を訪れなくなり、リピーターが減少するでしょう。

また、最近は利用者が口コミサイトに書き込むことがあるため、新規の利用者の減少にもつながります。
そのような事態になってしまうと売上は低下していき、温泉施設運営も危ぶまれてしまうかもしれません。

■関連記事■ホテルのカビでお客様が激減!?カビ臭い客室の対策とカビ取りをプロが解説  

 

3.カビの発生リスクが高い場所

温泉施設の中でも特にカビが発生しやすい場所というものがあります。
これらのエリアを把握し、適切なカビ対策を講じることは、施設の衛生と快適性を維持する上で不可欠です。  

 

3-1.洗い場

洗い場は常に水や湿気にさらされており、カビが生えやすい環境です。

また、人間の皮脂や髪の毛、石鹸カスなどが飛び散りやすいため、水分だけでなくカビの栄養源も豊富です。
特に床や壁のタイルの目地は、水分や汚れが蓄積しやすく、カビの理想的な繁殖地となります。

他にもシャワーヘッドや蛇口周辺も水滴が残りやすいため、カビの生育を促進するでしょう。  

 

3-2.脱衣所

脱衣所は浴室内の湿気が流れ込むため、常に高湿度の環境になりやすい場所です。
更に湿った衣類やタオルが放置されることが多く、余計にカビの成長に理想的な環境を作り上げてしまうでしょう。

また、脱衣所の棚や床材などに木材を使用されている場合は、湿気を吸収しやすいため、カビの発生リスクが更に高まります。

■関連記事■更衣室・ロッカールームにカビは生えやすい!?その理由とカビ対策を解説  

 

3-3.サウナ

サウナは、濡れた体や濡れたタオルなどが持ち込まれることが多いため、カビが繁殖しやすい条件が揃っています。

また、多くのサウナでは木製のベンチや床材、壁が使用されており、これらは吸湿性が高いため、カビの発生リスクを高めます。
加えてサウナは密閉された空間が多く、通気性が低いため、カビの成長を促進する環境が整ってしまうのです。

■関連記事■サウナのカビで売上激減!?サウナのカビ対策とカビ取りをプロが徹底解説  

 

3-4.手が届きにくい壁や天井

壁や天井の高い部分や隅など、手が届きにくいエリアはカビが発生しやすい場所です。

これらの場所は通常の清掃が行き届きにくいため、カビの栄養源となる汚れが蓄積しやすくなります。
特に隅の部分では通気性が悪く、湿気が滞りやすい傾向にあります。

その結果、カビが繁殖するのに適した環境が形成されてしまうのです。

■関連記事■天井のカビは壁の13.5倍危険!?天井のカビを一瞬で除去する方法を徹底解説  

 

4.温泉施設のカビを防ぐための6つの対策

1-2.温泉にカビが発生しやすい理由でお伝えしたように、温泉施設はカビが発生する条件が整いやすく、カビのリスクが非常に高いです。
そのためしっかりとカビ対策をしなければ、カビが発生してしまうかもしれません。

ここでは温泉施設に有効なカビ対策について詳しく解説します。

 

 

4-1.定期的な清掃と消毒

洗い場や浴槽、脱衣所などカビの発生リスクが高い場所は、日常的に清掃し、カビの栄養源を絶つ必要があります。
そうすることでカビの繁殖を防ぐことができ、万が一カビが発生していてもすぐに気づいて迅速に対処することが可能です。

また、カビの胞子は目に見えないものなので、カビが発生していない場所でも消毒することが大切です。
そうすることでカビの胞子を殺菌し、その成長を防ぎます。
壁の隅、床の目地など、カビが生えやすい部分には特別な注意を払いましょう。  

 

4-2.湿度の管理

湿度はカビの成長に直接影響を与えるため、施設内の湿度を適切に管理することが重要です。

理想的な湿度は50~60%以下とされています。
脱衣所や休憩スペースなどは、除湿機や空調システムを使用し、湿度を適切なレベルに保つようにしてください。

また、大浴場なども換気設備を整えて、湿気を溜め込まないようにしましょう。
このような設備投資は、長期的に見てカビの問題を防ぐ効果的な手段になるはずです。  

 

4-3.適切な換気

効果的な換気は、施設内の空気を新鮮に保ち、湿気やカビの胞子を外に排出するのに役立ちます。
換気システムの設置や使用は、室内の空気の質を向上させるだけでなく、カビの予防にも有効です。

また、窓やドアを定期的に開けて自然換気を促すことも、新鮮な空気を取り入れるための良い方法です。  

 

4-4.カビに強い建築材料の使用

カビの発生を防ぐためには、カビに耐性のある建築材料の選択が重要です。
防カビ性の高い塗料や仕上げ材を使用することで、壁や床が湿気によるカビの発生を防ぎます。

特に木材や天然素材を使用する場合は、防カビ処理を施すことが効果的です。
カビの成長を抑制する特殊な仕上げ材や塗料は、長期的に温泉施設を守るための重要な投資となるでしょう。  

 

4-5.水漏れなど破損部分の修理

温泉施設の維持管理において、定期的な点検は不可欠です。
水漏れや結露、その他の損傷の兆候を早期に発見し、迅速に修理することで、カビの発生リスクを低減できます。

水回りの設備、特にシャワー、蛇口、パイプの接続部分などは、カビの発生源となりやすいため注意が必要です。
定期的なメンテナンスにより、これらの問題を早期に特定し、修理することで、カビの発生を効果的に防ぐことが可能です。  

 

4-6.防カビコーティング

温泉のようにカビの発生リスクが高い場所では、カビ対策を行うにも限界があります。
そのため更にカビを発生しにくくするために、防カビコーティングをおススメします。

大浴場や脱衣所などカビの発生リスクが高い場所に防カビコーティングをしておけば、カビの胞子が付着するのを防ぐことができます。
また、もしカビが付着しても、カビが繁殖するのを抑制してくれるので安心です。

ハーツクリーンで行っている防カビコーティングは、ホルムアルデヒド等を分解する効果や抗ウイルスの効果もあるため、カビ対策だけでなくシックハウス症候群の予防にもなります。

カビが発生してから対処するよりも、防カビコーティングした方が費用も抑えられるので、是非検討してみてください。

 

5.カビが発生した場合の対処方法

カビは地球上どこでも発生するリスクがあるものなので、カビ対策を行っていてもカビが生えてしまうことはあります。
もし温泉施設内にカビが発生していることに気付いたら、早急に対処しましょう。  

 

5-1.初期段階なら自力で除去する

カビが狭い範囲で発生している場合、自力での除去が可能です。

水回りでカビが発生した場合は、まず発生箇所を特定し、適切なカビ取り剤を使用します。
市販されているカビ取り剤や塩素系漂白剤などの家庭用品でも対応できる場合があります。

ただし、塩素系漂白剤を使用する際には、換気を行い、ゴム手袋やマスク、ゴーグルを着用することが重要です。

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もし、「プロレベルのカビ取り剤でカビ取りしたい」「安全性の高いカビ取り剤が使いたい」などがあれば、ハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターキットをおススメします。

カビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品なので、自宅でプロレベルのカビ取りができます。
また市販の塩素系カビ取り剤とは違って危険な成分は含まれていないので、脱衣所の棚や壁など水で洗い流せない場所のカビ取りにも使用できます。

そして防カビ剤もセットに含まれているため、カビの再発を防ぐことも可能です。

 

 

5-2.広範囲にカビが発生しているならカビ取り業者に相談

カビが広範囲にわたっている場合や、根深いカビの発生が確認された場合には、専門のカビ取り業者に依頼することをお勧めします。

専門業者はカビの種類を特定し、適切な除去方法と予防策を提案してくれます。
また、専門業者はカビの完全な除去と再発防止のための処理を行うため、安心して任せることができるでしょう。

ハーツクリーンは、これまでに10000件以上のカビの調査と5000件以上の施工実績があります。
その中には官公庁や上場企業、温泉や銭湯など大規模な施工経験も多数あります。

また弊社では海外の国立大学と提携してカビ取り剤を自社開発し、液剤の独自性と施工方法が認められ世界初のカビ対策工法として特許取得もしました。

カビ取りだけでなく防カビにも力を入れており、カビの再発率は3年で5%以下と業界最高レベルの品質を提供しています。
そのため、温泉や銭湯のようにカビが発生しやすい場所にはピッタリです。

温泉施設のカビにお困りでしたら、まずは一度ハーツクリーンまでご相談ください。

 

6.温泉にはカビ以外にも危険な菌がたくさんある

ここまでカビの怖さや対策についてお伝えしましたが、温泉にはカビの菌以外にも怖い菌が発生する恐れがあります。
温泉で最も危険な菌と言っても過言ではないのが、レジオネラ菌でしょう。

過去に温泉でレジオネラ菌に感染した利用者が死亡するケースもあったため、温泉施設の運営者にとって深刻な懸念事項だと思います。

レジオネラ菌は自然界に広く存在し、温泉のような温暖で湿度の高い環境で繁殖しやすい特性を持っています。
この菌が肺に到達すると、肺炎を引き起こすことがあり、場合によっては致命的になることもあります。
このような深刻な事態を防ぐためにも、温泉施設では定期的な水質検査を実施し、適切な消毒処理を行うことが不可欠です。

また、温泉施設のカビを無くし、清潔に保つことも、感染症を引き起こすリスクを軽減できます。
徹底的に衛生管理を行い、利用者や従業員の健康を守りましょう。  

 

7.まとめ

今回は、温泉施設におけるカビの発生原因や効果的なカビ対策について解説しました。

カビは温泉施設の快適性と衛生環境に大きな影響を及ぼす問題です。
そのため、カビの発生を未然に防ぐために、しっかりと対策をしましょう。

対策してもカビが発生してしまった場合には迅速に対処することが重要です。
初期段階であれば自力での除去が可能ですが、広範囲にわたる場合や根深い場合は専門業者に依頼するようにしましょう。

ハーツクリーンはこれまでにも温泉や銭湯などの入浴施設のカビ取り経験があるため、安心してご依頼いただけます。
相談やお見積りは無料ですので、まずは一度弊社までご相談ください。

温泉施設にとってカビは深刻な問題ですが、適切な予防と対策により、カビのリスクを大幅に軽減することは可能です。
この記事が、温泉施設の管理者、従業員、そして利用者の皆様にとって有益であることを願っています。

著者情報
穂苅 英樹

東証プライム上場の総合建設会社にて、再開発施設やマンションの開発に従事。また、独立系デベロッパーの管理部門でプロパティマネジメントに携わる。2014年にはハーツリッチ株式会社を設立し、2020年からは日本建築防黴協会の専務理事に就任。これまでに、相談や調査を含め累計5000件を超える現場でカビ問題を解決。

保有資格
  • 二級建築士
  • 一級建築管理技士
  • マンション管理士
メディア出演
  • 雑誌:戦略経営者 家主と地主
  • テレビ:日本テレビ ZIP!・TBSテレビ ひるおび
  • WEB:ウェザーニュース
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