「クロレラ」が「カビ毒」を排出してくれるという研究結果について

先日、とても興味深い記事を読みました。

麻布大×ユーグレナ社 クロレラの働き新発見 穀物のカビ毒を排出https://www.townnews.co.jp/0301/2023/10/05/700080.html

麻布大学と株式会社ユーグレナ社の共同研究で、小さな藻の仲間である「クロレラ」が、体の中に入った「カビ毒」を外に出してくれることを発見したそうです。
カビ毒は命に関わるほど危険なものなので、この研究結果はとても喜ばしいことです。

今この記事を読んでいる方の中には、「カビ毒ってなに?」「聞いたことあるけど、そんなに危険なものなの?」と思っている方もいらっしゃると思うので、少し説明したいと思います。

 

1.カビ毒とは?

カビ毒とは、カビが産生する化学物質で、人や家畜の健康に悪影響を及ぼすものをいいます。
カビ毒のことをマイコトキシンと呼ぶこともあります。

現在カビ毒は100種類ほどあり、日本で消費される農産物や食品を汚染する可能性がある主なカビ毒には、以下のようなものがあります。

アフラトキシン類
(アフラトキシンB1、B2、G1、G2、M1、M2)
ナッツ類、穀類、乾燥果実、牛乳
オクラトキシンA 穀類 豆類、果実、コーヒー豆、カカオ
トリコテセン類
(デオキシニバレノール、ニバレノール、T-2トキシン、HT-2トキシンなど)
穀類
パツリン りんご加工品
ゼアラレノン 穀類
フモニシン類
(フモニシンB1、B2、B3)
とうもろこし
ステリグマトシスチン 穀類
シトリニン 穀類
ルテオスカイリン 穀類
麦角アルカロイド類 穀類

抜粋:農林水産省「かびとかび毒についての基礎的な情報」

ちなみにカビは熱に弱いため加熱により死滅しますが、カビ毒は熱に強く、食品が汚染されていると加工や調理では完全に取り除くことができないケースがあります。

カビ毒に汚染された農産物や食品を食べて摂取するという場合だけでなく、カビ毒に汚染された飼料を食べた家畜を経由して摂取してしまうこともあります。

また、カビが生えた空間で長時間過ごすことで吸引してしまうこともあるため、カビ毒は私たちの身近にあるものなのです。

 

2.カビ毒を摂取するとどうなる?

よくニュースなどで取り上げられている食中毒の場合、すぐに嘔吐や下痢など症状を引き起こすものが多いです。

しかし、カビ毒の場合はすぐに中毒を起こすものは少なく、長期間連続して摂取することで引き起こすものが多いため、気付かないうちに蓄積していってしまうケースが多いのです。

そして体内にカビ毒が蓄積していくと、以下のような症状を引き起こす恐れがあります。

  • 血液細胞の障害
  • 血管や子宮平滑筋の収縮
  • 肝機能障害
  • 腎機能障害
  • 神経障害

これらは、カビ毒の種類によって症状は異なります。

そしてカビ毒には発ガン性をもつものがあり、中でも最も発ガン性が強いのがアフラトキシンB1と言われています。

アフラトキシンB1を摂取し続けると、肝臓障害や肝臓がんなどを発症する恐れがあり、非常に危険です。

参考:日本薬学会 環境・衛生部会「事故米が汚染していたカビ毒ってどんな毒?」

 

3.大事なのはカビ毒を体内に取り込まないこと

ここまで解説したように、カビ毒はとても危険なものです。

最悪の場合は命を落とすことがあるため、カビ毒を体内に取り込まないようにすることが大事です。

カビが生えた食品は食べないようにしたり、自宅にカビが生えたら早急にカビ取りしたりすることで、カビ毒を体内に取り込みにくくすることが可能です。

自力でカビ取りするのが難しい場所だったり、範囲が広くて手がつけられないということであれば、まずは一度ハーツクリーンまでご連絡ください。

「カビ臭いのにカビの発生箇所が見つからない」「壁紙の裏までカビが広がっている」など、あらゆるご相談にも対応いたします。

また弊社は、カビが酷いから引っ越しをしたいという場合の売却や新しい家探しのお手伝いも行っています。

 

4.まとめ

カビ毒は我々の健康を脅かす危険なものです。

そのため、自宅にカビが生えたらすぐに除去したり、カビが生えたものは食べないようにしたりして、カビ毒を体内に取り込まないようにしましょう。

そして、すでに体内にカビ毒が蓄積してしまっている場合は、クロレラによって体内のカビ毒を排出できるかもしれません。

現在はまだすべてのカビ毒が吸着するわけではないそうなので、是非とも今後の研究に期待したいところです。