
本記事では、カビトラブル対処経験6,000件の専門家が、新築・建築中の物件でカビが発生した場合の対処法を解説。施工不良が疑われ、揉めている場合の解決手順(原因調査・合意形成・カビ除去・再発防止)を専門家視点で実践的に紹介します。
ハーツリッチはこれまでに、約10,000件以上のカビ調査、6,000件以上のカビ対策施工、建設会社様からのご依頼累計1,000件以上の実績があり、さまざまなカビトラブルの解決に携わってきました。
その中でも、新築・建築中の物件で発生するカビ問題の相談は少なくありません。
新築・建築中物件でカビが見つかると、多くの方が強い不安を感じるものです。施工不良ではないか、使用環境の問題ではないかといった認識の違いから、建設会社と施主の間でトラブルに発展するケースもよくあります。
ここで対応を誤ると、
・建設会社とのトラブルが長期化する
・カビが再発する
・修繕費用が大きくなる
といった大きな問題につながるケースがあります。
したがって、非常に重要な意思決定の局面といえるため、適切な手順で対応を進めることが重要です。
問題を早期解決する対応のポイントは、大きく次の2つです。
(1) できるだけ早く動くこと (2) 解決力のある専門家に依頼すること ・カビの原因を正しく特定する調査・判断力 |
本記事では、ハーツリッチの経験をもとに、施工不良が疑われる新築・建築中物件でカビトラブルを早期解決するための具体的なステップを解説します。
多くの対応工程を専門家が担うため、信頼できる専門家に依頼すれば、安心して円滑に対処可能ですので、ぜひじっくり読んで実践してください。
目次
1.STEP1:現場証拠を集める
まず行うべきは、客観的な証拠を残すことです。
新築や建築中の物件でカビが発生した場合、施工不良・管理不足・自然要因など原因が複数考えられ、後から責任の所在を判断する際に客観的な記録が非常に重要になります。
例えば、施工トラブルが裁判や紛争に発展した場合、弁護士からは「当時の状況を示す証拠」と「時系列の記録」を求められます。証拠が残っていないと、「いつ発生したのか」「施工時に問題があったのか」を証明することが難しくなり、適切な対応を受けられない可能性もあります。
▼確保しておきたい主な証拠
・カビが発生している箇所の写真(発見当時の状態が分かるもの)
・カビの広がりや場所が分かる全体写真
・現場の施工状況の記録(雨濡れ、養生不足、換気停止など)
・営業担当や現場監督とのやり取り(メール・LINEなど)
・状況を時系列で整理した記録
例えば、状況を時系列で整理した記録を次のように残しておくと、後の調査や交渉がスムーズになります。
1月3日 施主がカビ発見、建設会社に連絡
1月4日 施主が漏水発見、建設会社に連絡
1月6日 建設会社が現地確認
自治体や県の無料法律相談を利用し |
多くの自治体では、住民向けに無料法律相談を実施しており、住宅トラブルや契約トラブルについて相談することができます。 専門家に現在の状況を説明することで、「どのような証拠を残しておくべきか」について、状況に応じた具体的なアドバイスを受けられる場合があります。 例えば、東京都渋谷区の法律相談では以下の形で窓口を設置しています。 ・相談内容:法律相談(相続関係、離婚、土地、家屋、相隣関係、金銭問題など、法律に関すること) ただし、自治体の法律相談はあくまで法律面のアドバイスが中心であり、建築構造やカビの発生原因といった専門的な判断までは難しい場合があります。 そのため、無料法律相談は状況整理や対応方針を確認するための参考として活用することを推奨します。 |
2.STEP2:専門家に対応を依頼する
カビトラブルは、専門知識がない状態で対処することはほぼ不可能です。
問題解決には以下のような専門スキルが必要になるからです。
【求められるスキル】
原因調査 | カビ発生は、木材の含水率、建物の構造、配管や漏水、温度・湿度など、建築と環境の複数の要因が複雑に関係しており、カビ菌数や含水率などを専用の測定機器で調査し、建築・生物学の両面から診断する必要があります。 ※例えばハーツリッチでは、文部科学省や日本建築学会、ISO(国際標準化機構)の基準に則り、専用の機械を用いた浮遊菌調査を行っています。 実際の調査の様子はこちら |
説明力 | 建設会社と施主が揉めているケースでは、双方の主張が食い違い、当事者同士の話し合いだけでは問題が解決しないことも少なくありません。そのため、調査結果を資料として整理し、ロジカルかつわかりやすく説明し、関係者に理解してもらうといった能力も必要になります。 これができない場合、建設会社とのトラブルが長期化し、工期が大幅に遅れる可能性があります。 ※例えば、ハーツリッチでは、 数値データだけでなく、詳細な考察を盛り込んだ専門報告書を作成し、経験豊富な担当者が説明会を実施しています。 |
再発防止力 | カビ問題を解決するには、単に表面のカビを除去するだけでは不十分です。カビを根本的に取り除き、再発防止することが重要になります。カビは表面に見えている部分だけでなく、建材内部の菌糸 ※例えば、ハーツリッチでは、カビ取り剤・防カビ剤を独自開発による液剤を手順に沿って施工する独自の工法(CP工法)によって建材深部へアプローチすることで再発率5%以下という結果を出しています。 |
※浮遊菌検査、落下菌検査の違いはこちらのページでお伝えしています。
これら3つの能力のうち、どれが欠けても問題を根本的に解決することはできません。
すべてを完遂できる専門家に調査を依頼することが重要です。
以下で専門家の選び方を解説します。
2-1.専門家の選び方
まずはハウスメーカーや管理会社に調査を依頼するのが一般的です。
施主・建設会社側へ誠実に対応し、原因調査や合意形成を問題なく進めてくれるのであれば、そのまま解決するケースもあります。
しかし、次のような対応が見られる場合は別の専門家へ依頼することも検討した方がよいでしょう。
・連絡へのレスポンスが極端に遅い
・「関係ない」「問題ない」と調査を行わない
・説明が曖昧で根拠がない
また、以下のような場合、原因調査・分析(裁判時などに根拠となるデータ収集や分析)に強い、別の専門家を選ぶのがおすすめです。
・建設会社と施主の間で責任の所在を巡って揉めている/揉めそう
・将来的にトラブルや訴訟になる可能性がある
2-2.別の専門家へ依頼する場合
次のポイントをおさえるとよいでしょう。
・高度なカビ原因調査ができる(「浮遊菌検査」を実施している)
・建築構造に詳しい(建物構造を把握し、問題を正しく指摘できる)
・科学的データや専門的な考察を含む報告書を作成できる
・調査結果を誰にでもわかりやすく説明できる(対応経験が豊富)
・カビ除去・再発防止にも対応している
ただし、実際には、ここまで対応できる専門家は多くありません。
高度な原因調査や分析であれば次のような機関が対応可能です。
・NPO法人カビ相談センター
・カルモア
NPO法人カビ相談センター、カルモア、環境リサーチ株式会社は、調査中心で、関係者への説明やカビ除去施工には対応していません。すべて対応してほしい場合は、私たちハーツリッチ株式会社までご相談ください。
専門家選びについてはこちらの記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
3.STEP3:施主・建設会社への説明を行う
専門家によるカビ原因調査を行い、原因や汚染状況が明らかになったら、その調査結果をもとに施主・建設会社へ説明を実施します。
なお、基本的に調査を行った専門家が対応することが一般的です。
専門家は、カビの発生原因や汚染範囲、必要な対処方法などを専門的な視点から整理し、報告書としてまとめたうえで説明します。
実際に、建設会社と施主が揉めているケースでは、「施工に問題はない」「施工不良ではないか」といった形で双方の主張が食い違い、当事者同士の話し合いだけでは議論が平行線になりやすく、問題が長期化することも少なくありません。
このような場合、相手を説得する材料として、報告書の内容や専門家の説明力が極めて重要になります。
【求められる内容・スキル】
報告書 | 調査データ(カビ菌数・含水率など)に加え、発生原因・汚染範囲・必要な対処方法まで体系的に整理されている。数値データだけではなく、専門的な考察が含まれていることが重要 |
説明力 | 専門用語をかみ砕いた分かりやすい説明と、相手が納得できるロジカルな説明ができる |
例えばハーツリッチでは、調査結果を数値だけで終わらせません。菌の種類や発生場所などの情報から、使い方の問題なのか、建物の構造的欠陥なのかなどを論理的に判定し、詳細な考察を盛り込んだ専門報告書を作成しています。
▼ハーツリッチが作成している報告書の例

さらに、この報告書に基づき、空調設備の運用改善、建材の補修、カビ除去・防カビ処理
など、再発を物理的に防ぐための具体的な対策ロードマップを提示します。
このように、データ・考察・対策まで整理された報告書と専門家による説明があることで、紛糾した現場でも関係者に納得感をもたらし、問題解決を進めやすくなります。
4.STEP4:専門家がカビ除去+再発防止処理をする
施主・建設会社との合意ができたら、専門家が実際の対処(カビ除去・再発防止処理)を行います。
カビ問題の対処では、単に表面のカビを除去するだけでは不十分です。
カビの根本除菌から再発抑制まで徹底的に行うことが重要になります。
なぜなら、カビは表面に見えている部分だけでなく、建材内部の菌糸、目に見えないカビの原因物質などが残っていることが多く、表面だけを清掃しても短期間で再発するケースが非常に多いためです。
例えば、ハーツリッチでは、カビ取り剤・防カビ剤を独自開発による液剤を手順に沿って施工する独自の工法(CP工法)によって建材深部へアプローチすることで再発率5%以下という成果を出しています。
実際のカビ除去・再発防止処理の様子はこちら
【愛知県】床下と軒下に発生したカビへの除カビ・防カビ施工事例
5.STEP5:必要に応じて設備のカビ再発防止策も行う
建物の構造や地域特性によっては、空調や換気などの設備そのものがカビの発生要因になっている場合があります。
そのため、調査結果に応じて設備の見直しを行い、再発防止を図る必要があります。
例えば、沖縄や離島などの高湿度エリアでは、全館空調(ダクト式)の配管内部に湿気がたまり、ダクト内でカビが発生するケースがあります。
このような場合、メンテナンスや湿度管理がしやすい壁掛けエアコンや天井カセット型エアコンへ変更することで、再発リスクを下げられることがあります。
また、排気のみを機械で行う「第3種換気」では、空気が滞留して湿気がこもる場合があります。そのため、給気と排気を機械で制御する「第1種換気」への変更や、熱交換換気扇の導入を検討するケースもあります。
さらに、設備機材や部材の仕様そのものを見直す必要がある場合もあります。
近年は気温上昇の影響により、従来の設計基準では結露対策が不十分になるケースも増えています。
例えば、冷媒管の保温材は、以前は20mm程度で十分とされていましたが、近年の高温化によって結露が発生しやすくなっています。
この場合、保温材を30〜40mm程度の厚い断熱材に変更することで、結露とそれに伴うカビを物理的に防ぐことができます。
これらの設備対策は高額になりやすいため、カビ調査と建築構造・設備仕様の両方を理解している専門家に依頼することが重要です。
例えばハーツリッチでは、代表が1級建築施工管理技士であり、カビ調査をふまえ必要最小限の設備対策を提案できます。
実際に、他社から「空調設備を全面改修する必要がある」として約3,000万円の工事案が提示されていた施設で、調査によって原因が冷媒管の断熱不足であることを特定。
その結果、約100万円の設備処置のみでカビ問題を解決した実績もあります。
6.STEP6:専門家が汚染度の再調査をして完了
最後に、専門家がカビの汚染度を再調査を行います。
カビ問題では、見た目がきれいになっただけでは本当に解決したとは言えません。
空気中のカビ菌数や環境状態を再度測定し、カビが適切に除去されているかを客観的なデータで確認することが重要です。
再調査では、主に次のような項目を確認します。
・空気中のカビ菌数(浮遊菌数)
・温度・湿度などの環境条件
・カビ臭の有無
この再調査によって、カビ汚染が解消されているか、再発の可能性がないかを確認し、関係者に報告して、完了となります。
例えば、ハーツリッチでは、再調査後、ビフォーアフターの写真や数値データをまとめた報告書を作成し、施主・建設会社に提出しています。これにより双方に十分に納得いただき、完了となります。
まとめ
新築・建築中の物件のカビトラブルを早期解決するためには、早めに行動することと、解決力のある専門家に依頼することが重要です。
多くの工程を専門家が担うため、対応を誤らず、信頼できる専門家に依頼できれば、円滑に対処することが可能です。
解決までの基本的な流れは、次の6つのステップです。
1.現場証拠を集める
2.専門家に原因調査を依頼する
3.施主・建設会社への説明を行う
4.専門家がカビ除去・再発防止処理を行う
5.必要に応じて設備面のカビ再発防止策も行う
6.専門家が再調査・報告をして完了
この記事を参考に、信頼できる専門家に依頼し、皆さまの問題が円滑に解決できることを願っています。
最後に、私たちハーツリッチは、カビ原因調査は累計10,000件以上、カビ除去は累計6,015件、そして建設会社様からのご依頼に限っても累計1,000件以上の実績があります。
ハーツリッチのサービス内容や強みについては別記事で詳しく紹介していますので、よろしければあわせてご覧ください。

