住宅において、床下や軒下は目に届きにくく、湿気が溜まりやすい代表的な箇所です。
床下では通気不足や温度差による結露が起こりやすく、軒下では日射や風通しの偏り、雨水の影響などによって湿気が蓄積し、カビが発生してしまうことがあります。
今回、愛知県の住宅の床下および軒下でカビ発生が確認されたため、ハーツリッチ株式会社(ハーツクリーン事業部)が除カビ・防カビ施工を実施しました。
1. 施工の目的と方針

床下や軒下は、住宅の中でも特に湿気がこもりやすい場所です。
この部分にカビが発生したまま放置すると、木部や断熱材の劣化だけでなく、臭気の発生や室内環境への影響につながる可能性があります。
今回の施工では、以下の3点を主な目的として対応しました。
- 床下・軒下に付着したカビの確実な除去
- 防カビコーティングによる再発リスクの抑制
- 施工後の菌数測定による効果の客観的な確認
使用している液剤は、弊社がブルネイ大学と共同で開発した専用の除カビ剤・防カビ剤です。
建材への浸透性や安全性について科学的な検証を重ねた処方を採用しており、医療機関や食品関連の現場でも使用できる水準の衛生基準に適合しています。
施工では、噴霧器や刷毛を用いて素材に合わせた適切な濃度・塗布方法を選択し、木部や断熱材を傷めることなく、安全かつ確実に処理を行いました。
2. 現場での施工状況
では、実際の除カビ・防カビ作業を解説します。
作業する際は適切な保護装備を着用したうえで、状態を確認しながら専用液剤を用いて丁寧に除カビ・防カビ処理を進めました。
2-1. 床下の施工

床下の断熱材および木部には、複数箇所でカビの付着が確認されました。
作業スタッフは、刷毛・噴霧器などの工具を使い分けながら、対象範囲に合わせて効率的かつ確実に施工を行いました。
作業手順
- 床下カビ状況を目視で確認
- 専用の除カビ剤を丁寧に塗布
- 乾燥後、仕上げとして防カビ剤を広範囲に噴霧
2-2. 軒下の施工

軒下の木部には、黒ずみを伴うカビ汚染が複数箇所で確認されました。
屋根の上から軒裏にアクセスする必要があるため、不安定な姿勢での作業となり、専門的な技術が求められる環境です。
作業手順
- 軒下カビ状況を目視で確認
- 専用の除カビ剤を丁寧に塗布
- 乾燥後、仕上げとして防カビ剤を広範囲に噴霧
3. 施工前後の比較【Before / After】
除カビ・防カビ処理によって、床下・軒下ともにカビ汚染が大きく改善されました。
ここでは、代表的な箇所のビフォーアフターをご紹介します。
3-1. 床下のBefore / After
まずは床下のビフォーアフターです。
Before

柱の表面に黒カビが点在し、床下奥から撮影した写真でも、木部一面に細かな黒い斑点が広がっていました。
After

施工後は、柱に付着していた黒カビが取り除かれ、表面の黒い斑点も見えなくなり、木部全体が明るく清潔な印象へと改善されています。
3-2. 軒下のBefore / After
続いて、軒下のビフォーアフターです。
Before

広い範囲に黒カビが広がり、特に濃く付着した部分では黒い汚れがはっきりと確認できました。
After

施工後は、広範囲に付着していた黒カビが取り除かれ、濃く残っていた黒い汚れも消えています。
木部本来の色味が戻り、全体がすっきりとした状態になりました。
4. 施工後の菌数検査
除カビ・防カビ処理の効果を客観的に確認するため、施工後に床下5箇所で菌数検査を実施しました。
断熱材表面から10cm²の範囲で菌を採取し、測定器により付着菌数を計測しています。
4-1. 菌数の判定基準
施工後の評価は、ハーツクリーンが現場で使用している以下の基準に基づいて行っています。
| 菌数(10cm²あたり) | 判定 |
|---|---|
| 0〜500 | 清潔 |
| 501〜3,000 | 注意 |
| 3,001〜 | 汚染 |
この基準により、施工後の状態をより正確に評価することができます。
4-2. 測定結果
施工後、床下の ①〜⑤ の各ポイントで菌数を測定しました。

その結果、すべての測定箇所が「清潔(0〜500)」の基準を大きく下回る良好な数値となりました。
| 測定箇所 | 生菌計 | 死菌計 | 合計(菌数) | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 試験1(①) | 17 | 2 | 19 | 清潔 |
| 試験2(②) | 0 | 5 | 5 | 清潔 |
| 試験3(③) | 4 | 3 | 7 | 清潔 |
| 試験4(④) | 0 | 8 | 8 | 清潔 |
| 試験5(⑤) | 1 | 9 | 10 | 清潔 |
いずれも5〜19の範囲に収まっており、非常に低い水準です。
この結果から、施工後の床下が良好な衛生状態を維持していることが確認され、除カビ・防カビ処理が確実に効果を発揮していることが数値として明確に示されました。
5. カビの根本解決には専門施工が不可欠

カビは表面だけでなく、木材の内部や周囲の湿気環境にも深く関わっています。
一般的な清掃では、表面の汚れが取れても、内部に残る根(菌糸)や微細な胞子までは除去できず、再発を繰り返しやすいのが現実です。
専門業者による施工では、次のような多角的なアプローチを組み合わせることで、再発しにくい環境をつくることができます。
- 含水率・通気・湿度などの環境分析
- カビ発生の根本原因を特定
- 素材に適した除カビ処理の選択
- 再発防止のための防カビコーティング
- 施工後の菌数検査による効果の客観的な確認
こうした科学的視点と専門技術を踏まえた施工により、表面処理だけでは得られない“根本的な再発抑制”が可能になります。
6. 今後の維持管理ポイント
専門業者による防カビ処理で再発リスクは大幅に減りますが、日常的な湿度管理や通気の確保を行うことで、施工後の良好な状態をより長く維持することができます。
特に床下・軒下は湿気がこもりやすいため、次のようなポイントを意識しておくと効果的です。
- 外周部の通気確保
建物の外周に植栽や物品が密集すると、風が通らず湿気がこもりやすくなります。外周はできるだけ開放し、空気の流れを妨げない配置を意識しましょう。 - 床下の定期チェック
年に1回程度、点検口から床下の状態を確認すると、湿気・カビ臭・木部の変色などを早期に発見できます。特に梅雨・台風のシーズンは注意が必要です。 - 建物全体の湿気管理
雨の日が続く時期や季節の変わり目は、建物全体の湿気が上がりやすくなり、床下や軒下にも影響が及びます。晴れの日の換気や、湿気が溜まりやすい場所の風通しを改善することが効果的です。
こうした日常管理を続けることで、施工後の清潔な状態を保ち、床下・軒下での再発リスクを大幅に低減できます。
7. まとめ
今回の住宅では、軒下と床下に広がっていたカビを専用の除カビ剤で処理し、仕上げに防カビ施工を行うことで、木部の状態を大きく改善することができました。
施工後の菌数検査では、すべての測定箇所が「清潔」基準を大きく下回る結果となり、作業の効果が客観的にも確認されています。
ハーツリッチ株式会社(ハーツクリーン事業部)では、建物の構造や素材、周囲の湿度環境を踏まえたうえで、最も適した方法を選択しながらカビ対策を実施しています。
これからも、一つひとつの現場に合わせた適切な処置と、施工後の状態を数値に基づいて客観的に評価しながら、安心して暮らせる住環境づくりに取り組んでまいります。
