施工事例

【現場レポート】福祉施設で実施したカビ発生原因調査

【現場レポート】福祉施設で実施したカビ発生原因調査

施工情報

作業内容
カビ発生原因の調査
作業人数
作業時間
2時間
作業面積
作業費

福祉施設(地域生活支援センター)より、室内環境に関するご相談を受け、ハーツリッチ株式会社(ハーツクリーン事業部)現地調査を実施しました。

福祉施設は日常的に多くの方が利用する場所であり、体調や健康面への配慮が特に求められる環境です。
そのため、カビの疑いがある場合でも、「見た目」や感覚だけで判断するのではなく、数値やデータに基づいて現状を把握することが重要となります。

今回の調査では、外観目視による確認に加え、浮遊菌(空気中のカビ)検査および含水率測定を実施し、室内環境の状態を多角的に確認しました。
以下では、調査の内容と結果について、実際の事例をもとにご紹介します。

 

1. 今回の調査で行ったこと

今回の現地調査では、室内環境におけるカビの状況を多角的に確認しました。
浮遊菌検査や付着菌確認、含水率測定を通じて、現状を整理しています。

 

1-1. 空気中のカビを数値化する浮遊菌検査

専用機器で空気を採取し、寒天培地で培養したうえで、空気中に含まれるカビ量を CFU/100L(100Lあたりのコロニー形成単位)として評価しました。
あわせて、培養後に形成されたコロニーをもとに、主なカビ属の簡易同定も実施しています。

浮遊菌汚染度の判定目安

区分 判定基準(CFU/100L)
清潔区域 5 以下
準清潔区域 20 以下
準汚染区域 21〜99
汚染区域 100 以上

1-2. 表面の菌を確認する付着菌検査

玄関やトイレなど、施設の動線上で気になりやすいポイントを中心に、表面に付着している菌の有無を確認しました。
付着菌の確認では、採取した菌を培養し、コロニーの色や形状などの特徴から、主なカビ属を大まかに分類する簡易同定を実施しました。

 

1-3. 壁や建材の水分状態を確認する含水率測定

カビの増殖には水分が関係するため、壁や建材の含水率を測定しました。
測定結果をもとに、湿気や結露、漏水などの影響が疑われる状態かどうかを確認しています。

 

2. 浮遊菌検査の結果|一部の居室で高い数値を確認

複数箇所で空気中のカビ量を測定したところ、一部の居室で「汚染区域」に該当する数値が確認されました。

測定箇所 浮遊カビ数
(CFU/100L)
評価の目安
居室A 252 汚染(100以上)
居室B 29 準汚染(21〜99)
居室C 46 準汚染(21〜99)
居室D 97 準汚染(21〜99)
居室E 42 準汚染(21〜99)
共用スペース 23 準汚染(21〜99)
廊下 23 準汚染(21〜99)
宿直室 6 準清潔(20以下)

※プライバシーに配慮し、測定場所の名称は匿名化しています。

今回の結果は、施設全体が一律に高いというよりも、特定の居室(居室A)で突出して高い傾向が見られました。
一方で、共用部や宿直室は相対的に低い水準で、居室エリアを中心に「準汚染〜汚染」の傾向が確認されています。

 

3. 検出された主なカビ属

培養結果をもとに、以下のカビ属が確認されました。

  • アスペルギルス属(Aspergillus
  • ペニシリウム属(Penicillium
  • クラドスポリウム属(Cladosporium
  • フザリウム属(Fusarium

 

3-1. アスペルギルス属の特徴

アスペルギルス属は空気中に拡散しやすい特徴があり、環境や体質によっては、喘息やアレルギー性肺炎などの呼吸器症状に関与する可能性があるため注意が必要です。
特に、免疫力が低下している方や、もともと呼吸器に不安がある方では、影響が出やすいことがあります。

福祉施設のように利用者への配慮が求められる環境では、早めの確認と対応が重要です。

 

3-2. ペニシリウム属の特徴

ペニシリウム属は室内環境でも検出されやすいカビの一つです。

一部の種類では、マイコトキシン(カビ毒)を産生する可能性があることが知られています。
継続的に検出される場合には、衛生面・健康面の観点から状況を確認することが大切です。

 

4. 含水率測定の結果|「乾燥状態」を確認

含水率は概ね0.2〜1.2%の範囲で、全体として乾燥状態であることを確認しました。

測定箇所 含水率
居室A 0.6〜1.2%
居室B 0.5〜0.6%
居室C 0.7〜1.0%
居室D 0.4〜0.6%
共用スペース 0.4〜0.6%
廊下 0.2〜0.6%
宿直室 0.2〜0.6%

壁や建材に水分が残っている状態は見られず、湿気が直接の原因となって増殖している状況は考えにくいという結果でした。

 

5. 調査結果を踏まえた対応方針

今回の結果を踏まえ、施設側には次のような対応をご案内しました。

 

5-1. 現状の安全性について

「汚染区域」に該当する居室Aについては、可能な範囲で入室を控えることをご提案しました。

一方、「準汚染区域」の居室BEは相対的に低い水準でしたが、カビアレルギーをお持ちの方は体調への影響が出る可能性があるため、利用方法への配慮が必要である旨をお伝えしています。

 

5-2. 改善の進め方について

今回は含水率が低く乾燥状態だったため、壁や建材の湿気が直接の原因とは考えにくい状況でした。
そのため、室内物品、収納内部、エアコン内部、ホコリが溜まりやすい部位など、汚染源となっている可能性のある箇所を重点的に点検することを推奨しました。

あわせて、必要に応じて除カビ・清掃防カビ処理を組み合わせて対応し、改善後には再度検査を行って数値の変化を確認する流れをご案内しています。

 

6. まとめ|見えない汚染は数値化で把握できる

福祉施設のように日常的な利用がある環境では、カビの問題は見た目だけで判断せず、数値やデータで室内環境を把握することが大切です。
今回のように、浮遊菌検査含水率測定、寒天培地を用いた培養調査を組み合わせることで、現状を整理し、対応の優先順位をつけやすくなります。

清掃してもカビ臭が残る、一部の部屋だけ気になる、利用者の体調面が心配といったお悩みがある場合は、ハーツリッチ株式会社(ハーツクリーン事業部)までご相談ください。

現状を整理したうえで、施設の状況に合わせた進め方をご提案いたします。

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