施工事例

【詳細調査】健康不安から依頼したカビ調査で対策箇所を特定し、過剰工事を回避した戸建住宅の事例

【詳細調査】健康不安から依頼したカビ調査で対策箇所を特定し、過剰工事を回避した戸建住宅の事例

案件情報

住所
東京都文京区
物件用途
戸建て
作業内容
菌種・菌数測定を含む詳細なカビ汚染度調査、および調査後の質問対応
作業人数
調査1名
作業時間
約2週間(現地調査から報告書納品まで)
作業面積
160m2(20検体)
作業費
23万3000円

事例の概要

夏型過敏性肺炎の診断を受け、カビへの不安を抱えていたお客様に対し、菌種・菌数まで特定する詳細調査で対策の優先順位を明確にし、過剰な工事を回避した事例です。

課題

  1. 夏型過敏性肺炎と診断され、自宅のカビが原因ではないかと不安だった
  2. 汚染源がどこか分からず、調査範囲や対策の優先順位を判断できなかった
  3. 健康は心配だが、建物全体への過剰な工事は避けたいと考えていた

成果

  1. 汚染状況が数値で可視化され、対策が必要な場所が客観的に判明した
  2. 対策の優先順位が示され、今後の生活における判断材料が手に入った
  3. 調査結果に基づき、対策範囲を限定して検討することが可能になった

抱えていた課題/依頼の背景

ご依頼者様は、夏型過敏性肺炎と診断されたことをきっかけに、ご自宅のカビ環境が健康状態に影響しているのではないかという深刻なご不安を抱えていらっしゃいました。特に懸念されていたのが、1階浴室の床下にある、普段は入れない地下ピットの存在です。しかし、本当に問題なのが地下ピットだけなのか、あるいは日常的に使用している書斎や離れにも原因があるのか、ご自身では判断がつかない状況でした。

市販のカビ取り剤や目視での確認では、根本的な解決にならないとお考えだったそうです。求めていらっしゃったのは、単に「カビがあるかどうか」という答えではなく、病気との関連性や今後の住まい方、対策の優先順位といった、生活を続けていくための具体的な「判断材料」でした。インターネットで専門業者を探されるなかで、菌種と菌数まで測定できる弊社の詳細な調査を知り、お問い合わせいただくに至りました。健康に関わる重要な問題だからこそ、調査内容に納得したうえで進めたいという、ご依頼者様の真摯な姿勢が印象的でした。

今回案件のポイント

本件の成否を分けたのは、調査結果を単なる数値データとして提示するのではなく、ご依頼者様が「どこから対策すべきか」「この部屋をどう使うか」という、日々の生活に直結する判断につなげられる形で示すことでした。

そのため、ご依頼者様が最も懸念されていた地下ピットだけに調査範囲を限定しませんでした。母家の室内や書斎、離れまで対象を広げ、地下空間と居住空間の汚染状況を比較できる調査を設計しています。地下だけを測定しても、そこが汚染源であるとは断定できないため、この比較分析が極めて重要でした。

また、ご依頼者様が健康上の強いご不安を抱えていらっしゃる点を踏まえ、調査で分かることと分からないことの境界線を事前に明確にしました。建物のカビの状態を科学的に記録することと、個人の疾患の原因を特定することは異なり、後者は医師の判断領域であることを丁寧にご説明しています。調査後のご質問に対しても、口頭の説明だけでなく、後から何度もご確認いただけるよう文書で回答することを徹底しました。

依頼から診断完了までの流れ

ご依頼をいただいてから診断完了までの主な流れは、以下のとおりです。

  1. 調査範囲の設定
    ご懸念の地下ピットに加え、母家の室内、書斎、離れを調査範囲として設定しました。地下空間と居住空間の汚染度を比較できるよう、戦略的に採取箇所を配置いたしました。
  2. 菌種・菌数の測定
    目視確認だけでなく、専用の機材を用いて空気を採取し、1週間かけて培養することで菌の種類と数を特定しました。これにより、汚染の度合いを客観的な数値と菌名の両面から把握できる状態としました。
  3. 結果の評価
    検出された菌の名前だけで原因を決めつけることはせず、建物の構造や調査時の温湿度といった条件を含めて総合的に評価しました。例えば、書斎から特定の菌が検出されたという事実は報告書に明記しつつも、それが直接の発症原因であると断定するような表現は避けています。
  4. 報告書の提出と対策の優先順位の提示
    調査で判明した菌名と数値を羅列するだけでなく、そのデータが何を意味するのかを解説しました。部屋ごとの利用方法に関する考え方や、どこから対策に着手すべきかという優先順位を、具体的にお示しする形で報告いたしました。
  5. 調査後の質問対応
    報告書をお渡しして終わりではなく、ご依頼者様が内容を深くご理解し、ご納得いただけるまでサポートしました。サンプリング時の条件や結果の解釈など、多岐にわたるご質問に対し、一つひとつ丁寧に文書で回答しています。

得られた結果

地下ピットと居住空間の汚染状況が菌種・菌数で明確になり、対策の要否を客観的に検討できる状態が整いました。

部屋ごとの利用指針や対策の優先順位が示されたことで、今後の生活に関する具体的な判断材料を確保できました。

また、調査結果に基づいて対策範囲を絞り込むことが可能となり、過剰な工事を回避する道筋が立ちました。調査後の詳細なご質問にも文書で回答を受けられたため、ご自身が納得したうえで次の行動を決定できる環境が実現しています。

 

ご依頼後、ご依頼者様より以下のメッセージを頂戴しました。

「追加質問に対しても親身で丁寧なご回答をありがとうございました。かかりつけ医にも相談しながら、今後の対策を冷静に考えてみたいと思います。」

今回案件で発揮できたハーツリッチの強み

1:目に見えないカビを数値化し、客観的な判断基準を提示

ご依頼者様は、目に見えないカビが健康に影響しているかもしれないという強い不安のなかにいらっしゃいました。市販の検査キットや目視確認では、汚染の深刻度や菌の種類までは分からず、どう行動すべきかの判断基準を持てない状況でした。

そこで弊社は、国の基準にも準拠した「浮遊菌調査」を実施。専用の機材で室内の空気を吸引し、1週間かけて菌を培養することで、菌の種類と汚染度を正確に数値化しました。

これにより、漠然とした不安は「客観的なデータ」という具体的な判断材料へと変わりました。どの部屋にどのような対策が必要なのかを、根拠を持って冷静に検討できる状態をご提供できたと考えています。

2:比較分析を可能にする調査設計で、汚染源の特定に迫る

当初、ご依頼者様は浴室下の地下ピットを最も懸念されていました。しかし、仮に地下ピットだけを調査して高い数値が出たとしても、それが居住空間にまで影響しているのか、あるいは別の場所に原因があるのかまでは分かりません。

弊社は建築の専門家の視点から、地下ピットと母家、離れの居住空間を同時に調査し、汚染状況を比較分析できる調査計画を立案しました。これは、カビの発生メカニズムを建物の構造から理解しているからこそ可能なアプローチです。

この調査設計によって、それぞれの空間の関連性を多角的に検討する道筋が拓けました。結果として、ご依頼者様が次に取るべき行動を、より高い解像度で検討できるようになったのです。

3:専門家による対話と文書回答で、依頼者の不安を解消

健康に関するご不安を抱えている場合、専門的な調査報告書をお渡しするだけでは、かえって混乱を招くことがあります。数字や専門用語が何を意味するのか、そして自分はどうすれば良いのか、という問いに答えられなければ、本当の意味での安心にはつながりません。

私たちは、調査で分かることの限界や、医師の判断領域との境界線を事前にご説明し、過度な期待も不安も生まないよう配慮しました。さらに、調査完了後もご依頼者様のご質問が尽きることはありませんでした。その一つひとつに対し、後からでも見返すことができる「文書」の形で丁寧に回答を続けたのです。

この対話と記録を重視する姿勢を通して、ご依頼者様がご自身で調査結果を深く理解し、納得感を持って次の行動を決断されるまでのプロセスに、最後まで伴走することができました。

代表 穂苅からのコメント

健康へのご不安を抱えるなかで、原因を突き止めたいという切実なお気持ちが伝わってくるご相談でした。だからこそ、単に菌を検出するだけでなく、その科学的データを今後の生活再建にどうつなげるかという視点を、何よりも大切にいたしました。

ご依頼者様は床下を気にされておりましたが、調査の結果、床下は確かに汚染されていたものの、夏型過敏性肺炎の原因となるトリコスポロン・アサヒは検出されず、実際には書斎から検出されました。

構造上もご予算の面でも完全除去は難しい状況であったため、今回の調査で安全が確認された離れにお住まいになることが、最も費用を抑えながら安心を得られる選択であると判断し、ご提案させていただきました。

建築とカビ、双方の専門知識を組み合わせた調査設計という弊社の強みがあるからこそ、ご依頼者様にご納得いただける判断材料をご提供できたと自負しております。

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