寝具のカビは健康を脅かす!?マットレスの正しいカビ取りと7つのカビ対策
「シーツをしばらく洗っていなかったせいで、マットレスにカビが生えてしまった」
「マットレスのカビ取りをしたいけど洗濯できないし、どうすればいいんだろう…」
毎晩快適に眠るためにも、寝具は清潔に保ちたいと考えている方も多いと思います。
しかし人間は就寝中に汗をかいているため、寝具には湿気がこもりやすく、カビが発生してしまうことがあります。
シーツや布団にカビが発生した場合は、素材によっては洗濯できたりしますが、マットレスは大きくて丸洗いすることができません。
そのためマットレスにカビが生えた時、どのように対処すればいいのかわからなくて困ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、マットレスにカビが発生した場合の対処方法について解説します。
マットレスのカビ対策についても紹介するので、是非参考にしてください。
この記事でわかること |
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目次
1.マットレスのカビで健康被害!?放置してはいけない理由
マットレスを使用する時、シーツや敷パッドを敷いている方が多いと思います。
そのため、カビが発生しても「シーツで隠れるからこのままでいいか」と放置する方がいますが、それはすぐにやめましょう。
カビの範囲が狭くて軽度であったとしても、カビは繁殖を続けていくので、次に見た時には広範囲に及んでいることがあります。
また、カビが酷くなると高額なクリーニング費用が発生したり、場合によっては新しいものに買い替えなければいけなくなるかもしれません。
そしてマットレスのカビで一番怖いのが健康被害です。
日本人は平均7時間睡眠をとると言われています。
就寝中は布団の中にいるため、その間ずっとカビの胞子を吸い続けることになるでしょう。
カビによって発症する恐れがある病気は以下のものが挙げられます。
- 肺アスペルギルス症
- クリプトコッカス症
- 気管支喘息
- 夏型過敏性肺炎
- シックハウス症候群
- 足白癬(水虫)
- アレルギー性鼻炎
これは一例ですので、他にもたくさんあります。
カビ起因の病気の中でも特に怖いのが、肺アスペルギルス症などのように肺や気管支に入ることで引き起こされる病気です。
肺を切除することになったり、最悪な場合だと命を起こすこともあります。
そうならないためにも、マットレスなどの寝具にカビが生えていたらすぐに対処するようにしてください。
2.消毒用エタノールでマットレスのカビを除去する
カビはアルコールに弱い性質のため、消毒用エタノールで除菌するのが一番簡単なカビ取り方法になります。
エタノールは「無水エタノール」など種類がありますが、これは濃度によって呼び方が異なります。
アルコール濃度が70%前後が一番殺菌効果があるため、それに近い消毒用エタノールを使用するのがベストです。
2-1.事前準備
用意するもの
- 消毒用エタノール
- スプレーボトル(必要な場合)
- タオル
- ドライヤー(必要な場合)
- マスク
- ゴム手袋
スプレータイプの消毒用エタノールの場合は、スプレーボトルを別で用意する必要はありません。
また、カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。
健栄製薬 消毒用エタノール
出典: amazon
エタノール (C2H6O) 76.9〜81.4vol%を含有している第3類医薬品です。
創傷面の殺菌・消毒やカビやウィルスの除菌もできるので汎用性が高くて、幅広く使用できます。
ドーバー パストリーゼ77
出典:amazon
酒造会社のノウハウから生まれたアルコール製剤で、アルコールの含有率が77%と高濃度です。
カビをはじめとした多くの細菌やウィルスを除菌してくれます。
2-2.カビ取り手順
①消毒用エタノールを吹きかける
マットレスのカビに消毒用エタノールを吹きかけてください。
カビが発生している箇所だけでなく、その周辺にも吹きかけるようにしましょう。
②1時間程放置する
消毒用エタノールをカビに浸透させるために1時間程放置します。
③タオルでカビを除去する
ぬるま湯で湿らせたタオルでカビを除去します。
こすると悪化してしまうので、カビをつまむようなイメージで行ってください。
カビがしつこい場合は①~③を繰り返してください。
④乾燥させる
マットレスを乾燥させます。
ドライヤーを使用すれば、ドライヤーの熱で殺菌と乾燥の両方を行うことができます。
ただし熱に弱いマットレスだと傷んでしまうので、その場合は風通しの良い場所で陰干ししてしっかりと乾かしてください。
3.黒い色素を落とすなら酸素系漂白剤でカビを除去する
発生したのが黒カビだった場合は、消毒用エタノールでは繊維に黒い色素が残ってしまうので、酸素系漂白剤を使用することになります。
ただし黒カビはプロでも除去が難しいと言われるほどしぶといため、今回紹介するやり方でも完全に除去できないことがあります。
その場合は5.自力でカビ取りできない場合の対処方法を参考にしてください。
3-1.事前準備
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- スプレーボトル
- タオル
- ドライヤー(必要な場合)
- マスク
- ゴム手袋
カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。
グラフィコ オキシクリーン
出典: amazon
酸素の力で衣類のシミや汚れを漂白・消臭・除菌してくれる漂白剤です。
衣類だけでなく、キッチンやお風呂、お部屋の床など様々な場所の掃除で使用できます。
シャボン玉石けん 酸素系漂白剤
出典: amazon
洗濯はもちろん、台所でもスッキリ綺麗にしてくれる酸素系漂白剤です。
ツンとした臭いもなく、ベビー用品の漂白・消臭・除菌にも使えます。
3-2.カビ取り手順
①ぬるま湯に酸素系漂白剤を溶かす
ぬるま湯に酸素系漂白剤を入れてください。
酸素系漂白剤が溶けたらそのぬるま湯をスプレーボトルに注ぎ入れます。
②酸素系漂白剤を吹きかける
マットレスのカビに酸素系漂白剤を溶かした水を吹きかけてください。
カビが発生している箇所だけでなく、その周辺にも吹きかけるようにしましょう。
③タオルでカビを除去する
ぬるま湯で湿らせたタオルでカビを除去します。
こすると悪化してしまうので、カビをつまむようなイメージで行ってください。
カビがしつこい場合は①~③を繰り返してください。
④乾燥させる
マットレスを乾燥させます。
ドライヤーを使用すれば、ドライヤーの熱で殺菌と乾燥の両方を行うことができます。
ただし熱に弱いマットレスだと傷んでしまうので、その場合は風通しの良い場所で陰干ししてしっかりと乾かしてください。
※注意※
スプレーボトルに入っている酸素系漂白剤を溶かした溶液はそのまま放置せず、使用後は中身を捨てるようにしましょう。
密閉状態のまま保管していると、発生した酸素によって容器が破裂する恐れがあります。
4.マットレスだけでなくシーツのカビも除去する
マットレスにカビが発生した場合、シーツも一緒にカビが生えていることがあります。
せっかくマットレスのカビ取りをしても、シーツにカビが残ったままだと意味がないので、しっかりとシーツのカビ取りも行いましょう。
4-1.事前準備
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- 桶(洗面台でも可)
- 歯ブラシ
- マスク
- ゴム手袋
カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。
4-2.カビ取り手順
①お湯と酸素系漂白剤を入れる
桶や洗面台に40~60℃のお湯を入れて、酸素系漂白剤を溶かし入れます。
②シーツを入れてしばらく漬けおきする
シーツを入れて漬けおきします。
1時間程放置してください。
③落ちていない汚れを歯ブラシで取り除く
つけ置きだけでは落ちなかったカビは、歯ブラシを使って除去してください。
④洗濯してから天日干しする
シーツを洗濯機に入れて、すすぎと脱水を行います。
それからシーツを天日干しして、しっかりと乾かしてください。
5.自力でカビ取りできない場合の対処方法
ここまでマットレスにカビが発生した時に自力でカビ取りする方法について紹介しました。
しかしマットレスは行えるカビ取り方法が限られているため、カビが酷い時は完全に除去できないことがあります。
そういう時はクリーニング業者に依頼するかマットレスを買い替えるのどちらかになるでしょう。
5-1.クリーニング業者に依頼する
カビには黒カビ、白カビ、青カビなど様々な種類があります。
白カビや青カビは飛散しやすかったり、成長が早かったりするので厄介ではありますが、表面に発生しているカビなので比較的除去しやすいです。
そのため通常のクリーニング業者でも除去してもらえる可能性は高いです。
しかし問題なのは黒カビです。
黒カビは本来お風呂場など湿度の高い場所に発生しやすいカビなのですが、布製品などに発生した場合は繊維の深いところにまで根を張っていることが多く、プロでも除去が難しいと言われています。
そのためクリーニング業者によっては、黒カビが発生した衣類や寝具は受け付けていないというところもあります。
そこでおススメなのがカビ取り専門のクリーニング業者です。
ハーツクリーニングは、国内外の要人が依頼するほど実績のある老舗のクリーニング店と提携しているため、厄介な黒カビも熟練の技術で除去してくれます。
またカビの菌である真菌は非常にしぶといため、通常の滅菌処理では死滅しないことがあります。
しかしハーツクリーニングでは医療機器の滅菌処理にも使われているエチレンオキサイドガス(EOG)を使用しているため、死滅しにくい真菌や害虫の卵でも根絶させることが可能です。
ただしハーツクリーニングはカビを除去する技術力が高い分、他のクリーニング業者よりも料金が高く設定されています。
高級マットレスなど、簡単に買い替えられない大切なものにカビが生えた時に利用することをおススメします。
5-2.マットレスを買い替える
マットレスの値段や使用期間によってはいっそのこと買い替えてしまうというのも良いでしょう。
物にもよりますが、マットレスの寿命は通常5~10年程度で、それを過ぎてしまうと寝心地が悪くなってしまいます。
コイルから軋んだ音がしたり、マットレスがへたってきていると感じたら替え時でしょう。
またマットレスのクリーニングは他の物よりも料金が高めに設定されています。
せっかく高額な費用を出してクリーニングで綺麗にしてもらっても、寿命が短いのであれば勿体ないでしょう。
安価なマットレスや寿命が近いマットレスは買い替えてしまった方が長い目で見るとお得かもしれません。
もし買い替えをして古いマットレスを処分するなら、通常は粗大ごみとして回収してもらうことになります。
家具店によっては、新しいマットレスを購入すると古いマットレスを回収してくれるところもあるので、そのようなサービスを活用するのもおススメです。
6.マットレスにカビが発生する一番の原因は寝汗
ここまでマットレスにカビが発生した時の対処方法について紹介しました。
しかし、そもそもマットレスにカビさえ生えなければカビ取りの手間はなく、余計な出費も抑えられます。
そのためマットレスはカビ取りよりも、カビが生えないように対策をすることが重要なのです。
そして対策をするには、何故マットレスにカビが生えてしまうのか原因を知らなければなりません。
まずカビは以下の4つの条件が揃った時に発生すると言われています。
地球上には酸素はありますし、人間が過ごしやすい気温とカビが生育しやすい気温は一致しているため、この2つを調整するのは難しいでしょう。
そのため「水分」と「栄養源」を抑えることがカビ対策では大事になってくるのですが、実はマットレスはこの2つが揃いやすくなっています。
その原因が寝汗です。
人間は眠っている間にコップ1~2杯の汗をかくと言われています。
この寝汗のうち約30%は掛布団が吸収しますが、残りは敷布団やマットレスに吸収されます。
マットレスは敷布団よりも通気性が良いのですが、逆に放っておいても大丈夫だと考えてしまい、何も対策をしていない方が多くいます。
そして寝汗は水分だけでなく、カビの栄養源を与えることにもなります。
人間の皮脂汚れ、フケなどが蓄積されていき、それがカビの栄養源となってカビの成長を促進します。
ただ眠っているだけでカビが繁殖しやすい環境を作ってしまっていることを意識して、カビ対策を行うようにしましょう。
7.マットレスのカビを防ぐ7つの対策
マットレスのカビの原因の一番は寝汗であるため、いかにマットレスに寝汗が蓄積しないようにするかが大事になります。
今回はマットレスのカビを防ぐための対策を7つ紹介します。
どれも簡単にできることなので、是非試してみてください。
7-1.マットレスを床に直接置かない
寝汗によってマットレスに溜まった湿気は重力で下がっていきます。
マットレスと床の間に隙間があればそこから湿気を逃がすことができますが、床とピッタリくっついているとそこに湿気がこもってしまいます。
あとは栄養源や快適な温度があれば、カビの発生条件が揃ってしまうのです。
このような事態を防ぐためにも、マットレスを床に直接置くのはやめて、ベッドやすのこなどを活用しましょう。
マットレスと床の間に隙間ができることで湿気をこもりにくくなり、カビの発生を抑えることができます。
アイリスプラザ すのこマット
出典: amazon
7-2.シーツをこまめに洗う
シーツは寝汗やフケ、皮脂などが付着しているため、カビの栄養源がたっぷりあります。
もし洗濯せずに使い続けると、吸収しきれない寝汗などがマットレスにまでいってしまうこともあるでしょう。
またシーツにカビが発生してしまうと、それがマットレスにも移ってしまいます。
それを防ぐためにもシーツはこまめに洗濯するようにしてください。
シーツは毎日洗濯するくらいの方がいいのですが、大きくて洗濯も大変だと思うのでせめて1週間に1回は洗濯するように心がけましょう。
7-3.定期的にマットレスを干す
マットレスにこもった湿気を乾かすために、月に1回程度は干すようにしてください。
カビは紫外線に弱いため日光に当てることで死滅するのですが、マットレスの素材によっては熱に弱いものがあるので、天日干しではなく陰干しの方がいいでしょう。
直射日光の当たらない風通しの良い窓際に干してください。
もし重くて移動が難しいのであれば、ベッドの上に立てかけるだけでもいいです。
その場合は窓を開けたり、扇風機を回したりして、乾かすようにしましょう。
ちなみにマットレスは水に弱いため、干すというのはカビ防止だけでなく、マットレスの劣化を防ぐことにも繋がります。
正しいお手入れをすることで、マットレスの寿命を長くすることができます。
7-4.壁とベッドの間に隙間をあける
マットレスは底面だけでなく、側面からも湿気を逃がしています。
そのため壁にピッタリとくっついてしまうと、水分を逃がしにくくなり、マットレスの中に湿気がこもってしまいます。
またベッドが壁とくっついていると、壁やベッドにもカビが発生しやすくなります。
マットレスやベッド、壁にカビが発生するのを防ぐためにも、ベッドを壁から数センチ程度離して設置するようにしましょう。
7-5.通気性の良いベッドフレームを使う
7-1.マットレスを床に直接置かないで、ベッドやすのこの上にマットレスを置くようにしてくださいとお伝えしました。
しかし、ベッドによっては隙間がほとんどないタイプのものもあります。
カビ予防の観点から見ると通気性の良いすのこベッドを使用するのがいいでしょう。
特に脚付きで下に隙間のあるベッドがおススメです。
これでマットレスに湿気がこもりにくくなり、マットレスだけでなく床やベッドにカビが発生するのを防ぐことができます。
7-6.除湿シートを使う
暑い時期などたくさん汗をかいている場合、薄手のシーツだけでは汗を吸収しきれずにマットレスまで到達してしまうこともあります。
それを防ぎたいのであれば、敷きパットと除湿シートを活用してみてください。
マットレスと敷きパットの間に除湿シートを入れておけば、敷きパットを通過してしまった寝汗を除湿シートが吸い取ってくれます。
これでマットレスに寝汗が染み込まないため、湿気がこもりにくくなるでしょう。
また最近の除湿シートは乾かせば繰り返し使えるものが多いので経済的です。
敷きパットはシーツと同様に週1回程度洗濯して、その時に除湿シートも乾かすようにしてください。
ドライペット ふとん快適シート
出典:amazon
布団や敷きパットの下に敷くだけで、寝汗や湿気をすばやく除去してくれます。
また天日干しすることで除湿消臭効果が再生し、くり返し使用できるのでエコで経済的です。
7-7.寝室のカビ対策をする
マットレスのカビ対策といえば寝具などを中心に考えてしまいますが、もう一つ重要なのが寝室のカビ対策です。
寝室にカビの発生条件が揃っていると、マットレスのカビ対策だけでは防げないことがあります。
まず寝室の湿度を下げるために、換気をこまめに行ったり、エアコンの除湿機能を活用してください。
カビは湿度が60%を超えたあたりから活動を始めるため、湿度は60%以下にするのが望ましいです。
また窓に結露が発生している場合はこまめに拭きとったり、結露防止のシートやスプレーを活用して、窓際に水分を発生させないようにしてください。
そして寝室の掃除も大切です。
埃などはカビの栄養源になってしまうので、こまめに掃除を行うようにしましょう。
ニトムズ 窓ガラス 結露防止シート
出典:amazon
8.まとめ
今回はマットレスにカビが発生した場合の対処方法について解説しました。
寝具にカビが生えると就寝中にカビの胞子を大量に吸い込むことになり、病気を発症するリスクが高まります。
そのためマットレスのカビを見つけたらすぐに除去するようにしてください。
カビはアルコールに弱いので、消毒用エタノールで死滅させることができます。
もし発生したのが黒カビで色素が残ってしまうようなら、酸素系漂白剤を使用してカビ取りを行ってください。
それでも除去できない時はクリーニング業者などのプロに任せるようにしましょう。
カビ取り専門のクリーニング業者であるハーツクリーニングでは、医療機器の滅菌処理にも使われているEOG滅菌(エチレンオキサイドガス滅菌)で滅菌処理をしています。
そのため、しぶといと言われている真菌(カビの菌)でも死滅させることが可能です。
そして、マットレスのカビが除去できたらそれですべて終了というわけではありません。
大事なのは今後カビを発生させないようにすることです。
この対策を行うことでカビの発生率を大幅に下げることができます。
今回紹介した対処方法や対策を実行して、カビのないマットレスで快適な睡眠時間をお過ごしください。