ブランド財布にカビ発生!?財布のカビ取りと対策をプロが解説【革・合皮・キャンバス】

「大事なブランドの財布にカビが生えてしまった。高価なものだからショック…」

「本革の財布にカビが生えたから除去したいけど、何を使ってカビ取りすればいいんだろう?」

財布は百円ショップで購入できるものから、数十万円~数百万円と高級なものまであり、値段の幅が大きい小物です。

安い値段で購入した財布なら諦めもつきますが、高価な財布や大切な人から貰った財布の場合はそう簡単に買い替えたりできないと思います。

そして「何としてでもカビ取りして、これからも使い続けたい」と考えるのではないでしょうか。

そこで今回は、財布にカビが生えてしまった時の対処方法について紹介いたします。

一括りに財布と言っても、素材によってカビ取り方法が異なりますので、【本革】【合皮】【キャンバス】の3つの生地に分けて詳しく解説いたします。

この記事でわかること


  • 本革の財布のカビ取り方法
  • 合皮の財布のカビ取り方法
  • キャンバス(帆布)の財布のカビ取り方法
  • 財布にカビが生える原因
  • 財布のカビを防ぐための対策

 

1.本革の財布のカビ取り方法

天然素材である本革はタンパク質で構成されているため、カビが発生しやすい素材の一つです。

カビはアルコールに弱いため、消毒用エタノールで死滅させることが可能です。

しかし本革は繊細で色落ちなどの恐れがあるため、消毒用エタノールではなく、革製品用のカビ取りスプレーを使用した方が安心でしょう。

ここでは革製品用のカビ取りスプレーを使用したカビ取り方法について紹介します。

 

1-1.事前準備・注意事項

用意するもの


  • 革製品用のカビ取りスプレー
  • 布×2枚
  • マスク
  • ゴム手袋

注意事項

・カビを吸い込まないように気を付ける

・目立たない場所で試してから行う

カビ取り作業中はカビの胞子を大量に吸い込む恐れがあるため、マスクを身に付けたり、換気をしながら行うなど注意が必要です。

革製品用のカビ取りスプレーでも、念のため目立たない場所で試して、問題なければ作業を行うことをおススメします。

 

コロンブス レザーキュア カビ用ミスト

出典:amazon

革製品用のカビ取りスプレーです。

成分が菌の表面に吸着して皮革製品に生えたカビを除去し、抗菌剤が皮革に浸透してカビの生育も抑制してくれます。



 

1-2.カビ取り手順

 

①布にカビ取りスプレーを含ませて、カビを拭きとる

カビ取り作業する前にマスクとゴム手袋を身に付けてください。
布にカビ取りスプレーを吹きかけて、その布で財布のカビを拭き取ります。

 

②カビ取りスプレーを吹きかける

カビが発生している箇所にカビ取りスプレーを吹きかけてください。

 

③布で拭き取り、乾燥させる

①で使った布とは別の布でカビ取りスプレーを拭き取ります。
そして風通しの良い場所でしっかりと乾かしてください。

 

2.合皮の財布のカビ取り方法

合皮(合成皮革)は、合成樹脂を塗ることで天然の革に似せている人工素材です。

合成樹脂はポリ塩化ビニールやポリウレタン樹脂が使用されており、これはビニールやプラスチックと似ています。

そのため本革と比べて丈夫な作りになっています。

本革と同様に革製品用のカビ取りスプレーを使用するのも可能ですが、ここでは自宅に常備している方も多い消毒用エタノールを使用したカビ取り方法を紹介します。

 

2-1.事前準備・注意事項

用意するもの


  • 消毒用エタノール
  • スプレーボトル(必要な場合)
  • ティッシュ
  • マスク
  • ゴム手袋

注意事項

・カビを吸い込まないように気を付ける

・目立たない場所で試してから行う

カビ取り作業中はカビの胞子を大量に吸い込む恐れがあるため、マスクを身に付けたり、換気をしながら行うなど注意が必要です。

また丈夫な合皮素材でも変色する恐れがあるため、目立たない場所で試して、問題なければ作業を行うようにしましょう。

 

健栄製薬 消毒用エタノール

出典: amazon

エタノール (C2H6O) 76.9〜81.4vol%を含有している第3類医薬品です。

創傷面の殺菌・消毒やカビやウィルスの除菌もできるので汎用性が高くて、幅広く使用できます。



 

ドーバー パストリーゼ77

出典:ドーバー酒造株式会社

酒造会社のノウハウから生まれたアルコール製剤で、アルコールの含有率が77%と高濃度です。

カビをはじめとした多くの細菌やウィルスを除菌してくれます。

スプレータイプのエタノールなので、別でスプレーボトルを用意する必要はありません。



 

2-2.カビ取り手順

①ティッシュでカビを払う

カビ取り作業する前にマスクとゴム手袋を身に付けてください。
ティッシュを使って財布の表面に付着しているカビを払ってください。
周囲にカビをばら撒く恐れがあるので、庭やベランダで行いましょう。

 

②消毒用エタノールを吹きかけてしばらく放置する

スプレーボトルに消毒用エタノールを注ぎ入れます。
カビが発生している箇所に消毒用エタノールを吹きかけて10~15分放置します。

 

③布で拭き取り、乾燥させる

布で消毒用エタノールを拭き取って、風通しの良い場所でしっかり乾かしてください。

 

3.キャンバス(帆布)の財布のカビ取り方法

キャンバス地は麻糸や綿糸を平織りして作られた厚手の生地です。

撥水加工されていることが多く、丈夫な生地なので財布の素材としてもベストなのですが、織り目に埃が入り込んだりして汚れが付着しやすいというデメリットもあります。

生地に付着した汚れはカビが繁殖するための栄養になってしまいます。

もしキャンバスの財布にカビが生えてしまったら、合皮と同様に消毒用エタノールで除去しましょう。

 

3-1.事前準備・注意事項

用意するもの


  • 消毒用エタノール
  • スプレーボトル(必要な場合)
  • 歯ブラシ
  • ドライヤー(必要な場合)
  • マスク
  • ゴム手袋

注意事項

・カビを吸い込まないように気を付ける

・カビを叩いたり擦ったりしない

カビ取り作業中はカビの胞子を大量に吸い込む恐れがあるため、マスクを身に付けたり、換気をしながら行うなど注意が必要です。

カビを除去する時に叩いたり擦ったりすると奥に入り込んでしまうので、優しく払ったり、つまんだりして除去しましょう。

 

3-2.カビ取り手順

①ティッシュでカビを払う

カビ取り作業する前にマスクとゴム手袋を身に付けてください。
ティッシュを使って財布の表面に付着しているカビを払ってください。
周囲にカビをばら撒く恐れがあるので、庭やベランダで行いましょう。

 

②消毒用エタノールを吹きかけてしばらく放置する

スプレーボトルに消毒用エタノールを注ぎ入れます。
カビが発生している箇所に消毒用エタノールを吹きかけて10~15分放置します。

 

③歯ブラシで掻き出し、布でつまむ

織り目に入り込んでいるカビを歯ブラシで掻き出し、布でつまむようにしてカビを除去しましょう。
カビが繊維の奥に入り込まないように、叩いたり擦ったりはしないでください。
カビがしつこい場合は①~③を繰り返します。

 

④乾燥させる

風通しの良い場所でしっかり乾かします。
乾す時にドライヤーを使用すれば、熱での殺菌ができて、更に乾燥時間を短くすることも可能です。

 

4.個人での対処が難しい場合はカビ専門のクリーニング業者に依頼する

ここまで自宅でカビ取りする方法について紹介してきました。

しかしカビの状態が酷いと完全にカビが除去できず、跡が残ってしまうことがあります。

またカビは菌なので、少しでも残っているとそこから再発する恐れがあります。

そのため二度と財布にカビを生えさせたくないのであれば、プロに頼んでカビを完全に死滅させるのが一番です。

そこでおススメしたいのがカビ取り専門のクリーニング業者であるハーツクリーニングです。

他のクリーニング業者でも最後に除菌をしてくれるところはありますが、真菌(カビの菌)は非常にしぶといためそれだけでは死滅しないことがあります。

しかしハーツクリーニングの滅菌は、医療機器の滅菌処理にも使われているエチレンオキサイドガス(EOG)を使用しているため、殺菌力が高く、真菌でも徹底的に除去することが可能です。

また、国内外の要人が依頼するほど実績のある老舗のクリーニング店と提携しているため、自宅では落とせなかったカビの色素も熟練した技術で除去してくれます。

ハーツクリーニングは“最高級カビ取りクリーニング”なので、他のクリーニング業者よりも料金は高く設定されています。

何としてでもカビ取りしたい大切な財布にカビが生えてしまった時に是非ご利用ください。

 

5.財布にカビが生える原因とは

財布のカビ取りが終わったら、今度は二度とカビが生えないように対策を行う必要があります。

しかし何故カビが生えてしまうのか原因を知らなければ正しいカビ対策を行うことはできません。

そこで財布にカビが発生してしまう原因から解説したいと思います。

まずカビは以下の条件が揃った時に発生します。

  • 湿度(60%以上)
  • 温度(最適温度25℃前後、生育可能温度0~40℃)
  • カビの栄養源(手垢、油汚れなど)
  • 酸素

では財布でこの4つの条件が揃うのはどのような時なのでしょうか。

 

5-1.手垢など汚れが付着している

財布は使用する時に手で掴むので、手垢や皮脂などが付着しやすいものです。

また、ポケットに財布を入れている方だと、食事中に財布をテーブルの上に置く方もいると思います。

すると食べ物の油などが飛び散り、それが財布に付着することもあります。

これらの汚れはカビが繁殖するための栄養源になります。

もし汚れが付着していることに気付かずに、湿度や温度の高い場所で保管していると、カビはその栄養を吸収しながら成長していきます。

財布の表面にはカビの栄養源が溜まりやすいので、それをどのように除去していくのかが大切になってきます。

 

5-2.保管環境の問題

女性はシーンによってバッグを変えることが多く、それに合わせて長財布とミニ財布を使い分けている方もいるでしょう。

また新しい財布を購入した時に今まで使っていた財布を保管して、しばらく使わないこともあると思います。

普段から使用している財布ならカビが生えてもすぐに気づけますが、長期間保管している時はカビの発見が遅れやすく、気付いた時には手がつけられないほどカビが広がっていたということも少なくありません。

まず財布を保管する時にやりがちなのが、購入した時に入っていた箱の中に入れるという方法です。

しかし箱の中は密閉されていて湿気がこもりやすく、カビの繁殖を促してしまいます。

また箱だけでなく、ビニールに入れるのも通気性が悪くなるのでお勧めできません。

湿気がこもりやすい環境で保管するとカビの発生リスクが高くなるので注意しましょう。

 

5-3.革財布の場合は革が栄養源になる

カビは繊維質や糖質、タンパク質などを分解し、それを利用して成長していくものです。

そして本革は動物の皮をなめした革のことなので、主成分はタンパク質です。

他にもタンニンや油脂が含まれていたり、革製品をメンテナンスする時のオイルやクリームが表面に残ってしまうこともあり、これらもカビの栄養になります。

5-1.手垢など汚れが付着しているで付着した汚れがカビの栄養源になるとお伝えしましたが、革財布の場合はいくら綺麗に保っていても、素材自体がカビの栄養になってしまうことがあります。

革製品は特にカビが発生しやすいものだと理解しておきましょう。

参考:文部科学省カビ対策マニュアル[基礎編]

 

6.財布にカビを発生させないための対策

5.財布にカビが生える原因とはでお伝えした通り、条件が揃うと財布にカビが発生してしまいます。

  • 湿度(60%以上)
  • 温度(最適温度25℃前後、生育可能温度0~40℃)
  • カビの栄養源(手垢、油汚れなど)
  • 酸素

カビが発生する条件は以上の4つですが、逆を言うと4つのどれか1つでも欠ければカビの発生を抑制できます。

まず酸素を無くすことはほぼ不可能です。

温度も冷蔵庫など寒いところに置けば繁殖の速度は非常に遅くなりますが、財布をそのような場所で保管するというのは現実的ではないでしょう。

そうなると財布のカビを防ぐためには、湿度を下げて、栄養源を絶つことが大事になってきます。

 

6-1.定期的に手入れをする

使用する頻度が多い財布は手垢などで汚れやすく、それがカビの栄養になってしまいます。

そのため定期的に財布の手入れをして、カビの栄養源を絶つようにしましょう。

また財布を常に綺麗にしておくことは、カビ予防だけでなく、財布を長持ちさせることにも繋がります。

長く使いたい大事な財布は、定期的にしっかりメンテナンスを行ってください。

 

6-1-1.本革の財布のメンテナンス

用意するもの


  • ブラシ(馬毛など)
  • 革用クリーム
  • 布(クロスなど柔らかいもの)

①ブラシで埃を取り除く

馬毛などのブラシで優しく埃を除去してください。

 

②革用クリームを塗る

クリームを布に少量取り、薄く全体に伸ばしてください。
この時に注意してほしいのが、クリームの量です。
クリームが残ってしまうとそれがカビの栄養になってしまうので塗りすぎないようにしてください。

 

③乾拭きする

再度ブラッシングした後に、乾いた布で磨き上げてください。

 

6-1-2.合皮の財布のメンテナンス

用意するもの


  • ブラシ

 

①ブラシで埃を取り除く

ブラシで優しく埃を除去してください。

 

②硬く絞った布で拭く

硬く絞った濡れ布で財布に付着した汚れを取り除きます。
(もし目立った汚れがない場合はこの工程は省略しても問題ありません)

 

③乾拭きする

合皮は濡れたままだとひび割れなど起こる可能性があるので、乾いた布でしっかりと水分を拭き取ってください。
手入れの時以外でも、雨や汗で合皮が濡れた時はすぐに拭き取るようにすることで長持ちさせることができます。

 

6-1-3.キャンバス(帆布)の財布のメンテナンス

用意するもの


  • ブラシ
  • 中性洗剤(必要な場合)
  • 布(必要な場合)

 

①ブラシで埃を取り除く

ブラシで優しく埃を除去してください。
基本的にはこれで終了ですが、汚れが目立つときは以下の工程を行ってください。

 

②中性洗剤を含ませた布で叩く

水で薄めた中性洗剤を布に含ませて、汚れている箇所をポンポンと軽く叩くようにして除去します。

 

③硬く絞った濡れ布で洗剤を取り除く

硬く絞った濡れ布をポンポンと叩いて、財布に中性洗剤が残らないようにしましょう。

 

④乾燥させる

風通しの良い場所でしっかりと乾燥させてください。

 

6-2.風通しを良くする

財布を長期間使用しない時はクローゼットや引き出しなどに入れて保管することが多いと思います。

そしてその時に、財布を傷や埃から守るために購入時の箱に入れる方がいますが、これでは湿気がこもりやすくなり、カビの発生リスクが高まります。

もし傷や埃から守りたいのであれば、不織布の袋などに入れることをおススメします。

通気性が良く湿気がこもりにくいので、財布の保管にピッタリです。

また普段使用している財布の場合は、雨に濡れたり、バッグの中に一緒に入っている冷たい飲み物などによって湿ってしまうことがあります。

濡れたままの財布をバッグに入れっぱなしにしていると、湿気がこもった状態になってしまいます。

バッグから取り出して風通しの良い場所に置き、しっかりと乾かすようにしてください。

 

6-3.乾燥剤と一緒に保管する

長期間使用しない時はしっかりと財布の湿気対策を行ってください。

一番簡単なやり方は、財布を不織布に入れる時に一緒に乾燥剤も入れることです。

これを入れておくだけで財布の湿気を取り除いてくれるので、カビが発生しにくくなります。

また乾燥剤を入れるとカビ対策だけでなく、金具などの錆の防止にもなるのでお勧めです。

「わざわざ乾燥剤を買うのは…」というのであれば、購入時に一緒に入っていた乾燥剤でも効果はありますので、乾燥剤は捨てずに残しておくのがいいでしょう。

 

6-4.保管場所のカビ対策を行う

いくら財布のカビ対策をしても保管場所が悪ければ、完全にはカビを防ぐことができません。

そのため保管場所のカビ対策は重要になってきます。

まずカビの発生を抑えるために最も重要な湿気対策です。

保管場所の湿気対策

・除湿剤を置く

・こまめに換気する

・物を詰め込みすぎない

保管場所の湿気が気になる時は除湿剤を置いて湿気を取り除くようにしましょう。

またクローゼットや引き出しは閉め切っていることが多いので、開けてこまめに換気することでこもっている湿気を逃がすことができます。

そして物を詰め込みすぎていると空気が循環しにくくなるので、保管場所には余裕を持たせるようにしましょう。

他にも湿気対策だけでなく、こまめに掃除を行ったりしてカビの栄養源になるものは取り除くようにしてください。

クローゼットのカビ対策に関しては詳しく紹介している記事があるので、是非こちらを参考にしてください。

【カビのプロが教える】クローゼットのカビ対策と最強のアイテム10選

 

7.まとめ

今回は財布にカビが生えた時の対処方法について紹介してきました。

カビは時間経過と共に繁殖していくものなので、見つけたらすぐに除去しましょう。

本革の財布にカビが生えてしまった時は、以下の方法で除去しましょう。

 

合皮の財布にカビ生えてしまったら、以下の方法で除去しましょう。

 

キャンバスの財布にカビが生えてしまったら、以下の方法で除去しましょう。

 

財布は丸洗いできないため、自宅でできるカビ取り方法に限りがあります。

そのためカビの状態が酷い時は紹介した方法では完全に取り除くことができないことがあります。

そんな時はプロに頼んで徹底的にカビ取りしてもらうのがいいでしょう。

カビ取り専門のクリーニング業者のハーツクリーニングでは、医療機器の滅菌処理にも使われているほど強力なエチレンオキサイドガス(EOG)で滅菌しており、しぶといカビでも死滅させることが可能です。

カビは少しでも残っていると再発する恐れがあるため、カビを根絶することはとても大事です。

また、老舗のクリーニング店と提携しているため、カビの殺菌力だけでなくクリーニング技術も一流です。

他のクリーニング業者で断られたようなカビが酷い財布でも、ハーツクリーニングなら対応できる可能性があります。

どうしてもカビ取りしたい大事な財布がありましたら、是非ハーツクリーニングをご利用ください。

この記事をお読みいただいた方々が、財布のカビの悩みから解放されることを願っております。