事例の概要
東京都台東区にある飲料メーカーの見学施設で、将来的なカビ発生リスクに備え、デザイン性を損なわない光触媒噴霧による予防策を導入し、関東・関西の2拠点で施設価値を守るリスク管理体制を構築した事例です。
課題
- カビは未発生だが、将来のリスクを事前に把握する必要があった
- 施設の見た目を変える施工は、来場者体験を損なうため選択できなかった
- 受託側としてメーカーに予防策の必要性を、根拠をもって説明する必要があった
成果
- カビ発生前の段階で、2拠点の予防的な防カビ対策が完了した
- 施設のデザインや内装を一切変更することなく対策を実施できた
- メーカーへの報告に使える施工記録が、拠点ごとに提出された
抱えていた課題/依頼の背景

今回ご相談いただいたのは、飲料メーカーの見学施設に関する業務を受託されている、施設運営支援・空間管理を手がける事業会社様(以下、同社)でした。ご担当者様は、施設の品質を担う立場として、将来起こりうるリスクを管理する必要がありました。
ご相談の時点で、施設にカビが発生しているわけではありませんでした。しかし、多くの来場者が利用する見学・体験空間という特性上、万が一カビが発生すれば、見た目の悪化やカビ臭だけでなく、施設のイメージダウンや一時的な閉鎖といった深刻な事態につながる可能性があります。オープン後にカビが突然発生し、メーカー側から管理不足を問われる事態は避けなければなりません。また、同様の施設が他拠点にも存在するため、問題の横展開も懸念されていたそうです。
そこで、問題が顕在化する前に専門家の視点でリスクを評価し、必要であれば予防策を講じたいという意図から、弊社へお問い合わせをいただきました。同時に、受託側の立場としてメーカーへの説明責任を果たすため、「なぜ今、この対策が必要なのか」を専門的な根拠を持って回答できる必要がありました。さらに、見学施設としての演出や内装デザインを維持することは絶対条件であり、大掛かりな改修や見た目を変える処置はできないという制約のなかでの対策が求められていました。
今回案件のポイント
本件の最大のポイントは、カビが「発生していない」段階でのご相談であった点です。除去すべき対象が存在しないため、対策の必要性そのものを客観的な根拠をもってご説明し、ご納得いただく必要がありました。
受託側の立場であるご担当者様が、施設所有者であるメーカー様へ「なぜ今やるのか」を説明できなければ、ご発注には至りません。「念のため」といった曖昧な理由では、社内での説明が成り立たないご状況でした。そのため、施設の条件から将来的な発生可能性を検討し、予防策を講じることの合理性を丁寧にお伝えすることを重視しました。
また、来場者の体験価値を構成する展示演出や内装デザインを、決して損なうことができないという条件も重要でした。解体や部材交換を伴う対策は、たとえ効果が高くても採用できません。そこで、既存の仕上げを一切変えずに施工できる光触媒の噴霧を採用しました。施工が目に見える変化をもたらさないこと自体が、この施設においては大きな利点となるのです。
さらに、同じ課題を持つ施設が関東・関西の2拠点に存在したことも、見逃せない点でした。一拠点のみ対策して他方を放置すれば、管理基準が揃いません。そこで、両拠点に同じ考え方を適用し、連続する2日間で施工することで、管理体制の統一と工程の効率化を両立させました。
依頼から施工完了までの流れ

ご依頼をいただいてから施工完了までの主な流れは、以下のとおりです。
- 将来リスクの確認と対策方法の検討
現状カビが発生していない状態であることを踏まえ、無料の目視調査を実施しました。施設の条件から将来的な発生リスクと、それに備えるための予防方法を検討いたしました。 - 施工方法の選定
来場者の体験価値を損なわないよう、展示演出や内装デザインを維持する必要があることから、解体や部材交換を伴わない光触媒噴霧を選定しました。この方法は、既存の環境に影響を与えずに防カビ対策を行える点が特徴です。 - 関西拠点での施工
2025年4月9日、関西拠点にて施工を実施しました。連続通路(67.2㎡)とシアター・バックヤード(124.8㎡)を対象に、施設全体へ光触媒を丁寧に噴霧しました。 - 関東拠点での施工
翌日の2025年4月10日には、関東拠点の試飲会場(74.5㎡)とシアター(73.6㎡)で施工を行いました。シアターは全体に、特に湿気がこもりやすい腰高より下を中心に、試飲会場はロビー全体に噴霧しています。 - 施工報告書の提出
施工後2〜3日で、拠点ごとに施工報告書を提出しました。施工場所、施工日、施工責任者に加え、実際に光触媒を噴霧している施工風景の写真を記録し、対策内容が明確に伝わるように配慮しました。
得られた結果
カビの顕在化前に、2拠点の主要空間における予防的な防カビ対策を完了させました。施設の来場者体験を損なうことなく、展示や内装デザインを維持したまま施工を実現しています。
また、施設の営業に影響を及ぼすことなく、関東・関西の2拠点の施工を2日間で完了させました。複数拠点に同一基準の対策を適用したことで、統一された管理方針の基盤も整っています。
さらに、メーカーへの報告に活用できる、写真付きの施工記録を拠点ごとに確保しました。
今回案件で発揮できたハーツリッチの強み
1:カビ発生前の相談に対応し、将来のリスクを未然に防ぐ体制を構築
今回は、カビがまだ確認されていない状態でのご相談でした。このような場合、「発生してから対応すればよい」と判断することもできますが、それでは手遅れになる可能性があります。
弊社では、問題が顕在化していない時期こそ、施設の営業を止めることなく、最小限の影響で効果的な対策を講じられる重要なタイミングであると考えています。施設の条件をプロの視点で分析し、将来的な発生リスクと予防方法を具体的に検討しました。
その結果、問題が起きてから動くのではなく、先を見越してリスクを管理するという、より高度な品質管理体制の構築をご支援することができました。
2:施設の価値を守る施工法で、複数拠点の管理基準を統一
見学施設という性質上、展示演出や内装デザインそのものが、来場者にとっての価値となります。そのため、対策の痕跡が残らないことは絶対的な条件でした。
弊社が提案した光触媒噴霧は、解体や部材交換を伴わず、施設の見た目を一切変えることなく施工できる点が大きな強みです。また、関東と関西の2拠点に対し、同じ考え方で対策を実施しました。拠点ごとに対応がばらつくことを防ぎ、受託側である同社が管理基準を統一できる体制を整えています。
連続する2日間での計画的な実施により、移動を含めた工程も効率化し、施設の価値を守りながら、合理的かつ均質なリスク対策を実現しました。
3:詳細な報告書作成で、発注者の説明責任を強力にサポート
カビが発生していない状態での予防施工は、その成果が目に見えにくく、関係者への説明が難しいという側面があります。特に、受託側の立場であるご担当者様にとって、メーカー様への報告責任は非常に重要でした。
そこで弊社は、各拠点の施工対象を室単位で区切り、面積と金額を明確に対応させたお見積もりを提出しました。さらに施工後には、何をどこに実施したかが一目で分かるよう、施工風景の写真を記録した報告書を拠点ごとに作成しています。
これらの客観的な記録は、ご担当者様がメーカー様へ内容を説明し、社内で予算化される際の強力な裏付けとなります。単に作業をこなすだけでなく、お客様が組織内で果たすべき責任までをサポートできたと考えております。
代表 穂苅からのコメント
本件の鍵は、まだ起きていない未来のリスクに対し、いかにして対策の必要性にご納得いただくかという点にありました。弊社の強みは、カビが発生してから対処するだけでなく、施設の特性を深く理解し、その価値を損なわない予防策を具体的に示せる点にあります。お客様の先を見据えたリスク管理体制の構築に貢献でき、大変嬉しく思います。
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ハーツリッチは、施設の状況に合わせた柔軟な施工計画で、原因調査から再発防止までを一貫して支援するカビ対策の総合専門会社です。
本事例でお伝えしてきたとおり、将来的なカビ発生リスクへの予防や、関係者への説明責任でお悩みの方は、ハーツリッチで解決できる可能性が高いです。
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本件の鍵は、まだ起きていない未来のリスクに対し、いかにして対策の必要性にご納得いただくかという点にありました。弊社の強みは、カビが発生してから対処するだけでなく、施設の特性を深く理解し、その価値を損なわない予防策を具体的に示せる点にあります。お客様の先を見据えたリスク管理体制の構築に貢献でき、大変嬉しく思います。